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小豆餅で小豆餅を食らう

静岡県浜松市に、全国的にもあまり類をみない、食べ物そのものの地名があります。

その名も「小豆餅(あずきもち)」。かつては、鉄道も走っていて小豆餅駅もあったのですが、今はバス停となっています。

時は戦国時代。当時三方原と呼ばれたこの周辺で、徳川家康と武田信玄が交戦しました。
家康側は敗色濃厚、慌てて浜松城に逃げ帰る途中、おばあさんが売っていた小豆餅を口にして、ちょっと一休み。ところが、武田軍が近寄り、攻め入ってきたとの報を聞き、慌てて家康は逃げ出しました。小豆餅の代金を払わないまま。おばあさんは、追いかけます。ひたすら追いかけ、ついに家康をつかまえて、お金を受け取りました。その場は、「銭取」という地名として今に伝わっています。

……いやあ。私、実際に小豆餅から車で走って、銭取まで行ったのですが、結構な距離です。2キロ以上あったと思うよ。おばあさん、すごいな。

そして、その小豆餅を今でも販売しているお店がありました。お店の看板が葵の紋なのは、なるほどなのですが、おばあさんが家康を追いかけているイラストがまあ可愛くて、可笑しくて。
小豆餅は、素朴で甘くて、中のお餅が柔らかく、美味しかったよ。
さらに、その名も「銭取」というお菓子も売ってて、こちらは焼き菓子。飾り気はないけれど、お茶うけにぴったり。

今ではかなり宅地化&商業地化が進んでいて、車どおりも多く、当時の名残はあんまり残っていないけれど、おばあさんと家康のそのときの表情なんかを想像しながら歩くと、また感慨もひとしおなのです。(谷和原のぞみ@お気楽ステーション)

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