ホンダは2026年5月11日、軽自動車「N-BOX」シリーズの累計販売台数が300万台を突破したと発表しました。また、N-BOXは2025年度の新車販売台数でも普通車を含めた総合1位を獲得しており、5年連続での首位に輝きました。
N-BOXは2011(平成23)年12月に初代モデルがデビュー。販売開始から14年4か月(172か月目)となった2026年4月末時点で、累計300万台を達成しました。ホンダによると、これは2001(平成13)年6月に発売された「フィット」シリーズの20年7か月(247か月目)を上回る、同社の四輪モデルで最速の記録とのことです。
一方、現行N-BOXの価格は2026年5月時点で173万9100円~247万5000円(税込み)と、競合車種のスズキ「スペーシア」(153万100円~247万7200円)やダイハツ「タント」(148万5000円~210万6500円)に比べ、やや高い設定です。「軽にしては高い」と言われることもあるN-BOXは、なぜこれほどまでに人気なのでしょうか。
N-BOXの強さの最も大きな要因は、「軽モデルとしての総合的な商品力の高さ」だと筆者(西川昇吾:モータージャーナリスト)は考えています。筆者はこれまで、さまざまな軽スーパーハイトワゴンの試乗とレビューをしてきましたが、N-BOXほどハイレベルで隙のない仕上がりを持つモデルはないと感じています。
室内空間は最大の武器である絶対的な広さはもちろんのこと、シートアレンジも高い自由度を誇ります。また収納スペースは、小物入れひとつ取っても考え抜かれた位置と形状で配置されており、ユーザーの「欲しい機能」「あったら便利な機能」をしっかり押さえているのです。
さらに、N-BOXは走行性能でもクラス随一の実力を持っています。非常に背の高いモデルですが、長いホイールベースのおかげで車体のフラつきは少なく、高速道路などを走っても、ライバルと比べて安心感は段違い。またトランスミッションの制御も優秀で、加速力が欲しい場面でもよく粘ります。
加えて、N-BOXは質感の高さもポイント。乗り心地のよさから、電動スライドドアの作動音の小ささに至るまで、クルマとしての仕上げに細やかな気配りが感じられるのです。
強さの理由は“残クレ人気”にもアリ!?一強状態ともいえるN-BOXの人気ぶりは、こうした総合力に支えられているとみていいでしょう。もちろん、他メーカーのライバル車種も魅力的なモデルが揃っていますが、全体的に見たレベルの高さとスキのなさでは、やはりN-BOXが最も優れていると感じます。
また、N-BOXは近年人気の買い方である「残価設定ローン」、すなわち“残クレ” との相性がよいのも重要なポイントです。人気の高さ(需要の大きさ)は、乗り換え時のリセールバリューの高さにも直結するからです。
つまり、新車価格がやや割高でも、“残クレ”を選んで残価を高く設定すれば、月々の支払い額が抑えられ、ユーザーが感じる負担感も少なく済むというわけです。昨今の新車価格の高騰を背景に高まる“残クレ人気”は、結果としてN-BOXの人気も押し上げていると考えられます。
このように売れている理由をひとつひとつ整理していくと、もはやN-BOXは軽自動車という枠組みを超え、独自の地位を築いたようにも捉えられます。実力と人気を兼ね備え、「軽自動車だから」ではなく「N-BOXだから」選ばれる1台だといえるでしょう。

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