北京の国家スピードスケート館「アイスリボン」で26日に行われた第2回世界人型ロボット競技大会の陸上100メートル決勝で、天驕チームの人型ロボットが8秒64のタイムで大型部門の優勝を果たし、天驍チームの人型ロボットが11秒98で小型部門の優勝を果たした。新華社が伝えた。

ところが、その直後の光景は一変した。競技に参加したロボットはゴールラインを通過しても減速せず、そのままゴールの防護壁に突っ込んだ。中には火花を散らした末、担架で運び出されるロボットまであった。「これだけ速く走れるのに、『ゴールで減速する』のはそんなに難しいことなのか」と疑問に思う人も多いだろう。

実は、現段階の人型ロボットにとって、物理的に本当に「止まる」のは非常に難しい。高速走行中、ロボットの重心は大きく前方に傾き、両脚を交互に動かす頻度も極めて高くなる。この状態で無理に急ブレーキをかければ、巨大な慣性力によって人型ロボットはそのまま横転し、顔から地面に突っ込んでしまう。

そのため、アルゴリズムは「急ブレーキをかけて転倒し、粉々になるか、それともブレーキを弱めて、ゆっくり減速し、バランスを保つか」という難しい選択を迫られることになる。通常は後者、つまり減速自体よりもバランスを保つことを優先する。

人間のスポーツ選手であれば、ゴールの1~2秒前からペースを調整しはじめ、減速を予測して走る。しかしロボットは、センサーによって「ゴールラインを見つけて」から初めて減速のコマンドが発動される。最高速度で走っている状態では、わずか0コンマ数秒の認識遅延でも、ブレーキをかけるための時間はほぼなくなってしまう。

反応した時には、すでに壁が目の前に迫っているというわけだ。

では、それほどの危険を承知していながら、なぜこうした走り方をするのだろうか。実は、競技規則を見るとその理由を知ることができる。ゴールラインの先には専用の軟質マットの緩衝壁が設置されており、ラインを通過さえすれば記録となるため、壁に衝突しても順位には影響しない。現段階における競技の核心は、まさに「加速の限界」にあり、壁への衝突は、むしろ許容される「受動的な停止方法」の一つとされている。一見すると、腰から折れ曲がったり、ひっくり返ったり、電源ボックスに衝突したりする無様な姿こそが、エンジニアが最も求めている限界性能のデータなのだ。

新華社記者は26日夜、「天工Ultra」ロボットの天驍チームのエンジニア、高大偉(ガオ・ダーウェイ)氏に話を聞いた。高氏によると、性能を極限まで引き出すため、今回は折衷的な方式を採用し、今後ロボットの速度上限は引き上げられ続けていく見通しだという。

今大会では、人型ロボットの複数の競技種目で前大会から質的な飛躍を遂げた。400メートル走は前大会の1分28秒03から今大会では小型部門が45秒66、大型部門が38秒15まで短縮された。1500メートル走は前大会の6分34秒40から今大会では2分21秒64にまで短縮された。また、垂直跳びでは前大会の0.956メートルから3.40メートルへと大幅に記録を伸ばした。

第2回世界人型ロボット競技大会組織委員会の関係者は、「一つ一つのメダルの誕生は、人型ロボットが『実用化』に向けて一歩前進したことを示している。実戦によって検証し、ニーズをけん引力とすることが大会開催の初心であり使命だ。各競技におけるロボットのパフォーマンスは多くの人の予想を上回るものとなった」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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