11日(日本時間12日)開幕の北中米W杯に出場する日本代表は6日、メキシコ1部ティグレスの練習場で練習を行った。報道陣に一部公開され、右鎖骨骨折から復帰したMF鈴木唯人(24)=フライブルク=が軽快な動きを披露。

MF南野拓実(31)=モナコ=、MF三笘薫(29)=ブライトン=が負傷で選外となり、主力不在の左シャドー(FWの後方)のレギュラー取りに名乗りをあげた。7日(同8日)に非公開で行われるU―19日本代表との練習試合でテストされる見込み。鈴木の適性を、後藤亮太記者が「読み解く」。

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 相手が捕まえづらいスペースを見つけて、ボールを受ける。すると、一気に攻撃が動き出す。実戦練習で左シャドーに入った鈴木唯がいきなり持ち味を発揮した。5月3日のウォルフスブルク戦で右鎖骨を骨折し離脱。手術を受けて復帰を目指していたが、この日フルメニューを消化した。「思ったよりいい感覚。久しぶりに合流してやってますけど、体も動いているしボール(タッチ)の感覚も悪くない」とうなずいた。

 “左シャドー問題”を一気に解決させる。南野、三笘が担ってきたポジションに誰を起用するかが、最大の焦点。

5月31日のアイスランド戦で起用した伊東はこの日、鈴木唯が復帰したこともあり右シャドーに専念した。7日のU―19代表との練習試合で結果を残せば、初戦・オランダ戦での先発起用も十分にあり得る状況だ。

 オランダ攻略の鍵を握る。オランダリーグでプレー経験のあるDF吉田麻也は「相手のラインが下がりがちなところを突いて、ギャップ(スペース)でボールを受け、速い展開で勝負を仕掛けていくことが非常に大事」と分析。相手DFと中盤の間でボールを受けて前を向き、ゴール前で決定的な仕事ができる鈴木唯はまさにうってつけだ。

 「(DFとMFの)ライン間で受けて(チャンスを)クリエイトするところが特徴。強みを出していければ」。今季からプレーするフライブルクでは25試合4得点2アシスト。欧州リーグでもセルタ(スペイン1部)との準々決勝第2戦で2得点を記録するなど飛躍を遂げた。その最後に待つ大舞台での活躍も大いに期待できる。

 南野、三笘がメンバー外となり「間違いなく、シャドーの部分ではいろんな、話は飛び交っているかと思いますけど…」と一呼吸置いて、「すごくチャンスですし、やれる自信は僕自身あるんで。思う存分、思い切ってできれば」と言い切った。

「縦」への突破力の三笘に対し、「間」でも仕事をする鈴木唯が「W杯優勝」を掲げる日本のキーマンになりそうだ。(後藤 亮太)

 ◆唯人の歩み 強心臓で急成長を遂げるアタッカーだ。清水で不動の主力だった21歳の23年1月、渡欧を決断。フランス1部ストラスブールでは結果を残せなかったが、24年8月に加入したデンマーク1部ブレンビーで開花した。2季で21得点をマーク。今季、ステップアップしたドイツ1部フライブルクで出番が回ってこない時も「ボールを持った時にこう(プレー)できるんだという姿を見せていけば、どんどんパスが入ってくるのは間違いない。それは時間の問題」とずぶとく適応した。先発の座を奪い、公式戦9得点7アシストを記録した。最近の活躍ぶりに、バイエルンの名将・コンパニー監督がドイツ1部の有望株として名を挙げるほど現地で注目を集めていた。

 ◆鈴木 唯人(すずき・ゆいと)2001年10月25日、神奈川・葉山町生まれ。24歳。市船橋高(千葉)から20年に清水入りし、プロ1年目に30試合出場。

23年1月にフランス1部ストラスブールに期限付き移籍し、同年8月にデンマーク1部ブレンビーに完全移籍。今季からドイツ1部フライブルクでプレー。右利き。175センチ、71キロ。

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