2026年8月28日、韓国・エコノミストは、韓国の人気観光地・済州島で相次ぐ失踪事件や警察の対応をめぐる問題が、観光客の旅行先選びにも影響を及ぼし始めていると報じた。

記事によると、韓国では最近、済州島で発生した失踪事件をめぐり、警察が安全確認をしたとして事件を終結させたものの、実際には行方不明者が死亡していたことが判明。

虚偽の事件処理を行った担当警察官は、事件関連記録の削除を行っていた疑いも浮上し、警察への不信感が広がっている。また、この事件前後に行方不明者の遺体が相次いで発見されたことで、治安への不安感も高まった。

発端となった失踪事件について、5月に失踪した女性は8月24日、済州市の農園で遺体で発見された。現時点で明確に他殺だと確認されてはおらず、正確な死因や死亡の経緯については、携帯電話の解析などを通じて捜査が続けられている。

記事では、夏休みの旅行先として済州島を検討していた韓国の女性が、最近の失踪事件や治安問題を気にして日本旅行へ変更した事例を紹介している。この女性は「日本はいつ地震が起きるか分からないので行くのをためらっていた。それでも地震ならある程度は備えられるが、済州島では何が起きるか分からないため、日本に行くことにした」と話したという。

また、SNSでは確認されていない情報まで拡散している。ネット上には出所が明確ではない「済州島失踪者マップ」が登場し、済州島を治安が不安な地域として有名な地域になぞらえる表現まで登場した。また、中国人のノービザ入国と犯罪を結びつける主張も広がっている。

これを受け、現地の観光業界では、事件そのものだけでなく、SNS上で事実と推測が混ざった情報が広がることへの警戒感が強まっているという。済州島の飲食店関係者からは、「今回の問題は警察の対応にあるのに、済州島そのものが治安の悪い場所のように見られている」と懸念する声も出ている。

また、観光業界関係者は、済州島が観光地として支持されてきた背景には「治安が非常に良い清潔な地域」というイメージがあったと指摘。実際の危険度だけでなく、旅行者が感じる心理的な安心感も観光需要を左右すると説明した。

記事は、「(済州島についての噂をめぐり)感情ではなく統計でアプローチすべきだ。観光客の規模と犯罪発生件数、犯罪の種類などを客観的に公開し、制度が治安に与える影響を検証する必要がある。問題が確認されたら制度を補完し、根拠がなければ、事実関係を明らかにするべき」とし、「済州が回復しなければならないのは観光客数だけではない。『通報すれば警察が動く』という信頼と『公式発表を信じることができる』という信頼を共に回復しなければならない。失踪届の受理から捜索、本人確認、事件終結までの過程を電子的に記録し、終結時には上級者による確認を義務づけるなど、再発防止策も必要だ」と伝えた。

これについて、韓国のネットユーザーからは、「地震より治安の方が怖いという感覚は分かる」「しばらく済州は行かないでいいかな」「済州の警察はどうなっているのか、怒りと恐怖が湧いてくる」「済州島は韓国を代表する観光地なのに、イメージが悪くなっている」「警察が虚偽報告をしたなら、観光客が不安になるのも当然」「まず事実を明らかにしてほしい」「今回の問題で問われているのは、警察や政府に対する基本的な安心感そのものだ」などの声が上がった。

また、「一部の事件だけで済州島全体を危険だと決めつけるのもどうかと思う」「不安に思うのはわかるがネットにはあまりにも誇張された話が広がっている」「済州島にもたくさんの人が住んでいるのに、急にまるで未開の怪談の島扱いだ」「これに限らず、ネット上で根拠なく恐怖心を煽る投稿をする人への規制が必要だ」などの声も見られた。(翻訳・編集/樋口)

編集部おすすめ