「まだまだ“はな垂れ小僧”です(笑)」夫・愛之助から教わった言葉…藤原紀香が語る“終活”への価値観の変化と、“人生の後半を楽しむ”という生き方
「まだまだ“はな垂れ小僧”です(笑)」夫・愛之助から教わった言葉…藤原紀香が語る“終活”への価値観の変化と、“人生の後半を楽しむ”という生き方

“終活”をテーマにした映画『お終活3 幸春!人生メモリーズ』に出演中の藤原紀香。作品を通して彼女の中で大きく変化したのが、「終活」という言葉への捉え方だったという。

人生の終わりを準備するものから、“これからをどう生きるか”を見つめ直す時間へ。自身の経験や価値観の変化とともに、今をどう生きるべきか、その思いを語ってもらった。(前後編の後編)

180度変わった“終活”への捉え方

#前編「藤原紀香、舞台公演中に父の訃報…“不思議な一致”が起きた瞬間明かす」はこちら

――実際、今回の映画『お終活3 幸春!人生メモリーズ』への出演前と後で、“終活”という言葉への捉え方は変わりましたか?

藤原紀香(以下、同)はい、180度変わりましたね。

――どのように変わったのでしょうか?

以前の私は、終活という言葉に対して、「人生の終わり」や「死の準備」といった、どこか暗いイメージを抱いていました。でもこの作品に関わったことで、その印象が大きく変わりました。

終活とは、単に最期に向けた準備ではなく、家族や夫婦、親子の関係を見つめ直しながら、人生の後半をどう楽しく、心豊かに過ごしていくかを考える、とても前向きで温かなテーマが詰まっているものなんだと気づかされたんです。

――映画『お終活』は、その点を分かりやすく、かつユニークに描いていますよね。

はい! 親や弟、姪っ子をはじめ、親戚みんなにも「これはぜひ観てほしい作品だよ」と勧めました。この作品を観ると、本人にとっても家族にとっても、「何を考え、何に備えておくべきか」が自然と見えてくるんです。心の持ち方だけでなく、現実的な準備や知識についても、とても学びがありました。

そして何より、終活とは人生を閉じるためのものではなく、「これからをどう生きるか」を見つめ直し、自分らしい未来を育てていくための時間なのだと感じています。

――実際に作品を通して、感じた変化はありましたか?

パート1からご覧くださっている方々からは、「知らなかったことが多く、本当に学びになった」「両親ともっと話したくなった」「夫婦の時間を見つめ直したくなった」など、たくさんのお声をいただきました。

笑って、泣いて、学べて、心を温かくしてくれる。

そんな素晴らしい作品であり、「今をもっと大切に生きよう」と自然に思わせてくれる映画だと思っています。パート2からこの『お終活』シリーズに参加させていただいたことを、とても幸せに感じています。

命ある今を、精一杯生きるために…夫から教わった言葉

――今、後悔しないために藤原さんご自身が心がけていることはありますか?

命のありがたさを、いつもどこかで感じていることですね。

以前、NHKで救急救命士のお役を演じた際、日々、命の現場に向き合う現役消防士の方々に、いろんなお話を伺いました。その中で、「災害の多い日本だからこそ、いつ起こるか分からない未来に備え、一人ひとりができる準備を考えておいてほしい。防災のことはもちろん、生きている私たちに何ができるのかを、常に問い続けてほしい」とおっしゃっていた言葉が、とても印象に残っています。

生きている人間には、きっと果たすべき役割がある。それは決して大それたことではなくてもいいと思うんです。私自身は、生きている限り惰性ではなく、“ポジティブスパイラル”で、“フルスロットル”に生きていたいといつも思っています。

――“ポジティブスパイラル”で“フルスロットル”、素敵なお考えですね。

生きているからこそ、誰だって辛いことや試練を経験しますよね。私は人生を、ある意味「魂を磨く場」だと思っています。

試練に向き合い、精神を鍛え、人としての深みを育てていく場なのではないかと。

痛みを知ることで、人は人の痛みにも寄り添えるようになる。だから、経験に無駄なものはひとつもないのだと思うんです。そうした積み重ねを経て、心身ともにたくましく、そして深い慈悲を携えた人でありたい…そんなふうに願っています。

当たり前のことなど何ひとつなくて、「今、生きている」ということこそが尊い。その思いは1995年の阪神・淡路大震災の頃からずっと変わりません。

だからこそ、やりたいことは言葉にする。そしてそのために何が必要かを考え、努力する。同じ方向を向く方々と出会い、力を合わせながら、新しい挑戦や面白いことにも取り組んでいきたい。

誰かの笑顔を増やすことに携わっていたいですし、この社会の中で少しでもお役に立てたらと思っています。20年以上続けてきた社会貢献活動も含めて、全力で、しなやかに、前向きに生きていきたいと思っています。

――そうした思いが、日々の行動にもつながっているんですね。

今に感謝しながら、与えられた人生を精一杯生きること。それが、今を生きる私自身にできる、大切なお役目なのではないかと思っています。たとえ空から大切な人たちが見ていても、「頑張っているね」「精一杯生きているね」と思ってもらえるように。年齢に縛られず、未来の自分を更新し続けていきたいですね。

――最後に今後やりたいこと、挑戦していきたいことを教えてください。

まだまだ、やりたいことの半分もできていない人生です。演じてみたいお役もたくさんあります。エンターテインメントの世界に身を置く者として、これからもさまざまな表現を通して、多くの方の心を動かし、明日への希望や活力をお届けできる存在でありたいと思っています。

夫から教わった言葉に、「50、60は、はな垂れ小僧」というものがあります。初めて聞いたときは驚きました。私自身、エンタメの世界に34年身を置いてきましたが、まだまだ“はな垂れ小僧”です(笑)。現場では日々、刺激や発見に満ちていますし、もっともっと成長したい。

新たな出会いを大切にしながら、心が震えるような作品づくりに、これからも挑戦し続けていきたいですね。

『お終活3 幸春! 人生メモリーズ』

高畑淳子橋爪功が夫婦役を演じ、笑って、泣けて、役に立つと評判の『お終活』シリーズ3作目。今回は、日本映画界を代表する名優・三田佳子小日向文世が、認知症を患う母と、介護する息子としてゲスト出演。藤原さんも前作に続き、真一たちが通うスナック「カオリ」の味わい深い格言を披露するママとして出演。

取材・文/木下未希 撮影/三浦龍司

Dress:TADASHI SHOJI(タダシ ショージ)
Jewelry:RUBIDA(ルビーダ)

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