◆JERAセ・リーグ ヤクルト2―8巨人(15日・神宮)

 体が覚えていた。慣れ親しんだ舞台で、巨人・西舘勇陽投手(24)は気持ち良さそうに仕事を終えた。

大量援護に乗ってプロ最長に並ぶ7回1失点。「(景色は)変わらないですね。すごく投げやすかった」。赤土のマウンドで1か月半ぶりの2勝目をつかんだ。

 失点は3回のサンタナのソロだけ。奥川との同学年対決で圧勝した。軸は今季最速タイ154キロの直球。中盤から変化球も制御が利いた。9連戦の2戦目。「何とか長い回を投げられて良かった」と被安打4、106球でブルペンを助けた。プロ3年通算13度目の先発で対セ・リーグは初白星。「ようやく」と肩の荷を下ろし、橋上監督代行も「球威を非常に感じた」と拍手した。

1日に盛岡で開催されたこのカードでは、2回に先頭への危険球で退場となったが、苦い記憶も払拭した。

 敵地・神宮は大学時代の庭。中大では1学年上の森下(阪神)らとプレーし、無走者でもクイックで投げる独自のフォームでクローザーを担った。2部降格の危機を迎えたのは3年春。入れ替え戦で大学初先発に抜てきされ、第1戦と第3戦に登板した。最後は1失点11奪三振の完投。1部残留へ導いた。「負けたら終わり。人生で一番、野球をやってるなと思った」。戦国東都でもまれた経験は決して忘れない。

 その4年間でドラ1への道を切り開いた。1年時は早朝4時半に起床。

同部屋の先輩を起こさないように携帯を枕の下に置き、アラーム音が漏れないようにした。部屋が狭く、「ほぼドラえもん(笑)」と押し入れの中に布団を敷いて寝た日々も思い出。「全国の大学生が目指す場所。離れたくない場所だった」という学生時代の聖地で確かな成長を示した。

 「やっぱり(大学)4年間、長い間プレーしたので。脳みそが覚えてる」。この場所で聞く「勝利投手・西舘」のコールは最高だった。(堀内 啓太)

 ◆宮本和知Point  西舘は4、5回と味方が得点をしてくれた直後のイニングをきっちりと3者凡退で抑えた。勝てる投手の基本中の基本を実践できたということだね。全体的には、真っすぐの走りは良かったけれど制球が整わない。カットボールが良くて、何とか持ったという感じだった。148~149キロの球でコントロール重視にしてカウントを稼ぎ、勝負どころで全力と、ストレートの使い分けを意識していけば、もっと良くなると思うよ。

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