グラウンド上で結果を出し、声価を高めているラッシング(C)Getty Images

 群雄割拠のメジャーリーグで研鑽を積んでいる25歳は、時に粗暴な振る舞いも見せてしまう。ドジャースのダルトン・ラッシングだ。

 今シーズンから完全にメジャーロースターに定着し、正捕手のウィル・スミスと併用される形での出場が続いているラッシング。ここまで19試合で、打率.328、7本塁打、17打点、長打率.714、OPS1.124と自慢の打力を発揮している。

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 いわゆる「打てる捕手」として声価を高めているラッシングだが、時に激しい闘争心が裏目に出る時もある。

 4月21日(現地時間)のジャイアンツ戦では、本塁への生還を図った相手野手イ・ジョンフと衝突。ぶつかった直後にFワードを用いた言葉を放ったとされる映像が拡散された。さらに4日後のカブス戦でも、二盗を許した直後に相手走者に対して「デブ野郎」という侮辱的な言葉を浴びせたことが明るみに。打席に立っていたニコ・ホーナーが「『何を言ってるんだ?』と戸惑った」と漏らし、物議を醸した

 いずれも相手チームへのリスペクトに欠ける言動である。本人は地元紙『California Post』で「自分がどんな選手であるか、フィールドでどれだけ素晴らしいかということで僕は嫌がられたい。口にした言葉のせいではなくね。『悪い奴』なんてイメージは作りたくない」と猛省しているが、現状で「悪童」のレッテルを貼られている感は否めない。

 グラウンド上でハイパフォーマンスを続けているだけに、「勿体ない」とも言える。それだけに百戦錬磨の仲間たちは、ラッシングに自制を諭す。

MLB通算2470安打を誇る強打者フレディ・フリーマンは、米メディア『The Athletic』で「ダルトンはグラウンド上で、時々盲目的になって、我を忘れてしまうことがある」と指摘した。

「ただ、彼は上手くなりたいという気持ちが強すぎるんだ。それ自体を責めることはできない。それはダルトン・ラッシングという人間から本質を奪ってしまうことになる。だから、僕としては、彼に『いいか? そんなことはするな』なんてことは絶対に言わない。ただ、カメラ前での発言には気をつけたほうがいいとか、そういうことくらいは言うかもしれない」

 また、ドジャースのGM補佐を務め、編成にも携わっているビリー・ガスパリーノ氏も「彼は時として賛否両論を呼ぶ」と指摘。フリーマンと同様に“粗さ”を抱えるラッシングの課題を説いた上で、それに勝るとも劣らない魅力を語っている。

「彼の良いところは、何よりも野球を愛していることにある。知識が豊富で、話すことも大好きなんだ。だから、あの激しい競争心の裏には、チームメイトを大切にし、彼らのためなら何でもする、実に良い人間性が隠れている。それを忘れてはいけない」

 周囲が言うように、精神面の成熟が今後の課題となる。ただ、裏を返せば、メンタリティをコントロールできるようにさえなれば、ラッシングはメジャー屈指の名手へと成長を遂げていくかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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