台湾メディアの中時新聞網は26日、「日本での不動産購入はなぜ台湾人を引きつけるのか?」との記事を掲載した。

記事は、「近年、円安が進んでいることに加え、日本旅行の人気も衰えない中、日本の不動産も多くの台湾人が注目する海外不動産投資の選択肢となっている」と指摘。

一方で、「買い手が実際に日本の不動産市場に資金を投じる理由は、単に安いからというだけではない」と述べた。

台湾のネット調査サイト「DailyView網路温度計」が過去1年間の「日本での不動産購入」に関するネット上の議論を分析したところ、「東京」「大阪」「管理」「為替レート」「人口」「賃貸」などのキーワードが注目を集めていた。

また、ネット上では、「ここ数年、日本で家を買うことを促すような風潮がある。みんな安いのを見ると買いたくなるけど、保有コストを計算していない」「日本の田舎で家を買うのはかなり勇気がある。日本の若者は、相続することもあまり望んでいないようなのに」「保険料や修繕費は上がる。日本の木造住宅を保険に入らずに買うなんて、よほど度胸がないとできない」などの声が寄せられているという。

台湾の不動産仲介大手・信義房屋の日本事業部マネージャー、張伉妏氏によると、日本で不動産を購入する台湾人は、台湾ですでに1戸以上の不動産を所有し、海外市場にも一定の関心を持っている人が多い。多くの国の中から日本を選ぶ理由としては、政治・経済環境や制度面に加え、「日本が好き」ということも重要な要因だという。

台湾人にとって日本は距離が近く、長年の旅行を通じて文化や生活環境、交通などにもなじみがある。そのため、購入した物件を賃貸、自宅、別荘などとして利用する場合も、遠方の海外市場に比べて状況を把握しやすい。不動産は通貨や貴金属のように容易に売買できるものではなく、購入後は現地の政治・経済環境や制度、税務などとも長く付き合うことになる。将来的に賃貸に出せるか、売却できるかといった点も資産運用に影響するため、こうした「親しみやすさ」は日本の不動産を選ぶ上でのメリットになるという。

張氏は、日本は政治・経済環境が比較的安定しており、外国人が不動産を取得する際の制度や規定も比較的明確だと指摘。また、円安によって一部の台湾人にとって両替や購入のハードルが下がっていることも、日本の不動産が注目される理由の一つだとした。ただし、張氏は価格の安さだけを見て「お得だ」と判断することには注意が必要だと指摘。現地の人口構成や居住需要、賃貸需要、取引の流動性、将来的な売却のしやすさなども考慮する必要があるとした。

張氏は東京や大阪などの大都市を優先して検討することを勧めている。これらの地域は居住、賃貸、売買の需要が比較的安定しており、将来的に自宅を賃貸に切り替えたり、別荘を売却したりするなど、用途を変更する場合にも比較的柔軟に対応できるからだという。

さらに、海外不動産購入で見落とされがちなリスクとして「情報格差」を挙げた。台湾にいながら日本の物件を購入する場合、現地の成約相場や地域ごとの条件、物件ごとの違いを十分に把握できず、相場より高い価格で購入したり、将来的に売却しにくい物件を選んでしまったりする可能性がある。

張氏は、日本の不動産市場に詳しくない場合、購入前に現地の成約情報や関連法規、保有コストなどを幅広く調べ、必要に応じて台湾と日本の両市場に精通した専門家に相談することで、国をまたぐ不動産購入に伴う情報格差を減らすことができると提案した。

記事は、円安や台湾からの距離の近さ、日本の旅行・生活環境への親しみやすさから、日本が魅力的な海外不動産購入先となっているとする一方、単に「旅行で気に入った場所」を投資対象にすべきではないと指摘。価格だけでなく、現地の人口や賃貸需要、保有コスト、実際の投資収益率、将来的な取引の流動性や転売のしやすさなどを総合的に考慮することが、長期保有に適した物件を選ぶ上で重要だとしている。(翻訳・編集/北田)

編集部おすすめ