現地6月3日から開幕するバレーボールの国際ビッグイベント「ネーションズリーグ2026」。女子日本代表にとって今季最初の公式戦となる大会に向けて、石川真佑は言葉に熱を乗せて意気込んだ。
「ネーションズリーグで優勝する、という目標を自分たちで立てたので、口にしたからには達成しなければいけません。では、そのために何をしなければならないか。大会が始まれば試合を重ねていくごとに課題が見えてくると思うので、それを1試合1試合でつぶしていきながら、最後にしっかりと優勝という目標を達成できればいいと思っています」
メダル獲得──それも一番、輝く金色である。
「メダルを獲ると言っても、3位なのか、2位なのか、優勝なのか......それによって、自分たちのモチベーションや目指すものが変わってくる。なので、しっかりと明確にできたのはよかったと思います」石川がシニアの日本代表に選出されてから、ネーションズリーグでの最高成績は2024年の準優勝だ。2028年のロサンゼルス五輪へ向けて、フェルハト・アクバシュ監督が指揮を執った初年度である昨年は4位だった。
そのアクバシュ監督も5月11日の始動会見では、「すべての大会が重要になってくる。最善を尽くして、日本の国旗を一番高いところに掲げたい」と口にしている。
今季のチームスローガンは「つなげ。限界は、まだ先にある。」。
まだ見ぬ世界の頂点、そして自分たちの限界のその先に到達することへの意思表示として、まずは今回、ネーションズリーグの目標に「優勝」を掲げたのであった。
そのチームでキャプテンを務める石川自身も、これまで飽くなき成長への意欲のままに、キャリアを歩んできた。
高校を卒業後、4シーズンを東レアローズで過ごしたのちに、2023-24シーズンからはイタリアへ渡る。セリエA女子を舞台に3シーズン、それも直近2年は強豪の一角であるノヴァーラでプレーし、堂々とエースを務めた。
そこで磨いたのが、高さのあるブロックに対抗するアタックだった。
【言葉にも宿るキャプテンの意識】
身長174cmの石川は、決してサイズに秀でているわけではない。むしろ女子のバレーボール界においても、世界的に見れば小柄な部類に入る。それでもエースという立場上、ボールは託される。そこでいかに決めるか──。
「世界を相手にした時に高いブロックが揃ってくるので、いかに得点につなげるかはイタリアに行って学ぶことができました。また、ブロックの脇を抜いたとしても、リベロやレシーバーが入っているので、そのうえでどうやって得点するかは常に意識して取り組んでいます」
今年5月中旬に行なわれた女子日本代表の紅白戦では、ラリーが繰り広げられるなかで最後のボールを、それも二段トスをしっかりと決めきる石川の姿が見られた。「個人としても、そこはひとつ、得意としているところなので」という言葉が実に頼もしかった。
もちろん、紅白戦の対日本(かつチームメイト)と、これから戦う諸外国とでは、サイズもプレーレベルも異なるのは言うまでもない。ただ、日本の守備力や特徴を踏まえて、石川はこう続けた。
「今回の紅白戦でいえば、相手チームのブロックがあとから出てきたり、『ブロックがない』と思って打っても低い位置から腕が出てくるシチュエーションがありました。
ただ、アタッカー目線で攻略の難しい部分でもありますが、それを言い訳にできません。どういう状況、どんな相手であれ、自分は点数を決めなければいけないポジションなので、しっかりと自分で判断してプレーできたらいいなと考えています」
その体からは想像もできないほどにパワフルで、それでいて鋭くコースに突き刺さるアタックは、学生時代から年々磨きがかかっている。そうして今や、日本女子バレーボール界の先頭に立っている。
その意識はプレーのみならず、言葉にも明確に宿るようになった。
キャプテンとして石川は、マイクを手にするや、始動会見では報道陣に対して「女子バレーもたくさん取り上げていただけるとうれしいです」と言い、紅白戦ではファンや画面越しの視聴者へ「ぜひ試合に足を運んでください」と呼びかけた。
【ロサンゼルス五輪まであと2年】
昨年以上に見られるようになった、それらのアクションに込めた思いを本人は明かす。
「バレーボールをいろんな方々に見ていただきたいという思いはもちろんですし、本当にみなさんの応援が私たちの力になっていることは間違いありませんから。
私たちがやるべきことは、『結果を出すこと』だと思います。それは当然、やらなければいけないわけですが、こうしてバレーボール界を盛り上げていくためにも、たくさんの方々に興味を持ってもらえるような雰囲気や声かけを、個人的には意識しています」
7月には日本(大阪)でも開催される「ネーションズリーグ」に加え、今年8月に中国で行なわれる「女子アジア選手権大会」、そして2年後に控える「ロサンゼルス五輪」。それらで結果を出すべく、石川を筆頭に女子日本代表の面々はボールを追いかけ、つなぎ、1点をもぎとる。ファンの応援と期待を浴びながら──。



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