◆米大リーグ ロッキーズ4―2ダイヤモンドバックス(16日、米コロラド州デンバー=クアーズフィールド)

 ロッキーズの菅野智之投手(36)が16日(日本時間17日)、本拠地でのダイヤモンドバックス戦で5回2失点と好投。今季4勝目を挙げて日米通算150勝(NPB136勝、MLB14勝)を達成した。

 試合後、菅野はこれまで組んできた中で印象に残る捕手を問われ、巨人では阿部慎之助(現巨人監督)、小林誠司(巨人捕手)の名前を挙げて感謝を示した。

 菅野のルーキー時代から見てきた中で、阿部とのバッテリーで特に印象に残っている試合の一つはプロ1年目の2013年の交流戦・オリックス戦(東京D)だ。

 そこまで5勝1敗と快投を続けていたドラフト1位右腕だが、その日は序盤から珍しく苦戦。初回だけで29球を要して先制を許し、3回まで5安打2失点だった。

 そんな中、イニング間にベンチで捕手の阿部が菅野の元に歩み寄って声をかけた。その助言をもとに4回以降は得点を許さず、8回127球2失点と粘投。1―2と1点を追う9回に亀井の逆転サヨナラ2点タイムリーでチームは勝った。

 菅野にとって、この試合はプロ生活のターニングポイントになる登板だった。

 「試合前からメチャメチャ調子が悪くて。阿部さんから試合中に『こういうときもあるから。長く続けていたらいいことばかりじゃない。粘ったら必ずいいことあるぞ。

捨て身になるんじゃなくて丁寧にいこう』と言われて。今でも一番印象に残っている言葉です。亀井さんがサヨナラ打を打ってくれて。試合後にロッカーで阿部さんが『な、粘ってたからいいことあっただろ』って言ってくれて」

 本調子でなくても、味方の援護がなくても、そのときに自分がやるべきこと、できることに集中して全力でベストを尽くす。長年、好成績を残す中で阿部の言葉は常に菅野の心の中にある。

 日米通算成績は150勝87敗で貯金63。巨人で1857イニング、MLBでは204イングを投げている。NPB通算勝率ランキングはNPBで2000投球回以上のため、菅野はランクインしていないが、勝率6割3分2厘9毛は、NPB歴代9位のスタルヒンの6割3分2分5毛を上回る高い数字。それだけ負けない投手ということだ。

 好投しながら白星に恵まれない試合も数多くあった中で、「ゼロに抑えれば負けないですから」と腕を振ってきた。どんな時でも粘って、捨て身にならず、丁寧に。一球一球、積み重ねてきた結果が150個目の白星につながった。

(片岡 優帆)

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