「ABEMA大相撲」では夏場所(5月10日初日)全取組を無料生中継するにあたり、専属解説者の元横綱・若乃花(3代目)の花田虎上氏と小結・若隆景(荒汐)による技巧派対談が、このほど実現した。3月の春場所で前頭筆頭だった若隆景は右肘痛を抱えながら勝ち越し。

初日に横綱・大の里(二所ノ関)から金星を獲得。給金直し後に休場したが強い意志で土俵に立っていた。なお、対談の全模様は現在ABEMAにて公開されている。

 対談は花田氏の強い希望から。花田氏は「苦労してはい上がり、先場所は苦しみながら勝ち越した。誰にインタビューしたいか考えたところ若隆景関が浮かんだ」と明かした。

 若隆景は、昨年秋場所で大関取りだったが、右肘負傷の影響で6勝9敗。九州場所は平幕に転落し、大関の道は遠ざかった。4月の春巡業は休場。手術の選択肢もあったが「完全に切れたわけではない。何より手術すると3か月かかってしまうので休場したくなかった」と明かした。

 不屈の31歳だ。

関脇だった23年春場所で右膝を大けがし3場所連続で全休した。一時は幕下まで落ちた。けがと付きあいながら、今場所の番付で返り三役。花田氏は「ここまでで終わる力士ではない。ここから先もあるし、どういう気持ちでいるのか聞きたかった」と期待は大きい。

 若隆景にとって花田氏は憧れ。最初は硬い表情で「緊張した」と明かしたが、花田氏の柔らかな口調で徐々にほぐれた。花田氏は現役時代に180センチ、134キロで若隆景は現在183センチ、132キロ。若隆景は昔から取り口を参考にしていることを明かした。組んだときの「膝の使い方」など深い技術の質問に、若隆景は白まわし姿で花田氏と組んだ。「どういう感覚で攻めていたのか気になっていた」。直接指導をうけ笑顔を見せた。

 若隆景の目標は大関昇進。だが花田氏は自身の経験から「横綱を目指す」と公言することと、「三手先を読む」ことをアドバイス。その後、若隆景は花田氏が現役時代の横綱・曙との取組を一緒にタブレットで観戦。若隆景は「大きい人を倒すのが相撲の醍醐(だいご)味」と気持ちを新たにした。

 若隆景は実はドジャースの大谷翔平投手と同級生。花田氏が「僕の息子と1学年違い。大谷選手の活躍は励みになるでしょう?」と振ると若隆景は「はい」と応じた。角界のレジェンドと不屈の男は最後、同じ色紙に筆ペンでサインし、笑顔で対談を終えた。(山田 豊)

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