中国メディアの観察者網は24日、「日本の新幹線輸出の夢が砕ける」との論評記事を掲載した。
記事は、「かつて『新しいインド』の象徴として期待されたムンバイ-アーメダバード高速鉄道計画は、約10年が経過した現在も完成のめどが立っていない。
そして、先日、牧原秀樹元法務大臣が計画の停滞について「100%インド側の責任」とインド側を批判する一方、インド外務省は「事実と大きく異なる」と反論したことに言及。「両国にとっての象徴的協力事業の裏側にある溝が浮き彫りになった」と評した。
記事は、「計画は2015年に合意され、17年に着工、23年の開業を予定していた。しかし、24年3月時点で進捗率は約42%にとどまる。遅れの背景には用地取得の難航に加え、技術をめぐる対立がある。インドは信号システムに欧州方式を採用し、日本の新幹線を排除した。また、車両も日本製ではなく、国産車両の導入を進めようとしている」と説明した。
その上で、「インドの狙いは日本の資金を活用しながら、自国で高速鉄道技術を獲得することだ。しかし、新幹線は車両・線路・信号が一体化したシステムであり、個別技術を切り離せば日本の強みは薄れる。日本側から見れば技術協力の主導権を失い、単なる『資金提供者』に近い立場になる懸念がある」と解説した。
一方で、「インドにとっては高速鉄道は経済発展だけでなく『新インド』の象徴でもある。巨大な鉄道網を持つ一方、老朽化や遅延、事故が課題となる中、高速鉄道整備は必要不可欠だ。しかし、土地制度や州ごとの事情、技術移転を求める『インド製造』政策が計画を複雑化させている。日本との協力を求めながら、自国主導の発展も追求するインド。その姿勢は日本だけでなく、外国企業との協力全般が直面する課題でもある」と指摘した。
記事はまた、「日本の高速鉄道(新幹線)の海外進出の夢も砕け散る形となった」とし、「新幹線はかつてメイド・イン・ジャパンの切り札だったが、海外展開の現状は気まずい光景を呈している」と主張。「インドのプロジェクトは10年経っても開業せず、ベトナムのプロジェクトは国会によって否決され、米国のプロジェクトは頓挫し、タイのプロジェクトは覚書を締結しただけでその後進展がない。ほぼすべての海外案件が、日本の技術者や外交官にとって悪夢となっている」と論じた。
そして、「客観的に見れば、新幹線の安全性と定時運行率はいまだ世界水準である。問題は技術ではなく、ビジネスモデルの構造的な困難にある」と指摘。まず、コスト面を挙げ「日本は高い人件費や複雑な手続きによって、海外向けの提案価格は常に現実離れしたものになりやすい。同じ金額で、中国なら2路線、欧州なら1.5路線を建設できる。
次に、「日本は鉄道システム全体をパッケージとして販売することにこだわっている」と指摘。「この方式は単一の運営会社、単一の鉄道規格、国による土地取得・融資制度、安定した電力供給と運行管理システムという基盤の上に成り立つ日本国内だからこそ成功した。しかし、海外では状況は全く異なる」と述べた。
さらに、「中国からの競争圧力も、日本が無視できない要素である」とし、「2015年に当時の安倍晋三首相がインド高速鉄道プロジェクトを獲得する少し前、日本と中国はインドネシアのジャカルタ-バンドン高速鉄道で共同入札を行ったが、結果的に中国が受注した。これこそ、日本が当時インド案件の獲得に強い意欲を示した理由の一つであり、日本は巻き返しのための勝利を必要としていた」と論じた。
しかし、「それから10年余りが経過し、中国は8年足らずでジャカルタ-バンドン高速鉄道を完成・運行開始した一方、日本のインド高速鉄道はいまだ開業していない。この成否の対比は、世界の高速鉄道市場における日中競争の最も現実的な縮図となっているのかもしれない」と主張した。
記事は、「結局のところ、日本は閉鎖的なシステムを、多様性があり、価格に敏感で、技術的自立を求める海外市場に売ろうとしており、このミスマッチが今回の対立で浮き彫りになったのだ」との見方を示し、「(日本とインドの)壮大な期待を託した二つの夢は、最終的にそれぞれの一方的な願望の中で互いを傷つけ合う結果となっている」と論じた。(翻訳・編集/北田)











