今注目のアプリ、書籍をレビュー

8

「半分、青い。」17話。時代の変化と主人公の変化を重ねた巧みな脚本

2018年4月21日 08時30分 ライター情報:木俣冬
連続テレビ小説「半分、青い。」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)
第3週「恋したい!」第17回4月20日(金)放送より。 
脚本:北川悦吏子 演出:田中健二

17話はこんな話


鈴愛(永野芽郁)は、ある朝、偶然出会った新聞部の小林(森優作)と再会する。これは、運命なのだろうか。

ネタのメガ盛り


「恋は自分でつかんでいかないと 選んじゃだめ」
「(「ふぎょぎょ」は)流行らない、流行らない」 
19日(木)の「ごごナマ」では、美保純が少々辛口だった。やはり、朝ドラレジェンド「あまちゃん」(13年)に出ていた矜持だろうか。
 
北川悦吏子はもともと、脚本にその時代特有の固有名詞を取り入れ、リアリティーを増す手法を得意としていた。ちょうど流行っているブランド名などが出て来ると、視聴者は心くすぐられたものだ。90年代、彼女が目指していたユーミンの歌がそうだったように。それに追随しようとする次世代の女性作家もいたが、北川を超える才能はついぞ現れなかったと言っていい。
80年代を売りにしている「半分、青い。」でも、じゃんじゃん取り入れたいところだろうが、実名が使えないものもあるため、架空の名前と本物を混ぜながら、じゃんじゃん出してくる。17話では「イカ天」が出てきた。

それだけでなく、朝ドラや、流行りのドラマの手法も貪欲に取り入れる。ネタのメガ盛りである。
17話は、風吹ジュンのナレーションが、「え、もう?もう?イントロはじまる? 星野源が歌いはじめる」と言って、主題歌「アイデア」に繋いだ。この作り手が良くも悪くも調子に乗っている感じ、福田雄一に代表される10年代のメタドラマふうな気もしつつ、じつは、80〜90年あたりのバラエティーの空気も感じる。良くも悪くも、何かと調子に乗っていた時代なのだ。

調子に乗って、ぎふサンバランド建設のため、ふくろう商店街の住人を巻き込みにやってきた、瞳(佐藤江梨子)は〈ともしび〉を貸し切って、ボディコンで、男たちを集め、「踊ることそれは魂の解放」と叫びながら、ランバダを踊る。
『くちびるから散弾銃』岡崎京子 講談社
真中の金田サカエの眉と唇が、佐藤江梨子が「魂の解放〜」と言っている顔に似ていませんか。
漫画のキャラは20代前半でこの時代を謳歌しているが、佐藤江梨子演じる瞳は30歳で痛々しさが強調されている。描かれた時代の差を感じる。

彼女は元ハウスマウカン(いまでいうアパレルショップ店員)で“260円のシャケ弁食いながら風呂なしアパートに住んでDC ブランドを着ている”という誰もが豊かと思いきや影で苦労している人もいたバブル期の典型的な人だった。
彼女の話題を語る上司(斎藤歩)とトオル(鈴木伸之)の車では「夜霧のハウスマヌカン」(86年 やや 作詞はいとうせいこうと李秀元)がかかっているが、私は、涙なくしては語れない瞳の人生に、岡崎京子の「くちびるから散弾銃」(87〜90)の金田サカエを思い出した。

ライター情報

木俣冬

『みんなの朝ドラ』5月17日発売。その他の著書『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、『ケイゾク、SPEC、カイドク』など。

URL:Twitter:@kamitonami

コメント 8

  • 匿名さん 通報

    鈴愛よりも菜生の方が可愛い

    13
  • 匿名さん 通報

    kaomaのLambadaは89年発売であってるはず ドラマでかかっているのもkaomaのやつ このライターさんは90年に石井明美がカバーしたバージョンをオリジナルと勘違いしていると思う

    9
  • 匿名さん 通報

    ヒロインは、可愛いとうよりは愛嬌がある感じ。

    6
  • 匿名さん 通報

    果たして恋に繋がるのか?

    4
  • 匿名さん 通報

    毎日15分、堪能している。 セリフのテンポも好き。 土曜日分を5回も見るのは、あさが来た以来かなぁ。 レビューも毎日楽しみにしています。

    3
コメントするニャ!
※絵文字使えないニャ!