5月5日、アニメイト主催のライブイベント『AOM presents Cheer Concert「ReoNa -よりみち-」』が、東京・池袋のアニメイトシアターで開催された。『ソードアート・オンライン』や『アークナイツ』など人気アニメ作品の主題歌を担当し、”絶望系アニソンシンガー”として知られるReoNaが出演。
招待された高校生以下の学生や親子連れに向け、「よりみちしたとき、聴こえた”お歌”」をテーマに全9曲を披露した。

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このイベントは、アニメイトが立ち上げた音楽ライブ企画「AOM(animate opportunity meeting)」の一環として開催されたもの。”寄り添いあう道”を意味する「よりみち」をタイトルに掲げ、多感な時期を過ごす子どもたちの”なにか”に影響を与えるきっかけを作ることを目指したコンサートだ。豊島区在住・在学の学生らが招待されたほか、開演前には会場のある豊島区の高際みゆき区長からのメッセージも読み上げられた。

桜で彩られたステージに登場したReoNaが最初に歌ったのは、TVアニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』2ndクール オープニングテーマの主題歌「ANIMA」を、生々しい熱量が際立つアコースティックアレンジで届けた「ANIMA -Naked Style.-」。ギターとステージピアノによるシンプルな編成ながら、生音ならではの迫力が会場を包み込む。ReoNaはスツールに腰掛けながら情熱的な歌声を響かせ、観客の視線を一気に惹きつけていた。

続く「メメント・モリ」では、美しいファルセットを響かせながら楽曲の世界観を丁寧に表現。歌唱後には、「行かなきゃいけない場所、やらなきゃいけないこと、いろいろあるかもしれないけど、今この時間だけは全部忘れて、一緒によりみちしてもらえますように。最後までお歌と音楽を目一杯楽しんでいただけますように」と挨拶した。

そのまま披露されたのは、2023年4月からNHK『みんなのうた』で放送された「地球が一枚の板だったら」。今回のライブタイトルにも通じる、”よりみち”という言葉に込められた優しさや温もりを感じさせる1曲だ。
言葉遊びのように軽やかな歌詞を、柔らかな歌声で紡いでいくReoNa。その穏やかな空気に、会場全体が優しく包み込まれていった。

MV内で絵本化もされている「さよナラ」は、狼の”ナラ”と人間の”さよこ”を巡る優しくも切ない物語。ReoNaはまるで読み聞かせをするように、情感豊かな歌声で楽曲の世界を描き出していく。

ここでMCパートへ。いつものライブとは異なり、学生や親子連れが中心となった客席を見渡したReoNaは、「ライブ初参加」という人や、「今日が初めてのReoNaライブ」という人が多いことに喜びを見せる場面もあった。

続いて行われたのは、観客からの質問コーナー。「家で飼っている”ちくわ””さしみ””わさび”の3匹の猫の中で、一番仲良しなのは誰ですか?」という質問には、「一番お兄ちゃんの”ちくわ”かもしれないです」と回答した。

さらに、外出しようとすると猫たちが近寄ってきてしまい、抱き上げて部屋へ戻すと服に毛がたくさん付いてしまうこと、その毛を取るためにコロコロをかけて再び出かけようとすると、また猫たちが寄ってくることなど、”終わらない攻防”を毎朝繰り広げているというエピソードも披露。猫の飼い主ならではの”あるある話”で、会場を和ませていた。

また、「なんで歌手になろうと思ったんですか?」という質問には、幼稚園の頃からの夢が”歌手になること”だったと告白。しかし、「無理だよ」と言われることが怖く、周囲にはずっと隠していたという思い出も語られた。


「そんな子どもの頃からの夢が叶って、皆さんとこうしてライブの時間を過ごせるなんて、小さい頃の私は思っていなかったです」

そうしみじみと語るReoNaの表情からは、これまで歩んできた時間への想いが滲んでいた。

さらに「自分の曲で一番好きな曲はなんですか?」という質問には、「ごめんね、選べないかも」と悩みながら回答。
逆にReoNaから観客へ「今日はなんで『よりみち』に来てくれたんですか?」「学校ではどんなアニメが流行っているんですか?」と質問を投げかける場面もあり、会場は終始和やかな空気に包まれていた。

ライブ後半は、観客の手拍子に合わせた「猫失格」からスタート。軽快な空気の中で会場の一体感を高めると、ここでReoNaは”絶望系アニソンシンガー”としての原点について語り始める。

