怒涛の勢いで本塁打を量産している村上(C)Getty Images

 日本の怪物スラッガーは、もう止まらない。

 現地時間5月16日、ホワイトソックスの村上宗隆は、本拠地で行われたカブス戦に「2番・一塁」で先発出場。

3回の16号ソロに続き、5回にも17号2ランをマーク。年間の本塁打ペースも2022年にアーロン・ジャッジ(ヤンキース)が叩き出した62に迫る61に乗せた。

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 いずれも甘く入ったボールを見逃さずに振り抜いた一打だったが、とりわけ圧巻だったのは、5回の17号だ。無死一塁で迎えた第3打席、対峙したジェームズ・タイヨンがカウント0-1から外角高めに投じた92.3マイル(約148.5キロ)の4シームを強振。高々と打ちあがった打球は、打球速度109マイル(約175.4キロ)であっという間に右中間スタンドに突き刺さった。

 ア・リーグ本塁打王争いでも再び1位に躍り出た村上。もはや貫禄すら漂わせる“ルーキー”だが、開幕前の下馬評は決して高くはなかった。NPBでの過去2シーズンにおける空振り率(36%)の高さを懸念していた米球界内の関係者たちの評価はむしろ、低かったと言ってもいい。実際、米スポーツ専門局『ESPN』のリポートに登場した匿名のア・リーグ球団関係者は「投手レベルが向上している中で活躍を予測するのは難しかった」と証言している。

 無論、ここまでの飛躍は本人の努力の賜物。村上自身の飽くなき探求心がなければ、通用するはずがない。だが、米球界関係者たちの中には、リーグ屈指の強打者へと進化を遂げた26歳のポテンシャルを見誤った自分たちの“目利き”を改める者ものいるようだ。

 米メディア『The Athletic』の取材に答えた他球団幹部は、「自分が間違っていたと認めたくないだけなのかもしれない」と吐露。その上で「おそらく1か月後、もしくは1年後に、ムラカミの獲得を見送った自分が愚かだったこと、そして間違っていたことを認めるようになれるかもしれない。しかし、当時の彼は三振が多すぎると思ったんだ。我々は彼が打てるとは思っていなかった」と証言した。

 打てると思っていなかった――。この発言こそが、村上がメジャーリーグで評価を一変させた証左とも言えよう。仮に彼が今の調子が維持し続けるなら、その価値は歴史的な水準へと高まっていきそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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