独ドイチェ・ベレの中国語版サイトは、ネパールと中国の国境地帯で発生した大規模な土石流をめぐり、「もっと早く警報を出すことはできなかったのか」とする記事を掲載した。

ネパールと中国チベット自治区の国境沿いの地域で8月26日に発生した大規模な土石流は、31日午後までに国境の両側で死者が計900人を超え、行方不明者は計約4800人となっている。

記事は「災害発生以降、早期警報と防災の問題が焦点となっており、ロイターやブルームバーグなどのメディアは、中国とネパールとの間の国境を越えた情報共有の不足が双方の大規模災害の予測と備えに影響を与えた可能性があると指摘している」と伝えた。

ロイター通信によると、両国の専門家と当局者は5月27日、ネパールの首都カトマンズで開いた会合で、氷河の調査や潜在的な危険箇所の特定などリスク軽減のための共同対策を提案した。しかし、会合に出席したネパール政府の専門家2人は、その後中国側から十分な情報を得られなかったと述べている。洪水発生の12日前には、中国の世界気象センターがネパール側に対し、8月14~19日にモンスーン低気圧が発生するとの警告メールを送っていた。ネパールの水文学者ビノド・パラジュリ氏は、中国はチャットアプリとメールを通じてチベットの豪雨に関する予報と観測データを提供したが、これには水位、雪崩、土砂崩れに関する情報は含まれていなかったと述べた。別の水文学者サウハルドラ・ジョシ氏は、氷河の動きの兆候があれば、中国がもっと早く知らせてくれることを期待していたと語った。取材に応じた当局者や専門家らは皆、災害発生をどちら側のせいにもしなかったが、今回の災害は、ヒマラヤにおける災害の監視、予測、早期警報の発令には多くの複雑な要因が関わっていることを示している。

記事によると、ブルームバーグは、ネパールの国家災害軽減管理部門の責任者であるダラム・ラージ・ウプレティ氏の「人々には準備する時間が5分もない」という発言を引用した。同氏は「国境を越えたデータ転送メカニズムの欠如と情報共有の制限が、われわれが直面する大きな課題の一つだ」と述べた。在ネパール中国大使館は8月29日、Xへの投稿で、ヒマラヤ山脈の地質災害リスクは分散しており、多くの氷河が標高4000~5000メートル以上の高地に位置しているため、監視が極めて困難だと回答した。急斜面でのリモートセンシングも誤差が生じやすいことに加え、2015年のネパール地震が災害予測の不確実性をさらに高めた。中国の専門家チームは、既存技術の限界内で監視、評価、分析に全力を尽くし、重要な情報をタイムリーにネパールと共有してきたという。

今後の協力に関して、ビノド・パラジュリ氏は、雪崩や氷河の排水を監視するシステムを中国側と共同で構築したいとし、中国と情報共有協定を締結し、豪雨予報だけでなく、河川水位などのデータを10分ごとに取得することで「早期警報を発令し、国民の命を救えるようにしたい」と提案する予定だという。(翻訳・編集/柳川)

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