今季は復調傾向にあるトラウト。しかし、彼の市場価値には疑問符が……(C)Getty Images

 メジャーリーグのレギュラーシーズン開幕から早くも1か月以上の時が経過した。

早くもさまざまなドラマと話題が提供される中で、球界内に置いて娯楽性を増しているのが、夏のデッドラインに向けて水面下で動き出している各球団のトレードに関するトピックだ。

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 ほぼ毎年のように大物選手の移籍が成立し、球界の流れを一変させるのが、メジャーリーグのトレード市場。球団数を含めた規模が異なるため、一概に比較はできないものの、日本球界では「(放出は)ありえない」とされる主力級のメガディールは、小さくないトレンドとなる。

 今夏も当然ながら早々と大物の名前が市場を賑わせている。現地時間5月12日には、ボストンに拠点を置くラジオ局『98.5 The Sports Hub』が、エンゼルスの絶対的主軸であるマイク・トラウトをレッドソックスが「狙っている」と報じた。

 いまだ憶測の域は出ていない。しかし、同局のベテランパーソナリティーを務めるマイケル・フェリガー氏は、「確定情報ではない」と前置きしつつ、レッドソックスがジャレン・デュランとブライアン・ベヨという投打の顔と呼べる二人を放出する見返りにトラウトを得る可能性があると力説。「チーム(レッドソックス)は、なんとか状況を立て直そうと、大きな一手を講じるかもしれない。少なくとも可能性がないと言い切れるだろうか」と投げかけた。

 たしかに今季のレッドソックスは、立て直しが急務となっている。現地時間5月13日時点で18勝24敗とア・リーグ東地区最下位に低迷し、首位レイズとも10ゲーム差と水を空けられている。とりわけ打線は貧打が否めず、チーム打率.236(リーグ7位)、31本塁打(同最下位)と苦しんでいる。

 現在34歳のトラウトは、今季ここまで打率こそ.248ながら、11本塁打、出塁率.410、長打率.503、OPS.914と好調を維持。仮に加われば、レッドソックスにとって頼もしい強化となるのは間違いない。

 ただ、獲得には小さくない“障壁”もある。エンゼルスとの現行契約は2030年まで残っており、約1億7800万ドル(約281億1652万円)の支払いが必要となるのは、やはり獲得球団にとってはネック。また、レッドソックスの外野手陣は、放出候補に挙げられたデュランを筆頭に、ローマン・アンソニー、セダン・ラファエラ、吉田正尚など飽和状態でもある。

 ゆえにレッドソックスの地元メディアはフェリガー氏の情報を「球団にとって最高の解決策ではない」と一蹴している。ニュース局『NESN』は「34歳になるトラウトは、近年は怪我に悩まされており、過去6シーズンの平均出場試合数はわずか75試合にとどまっている」「彼が38歳になるシーズンまで、約1億7800万ドルの支払いが残っている」「22年までの通算OPSは1.002だったが、それ以降は.844にまで落ちている」とネガティブな意見を列挙。その上で、こう断じている。

「依然として危険な打者であることは間違いない。ただ、年齢を重ね、高額な年俸を支払う必要があり、怪我もしやすい。もうトラウトが『野球界屈指のオールラウンドプレーヤー』だった時代は終わったのだ。仮に10年前であれば、彼を獲得するというトレードは、球団の運命を左右する一手であり、いまのレッドソックスのような状況なら迷う余地もなかった。

しかし今となっては、リスクが高すぎる。もはやリソースに見合う価値はない」

 今季のMLBのトレード期限は、8月3日(現地時間)。はたして、この日までにエンゼルスとの巨額契約を締結しているトラウトが、移籍することなどありえるのだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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