W杯の経験豊富なクロアチアが本命か

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ライス、ベリンガム、ケインとタレント力は文句なくトップクラスのイングランド photo/Getty Images

グループLで最強と目されるのはイングランド代表だ。クロアチア代表、ガーナ代表が続き、パナマ代表は最弱であると見るのがまっとうな評価だろう。イングランドはFWハリー・ケイン(バイエルン)、FWブカヨ・サカとMFデクラン・ライス(ともにアーセナル)、MFモーガン・ロジャーズ(アストン・ヴィラ)など、他国がうらやむタレントをズラリ揃えている。



実際この通りになる可能性は高いはずだ。だが、予想した通りにならないのがW杯である。まず、イングランドは本当に強いのだろうかという疑問が浮かぶ。もちろんプレミアのスター軍団が弱いはずがないのだが、予選では強くとも、何故か本戦でいつも噛み合わないのがイングランドであるだけに、どうも優勝候補と言い切りにくいところがある。

一昨年のEUROもスロースタートであり、GLでは1勝2分、2得点とギリギリの決勝ラウンド進出だった。そこから決勝まで行くところが侮れないわけだが、初戦の相手は試合巧者クロアチア。いきなり足をすくわれる可能性がないわけではない。

そのクロアチアは、2017年から長くチームを率いるズラトコ・ダリッチ監督、そして代表の象徴でもあるMFルカ・モドリッチ(ミラン)が一貫してチームを引っ張る。ロシア大会では準優勝、カタール大会では3位と、W杯ではいつも強いという印象がある。

40歳のモドリッチは本当に驚異的な選手で、ミランでも衰えを感じさせないプレイで見事にチームを牽引している。そこに、同じくセリエAで存在感を見せるMFマルティン・バトゥリナ(コモ)、MFペタル・スチッチ(インテル)ら若い才能が合流した代表チームはアップデートがなされており、イングランドを抑えてGL1位通過を果たしても不思議はない。ただし、守備のタレントであるDFヨシュコ・グヴァルディオル(マンチェスター・シティ)が1月に右足を骨折し、未だ復帰できていないのは不安材料だ。

ガーナは不安が大きい パナマは番狂せを起こすか

[特集/2026W杯大展望 グループL]イングランドの1位通過は難しい? クロアチア、ガーナに加えパナマも侮れない

いろいろと問題を抱えるガーナだが、プレミアで猛威をふるうセメンヨの突破力は恐ろしい photo/Getty Images

ガーナはタレント力ではイングランド、クロアチアに劣るかもしれないが、それでもFWアントワーヌ・セメンヨ(マンチェスター・シティ)、FWモハメド・クドゥス(トッテナム)のアタッカー2枚看板が強力なチームだ。しかし太ももを痛めていたクドゥスは4月初旬に手術を受ける必要があると報道され、出場の可能性は高くない様子。

チームを率いていたオットー・アド監督も3月末に解任されてしまい、ベテランのカルロス・ケイロスを招聘。予選を危なげなく突破したガーナだったが、ここにきて不安は大きくなっている。

何かを起こしそうという意味では、グループ最弱と目されるパナマは侮れない。初出場となった2018年大会でもイングランドと同組となったが、イングランド戦は0-6と一蹴されてしまった。

しかしパナマはしだいに国際大会で悪くない成績を収めるようになっていく。2023年のCONCACAFゴールドカップでは準決勝でアメリカ代表を破り、決勝へ進出。決勝ではメキシコ代表に0-1と惜しくも敗れたが、力をつけていることを大いに印象づけた。昨夏の同大会でもGLを3戦全勝と存在感を見せたほか、一昨年のコパ・アメリカでもアメリカやボリビアを破っている。

スペイン人のトーマス・クリスティアンセン監督が植え付けた、可変する[5-4-1]のシステムはフレキシブル。大物喰いを果たすかもしれない予感がある。



イングランドはGLを通過するだろうが、タレントが多いがゆえの悩みも抱えている。MFジュード・ベリンガム(レアル・マドリード)やMFコール・パーマー(チェルシー)など、使い方が定まらない選手たちのフィットにトーマス・トゥヘル監督が苦心している間に、思わぬ苦戦を強いられるということは大いにありうる。

文/前田 亮

※電子マガジンtheWORLD317号、5月15日配信の記事より転載

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