◆米大リーグ パドレス0―4ドジャース(20日、米カリフォルニア州サンディエゴ=ペトコパーク)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が20日(日本時間21日)、敵地・パドレス戦に自身4登板ぶりとなる二刀流出場を果たし、メジャー史上初となる投手「プレーボール弾」を放った。初回に約13秒で自ら援護し、今季最長7戦連続安打で4打数1安打1打点。

投手としては5回3安打無失点で4勝目を手にした。規定投球回にわずか1回届かなかったが、防御率は0・73に良化。チームは13連戦の最終戦を勝利で飾り、8勝5敗で終えた。

 プレーボールからわずか13秒。大谷の放った打球が右中間席に消えると敵地はどよめきに包まれた。1球で仕留めた。初回先頭、球審の開始の合図から6・2秒。「打とうとは思わなかったが反応で」と高め直球に自然と体が動くと、角度39度、111・3マイル(約179・1キロ)で高々と放物線を描いた打球は、滞空時間7・1秒でスタンドイン。計13・3秒、大谷にしかできない“超速自援護”で先制点をもたらし、「今後につながる一本。投手として先制点をあげない気持ちだったので、その前に点が入り、1番がいい仕事をまず最初にしてくれた」と遠回しに自画自賛した。

 また一つ、前人未到の記録を積み上げた。リアル二刀流での初回先頭打者アーチは、昨年のリーグ優勝決定シリーズ第4戦以来。

MLB公式サイトのサラ・ラングス記者によれば、メジャー史上2本目で、本拠地開催だった前回とは異なり、今回は敵地での1回表。先発投手では史上初の“プレーボール弾”とし、ロバーツ監督も「すべては翔平の一発から始まったね」と絶賛した。

 頼もしいリードオフマンは、マウンドでは3回まで完全投球。5回、先頭から2者連続安打を浴びるなど、1死満塁。だが強打者タティスを初球で遊ゴロ併殺打に打ち取り、豪快な雄たけび。何度も吠(ほ)えた。今季最短5回で降板し、規定投球回まではあと1回届かず、「結果的には勝ててよかったが、投げ心地自体がそんなによくなかった」と不満顔。二刀流で登板した今季4試合は23イニング自責0。無失点で4勝目は手にしたが、納得はしていなかった。

 それでも今季初の投打躍動で雑音を払拭(ふっしょく)した。今季、登板時の打撃成績は試合前まで10打数1安打、4三振と振るわず。開幕から二刀流でのフル稼働が打撃不振の要因とも指摘されていた。

本人は「(二刀流を)やってほしいと言われるこのスタイルが自分にとってベスト。今日みたいに結果がよければ、以降も使ってもらう機会が増える」と淡々。ロバーツ監督も「そういう声は間違いなく認識している。そして、それを『見返してやろう』とモチベーションに変えている」と代弁した。

 宿敵パドレスとの首位攻防3連戦を勝ち越し、単独首位を堅守。13連戦を8勝5敗で乗り切った。「故障者も少しずつ出ている。長いシーズンを乗り切るためにチームとしてもいろいろ考えてくれている。お互いが理解し一試合一試合こなせば、いいパフォーマンスが出る可能性が高い」と大谷。今季50試合目でシーズン25発ペース。残りは112試合。投打で大谷が波に乗り始めてきた。

(竹内 夏紀)

 ◆登板日の先頭打者本塁打 NPBでもMLBでも、登板日に先頭打者本塁打を放ったのは大谷一人。日本ハムでは16年7月3日のソフトバンク戦(ヤフオクD)で初めて「1番・投手」で出場し、初球を捉えて「プレーボール弾」。MLB移籍後は、昨年10月17日のナ・リーグ優勝決定シリーズ第4戦の本拠地・ブルワーズ戦でフルカウントからソロを放った。この日はMLBのレギュラーシーズンでは初。先頭弾を放った試合は8回、6回0/3、5回を投げていずれも無失点で勝利投手になっている。

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