特撮ドラマ「宇宙刑事ギャバン」(1982年)の主人公・一条寺烈役で人気を博した俳優・大葉健二(本名・高橋健二)さんが死去した。スポーツ報知では、2012年に映画「海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE」が公開されたのを記念して、大葉健二さんと「宇宙刑事ギャバン」のテレビシリーズの主題歌を歌った歌手の串田アキラの対談記事を掲載していた。

当時の記事を再構成して掲載する。

 「バトルフィーバーJ」(79~80年)のバトルケニア、「電子戦隊デンジマン」(80~81年)のデンジブルーと、スーパー戦隊シリーズでは5人のヒーローのうちの1人を演じていた大葉さんが、初めて単独で主役に抜てきされたのが「宇宙刑事ギャバン」だった。

 大葉さん「それまで5人でやっていたものを1人でやるわけですから、すごい長時間やっている印象。人生観も変わった。酒が好きだけど、飲みに行っても、ケンカも立ち小便もできない…。『子供のお手本になるような大人にならなアカンな』ってね」

 「太陽戦隊サンバルカン」(81~82年)の主題歌で特撮ソングデビューした串田にとっても、ギャバンの主題歌は大きな転機になったそうだ。

 串田「『―サンバルカン』はディレクターからなかなかOKがもらえなくて苦労したんです。特撮ソングが初めてだったので、どう歌ったら格好いいかも分からなかった。でも『ギャバン』のレコーディングは何十倍も早く済んだんです。(歌う時に)イキっ放しじゃなく、引いた優しさも出す、というのが、ギャバンの時には身についていたのかな?」

 大葉さん「主題歌が流れるオープニングの映像は、僕が出る場面が『歌に負けている』と言われて撮り直したんですよ。崖を転げ落ちて顔を上げる場面だったんですが、監督から『顔をもっと強く! 優しく!』と言われてね。でも、撮り直して良かったな」

 今回の映画で、大葉さんは30年ぶりにギャバンに変身する主人公・一条寺烈を演じた。

 大葉さん「30年前の人間が出ていいのか悩んだけど、脚本の段階で僕のことを気遣ってくれているのが分かったので、ウルウルきましたね。今の子供に『こんなオジチャンが変身するの?』って思われないように、一生懸命やりましたよ」

 30年前と比べて映像技術の進化を肌で感じたという。

 大葉さん「当時、本当はギャバンのボディーは光沢にしたかったんだけど、鏡みたいになってスタッフが映り込んじゃうので、仕方なくつや消しのシルバーにしたんです。でも、今は技術で加工できるから、ようやくギャバンが本来の姿になった感じですね」

 串田は「ゴーカイジャー」の主題歌を歌う松原剛志とのデュエットで新曲「JUMP」を収録した。ソウルフルな歌声は、還暦を超えても30年前と全く変わらない。

 串田「いかに長く歌うかを考えて、ライブのリハーサルを3時間やるとか、腹筋1000回やるとか、とにかく負荷を掛けるんです。本質的にはもっと根本的な発声法があるんですが、まだ公にできないな。ノドを大切にする人が多いから、僕のやり方はおすすめできない」

 大葉さん「僕もカラオケに行くけど、『ギャバン』はキーが高過ぎて歌えないんですよ。『サンバルカン』は得意ですけど」

 串田「『(宇宙刑事)シャリバン』(のテーマ曲)もうまいじゃない!」

 息の合ったところを見せた両雄。今後も一条寺がギャバンに変身する時、発する「蒸着(じょうちゃく)!」のセリフを聞きたい特撮ファンは多いはずだ。

 大葉「今後は若い子にもギャバンを継いでほしい。僕は、それを見守るおじさんとして、ね…。

でも、変身しなきゃいけない時は変身しますよ!」

 最後に、映画の見どころをPRしてもらった。

 大葉さん「こんな時代だからこそ、映画を見てギャバンから勇気をもらってほしいですね」

 串田「(主題歌は)歌詞にのめり込みながら歌っているので、みんなも一緒に歌ってくれ!」

編集部おすすめ