「もう頑張れない」と感じるほど苦しかった時期、自分を支えてくれたのが歌やアニメだったというReoNa。だからこそ現在は、”言葉にしづらい心の内側”を言葉にできるような歌を届けたいという想いを強く抱いているのだという。

「本当は悲しいのに、本当はしんどいのに、無理やり笑顔を作ってしまったことありませんか? 自分の心に嘘をついてしまったことありませんか? いろんな自分があるけれど、本当の自分っていったい誰が決めるんでしょうか? そんな名もなき絶望に、名もなきお歌で寄り添えますように」

その言葉に続いて届けられたのは「unknown」。優しすぎるがゆえに、自分自身を傷つけてしまう誰かへ向けて、「それは優しいあなたのせいじゃない」とそっと手を差し伸べるような歌声が響き渡る。

続く「芥」では、”孤独”な自分自身と向き合いながらも、それでも生きていこうとする感情を力強く表現。「いつか僕等もきらきら光れ」という願いを込めたフレーズが、観客の胸を強く打っていた。

さらに、”アニソンシンガー・ReoNa”としての原点ともいえる池袋・アニメイトから、自身の故郷・奄美大島へ想いを馳せながら披露したのは、3月に配信されたばかりの最新曲「結々の唄」。


奄美大島には、人と人が支え合い、結びつきながら生きていく”結(ゆい)の精神”があるという。奄美の方言を交えた歌詞と温かな歌声が会場を包み込む中、ReoNaは観客へ向けてこう語りかけた。

「それぞれの旅路の中で、ふと寄り道したくなった時、またこうして同じ時間、同じ空間の中で顔を見て、お歌を受け取りに来てくれますように」

間奏では、奄美大島を代表する伝統楽器・奄美三味線の音色も響き渡る。絶望に寄り添う歌だけではない、故郷への深い愛情と温もりを感じさせるパフォーマンスとなっていた。

ラストを飾ったのは、「ライフ・イズ・ビューティフォー」。観客の楽しげな手拍子に包まれながら、生きていることそのものを肯定するような明るいメッセージを届けていく。

大きな拍手に包まれる中、ReoNaは「またこうして同じ空間で、お歌を受け取っていただけますように。じゃあな!」と笑顔で手を振り、最後はマイクを通さずに生声で「ありがとうございました!」と感謝を伝えた。

こうして約1時間にわたり、親子連れや学生たちを優しい”よりみち”へと誘ったライブは、温かな余韻を残しながら幕を閉じた。

【豊島区長・高際みゆき氏からのメッセージ】

豊島区長の高際みゆきです。
この度は、AOM presents Cheer Concert「ReoNa -よりみち-」が開催されましたことを心よりお慶び申し上げます。
豊島区では、昨年4月に「豊島区基本構想・基本計画」を策定しました。
その中で、区民の皆さんに文化鑑賞や文化活動の裾野を拡大する方針を示しており、特に子どもたちに様々な体験の機会を創出していく取り組みに力を入れています。
みなさんご承知のとおり、豊島区はこれまで、「マンガ・アニメ・コスプレの聖地」として、様々な取り組みを行ってきました。
そうした中、とても人気のあるアニソンシンガーであるReoNaさんが豊島区の取り組みに賛同してくださり、今回のチア・コンサートに豊島区に在住・在学の小学生・中学生・高校生の皆様を無料でご招待していただきましたことは大変嬉しく、そして心強く思っています。
参加してくれた皆さんにとって、このコンサートが「迷い、立ち止まり、”よりみち”をしてもいい場所」であることを感じていただき、明日からの生活により輝きや希望をもたらしてくれることを期待しています。
ReoNaさん、今日は本当にありがとうございます。
豊島区は、これからも子どもたちが未来を切り拓く創造力を養えるよう、事業を展開してまいります。今後も、豊島区の取り組みに力を貸してくださると嬉しいです。
それでは、皆さん、素敵な時間を思いっきり楽しんでください!

【SETLIST】
AOM presents Cheer Concert「ReoNa -よりみち-」
01.ANIMA -Naked Style.-
02.メメント・モリ
03.地球が一枚の板だったら
04.さよナラ
05.猫失格
06.unknown
07.芥
08.結々の唄
09.ライフ・イズ・ビューティフォー
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