中国・福建省泉州市の化学工業団地で29日、有毒物質の「臭素」が漏れたとみられる事故が発生した。南方都市報など複数の中国メディアが伝えた。

現場で撮影された動画には、現場とみられる工場の付近がオレンジがかった煙で覆われている様子が映っていた。ネット上では臭素が漏れ出したのではとの情報が広がり、付近の住民らは健康被害を懸念している。

臭素は、非金属の中で常温で液体として存在する唯一の元素で、色は赤褐色。強い刺激臭を放つ。プラスチックを燃えにくくする難燃剤や、医薬品、農薬、などの化学原料として広く利用されている。強い腐食性があり、触れると深刻な化学熱傷を引き起こす。また、蒸気を吸入すると呼吸器系や眼に激しい刺激を与え、気道を激しく損傷し肺水腫を引き起こす。

中国の化学工業団地で「臭素」漏出か、当局「安全です」と説明もネット「信じられない」

報道によると、泉港区緊急管理局は29日午後に「小規模な漏出だった。現場での対応を完了し、漏出は制御された」と発表。「漏出は工業団地内の化学企業1社で発生したもので、緊急対応部門が直ちに漏出源を遮断するとともに、防護措置を講じた」と説明した。また、「工業団地の外周には幅550メートルの隔離帯が設けられている。現在までに臭素の拡散や死傷者は確認されていない」とし、「すべて安全になっている。

地域住民の生活に影響はない」と述べた。

しかし、中国のネットユーザーからは「臭素って毒じゃないか」「この(映像の)濃度で大丈夫なんてよく言えるな」「空気中に飛散した気体をどうやってコントロールしたっていうんだよ?」「コントロールできるとか(うそだ)。庶民の命は命として扱われないのか」「健康に影響ないっていうのが信じられないんだけど」「こんなに大ごとなのになぜホットワードにならないんだ」「指導者が現場に行って臭いをかいで確かめてみよ」といったコメントが寄せられている。(翻訳・編集/北田)

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