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怪我人が多数出ているが、イングランドをも圧倒した日本の完成度は高い Photo/GettyImages

日本代表は「最高の景色を2026」を合言葉に戦ってきた。目指すのは優勝であり、グループリーグ突破は通過点に過ぎない。

とはいえ、難しいグループに入ったのは間違いなく、多数のケガ人も出ている。オランダ代表、スウェーデン代表はフィジカルが強い選手が多く、なおかつテクニカル。チュニジア代表は全員が足を動かし、献身的に守る。堅守を誇るチームで、アフリカ予選10試合を無失点で乗り切っている。高い下馬評を得ている日本だが、立ちはだかるチームの壁も高いのが現実である。


日本の基本布陣は[3-4-2-1]で左右両サイドのウイングバックが高いポジションを取ると攻撃的な[3-2-4-1]となる。この両サイドに良質な選手がいるのがひとつの特長だったが、左ウイング&左シャドーを務める三笘薫(ブライトン)が負傷してしまった。南野拓実(モナコ)も復帰未定であり、中村敬斗(スタッド・ランス)が好調を維持しているがこのポジションにはもうひとり必要になる。鎖骨骨折が伝えられた鈴木唯人(フライブルク)、復帰間近の遠藤航(リヴァプール)、復帰後のプレイ時間が少ない冨安健洋(アヤックス)など、他にも状態が懸念される選手が多い。オランダとの初戦を迎えてどんなメンバーがピッチに立つのか、直前までわからないチーム状況になっている。

とはいえ、チームスタイルはすでに構築されている。「良い守備から良い攻撃へ」のコンセプトのもと、展開に応じて各選手が的確なポジションを取り、攻める時間帯、守る時間帯のコントロールができている。
中盤では佐野海舟(マインツ)、前線では上田綺世(フェイエノールト)が所属クラブで好調を維持していて、良い状態でW杯を迎えられる。

鈴木彩艶(パルマ)、伊藤洋輝(バイエルン)、鈴木淳之介(コペンハーゲン)など、守備陣にもタレントが揃っている。下馬評どおりにラウンド32に進出する可能性が高いが、問題はその先だ。1位通過ならグループCの2位、2位通過ならグループCの1位と対戦する。つまり、ブラジルorモロッコとの対戦になる。3位通過だとややこしく、フランスなどグループリーグを1位通過したチームとの対戦になる。こうした険しい道のりを乗り越えた先に、目標に掲げる優勝がある。

欧州2カ国は上位を狙える チュニジアの生命線は守備

[特集/2026W杯大展望 グループF]日本は優勝を目標に掲げる GL突破は通過点に過ぎない

ファン・ダイクを筆頭に、多くのタレントを揃えるオランダPhoto/GettyImages

オランダは前回カタール大会の準々決勝でアルゼンチンと対戦し、PK戦のすえ敗れ去った。印象的だったのは終了間際の同点弾で、準備してきたFKを土壇場で炸裂させたゴールだった。オランダは自分たちのスタイルを出して戦いつつ、大事な場面でこうしたアイデアを出してくる。競った展開ではセットプレイに注意が必要だ。

もとより、選手層の厚さは世界でもトップクラス。

DFフィルジル・ファン・ダイク(リヴァプール)、DFミッキー・ファン・デ・フェン(トッテナム)、MFライアン・グラフェンベルフ(リヴァプール)、MFフレンキー・デ・ヨング(バルセロナ)、FWコーディ・ガクポ(リヴァプール)......。MFシャビ・シモンズの負傷離脱を感じさせない戦力であり、ネームバリューのある選手が交代でも入ってくる。

オランダはEURO2020ベスト16、カタールW杯ベスト8、EURO2024ベスト4と国際大会で好成績が続いている。まだW杯優勝はないが、「次に初優勝するチーム」として名前があがる常連だ。北中米W杯でいよいよそれが現実になっても不思議ではない。

スウェーデンにはFWヴィクトル・ギェケレシュ(アーセナル)、FWアレクサンデル・イサク(リヴァプール)という強烈なストライカーがいる。イサクはケガで離脱していたが、5月に入って復帰している。両名が揃い、コンディションが整っているなら、欧州プレイオフのときより良い状態になっている。過去W杯に12回出場し、グループリーグで敗退したのは4回だけだ。直近で出場した2018年ロシアW杯でもベスト8入りしている。スウェーデンもまた、上位進出を狙えるチームだ。

チュニジアの生命線は予選を無失点で乗り切った守備にある。
DFモンタサル・タルビ(ロリアン)、DFアリ・アブディ(ニース)でゴール前を固め、中盤ではMFエリス・スキリ(フランクフルト)がチームの心臓となる。失点を食い止め、FWモハメド・アリ・ベン・ロムダン(アル・アハリ)、FWエリアス・サード(アウクスブルク)、FWイッサム・ジェバリ(ガンバ大阪)などがカウンターからゴールを狙ってくる。日本、オランダ、スウェーデンは、おそらくボールを持つ時間が長くなる。チュニジアの術中にハマって焦れてくると、やられることになる。


文/飯塚健司

※電子マガジンtheWORLD317号、5月15日配信の記事より転載

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