◆第108回全国高校野球選手権東東京大会 ▽4回戦 田園調布6―2攻玉社(16日・オーエンススタジアム江戸川)

 選手18人の田園調布が逆転勝ち。1986年から昨年までの40年間で、夏の東東京大会計5勝しか挙げていなかった都立の伏兵が、初の東東京16強に進んだ。

 昨夏は初戦の2回戦で岩倉に0―29の5回コールドで圧倒され、公式戦20連敗(ほか22年夏に連合チームで初戦負け)。昨秋の都1次予選で2017年夏以来の公式戦白星をつかんだチームが一気に飛躍した。

 背番号11の1年生右腕・鈴木皓大が初回に味方の失策、暴投などが絡んで2点を失うも、2回以降は6回まで無失点。打線の12安打6得点を呼び込んだ。84年以来42年ぶりの夏1大会2勝にとどまらず、同校初の3勝をマーク。初戦の2回戦から3試合連続先発して、計17イニング自責0の180センチ右腕は「焦る場面もあったけど、味方が援護してくれたので、信じて投げることができた」。学校の歴史を塗り替え、「うれしいの一言です」とはにかんだ。

 24年春に就任した中島秀馬監督(25)は「3年生6人が、僕が来た時の1年生。やっと野球部らしくなってきた。きょう見に来てくれたOBたちも勝ちたがっていた。公式戦で勝てなくて引退した子たちの思いも、3年目で乗っかって、結果に出ていると思います」と喜びをかみ締めた。

 左翼70メートル、右翼30メートルの狭い校庭を使えるのは週3度。

それ以外の日は、ケージで指揮官が打撃投手を務めるなど、基礎的なトレーニングを積んできた。初心者の入部も歓迎。中学時代に帰宅部だった背番号10の尾上慶外野手(3年)はDHのレギュラーに育ったが、5月の大型連休中に左足首を骨折し、靱帯も断裂。松葉づえをついてベンチに入り、声援を送った。代わってDHを務めた吉田悠翔(2年)が5回に決勝犠飛。尾上は「吉田が打ってくれてうれしい」と仲間と勝利の味を分かち合った。

 18日の5回戦は、東東京2連覇中の関東第一に立ち向かう。「毎日が最後」をチームスローガンに掲げる指揮官は「夏の大会前日も、冬の一日も全部一緒。全力でやる。子どもたちに『きょうがこのチームで最後だと思って戦いなさい』と毎回言ってきている。変わらず、次が最後と思って、悔いのないように戦いたい」と表情を引き締めた。卒業生に脚本家の内館牧子さんらがいる都立校。

選手18人が一丸となって、最後まで熱いドラマを描く。(雑誌『報知高校野球』取材班)

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