ホワイトソックスの顔となり、話題を提供し続けている村上(C)Getty Images

 米球界内で「ムラカミ」の名は大きく広まっている。

 ちょっとしたフィーバーの中心にいるのは、ホワイトソックスの村上宗隆だ。

昨年12月に2年総額3400万ドル(約53億円)で契約した当初は、NPBでの過去2シーズンにおける空振り率(36%)の高さから「成功できない」とも見られていたが、開幕直後から評価は一変。

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 ここまで打率こそ.236ながら、17本塁打(ア・リーグ1位)、長打率.567、OPS.943と軒並み好成績を記録。現地時間5月16日のカブス戦終了時点で、首位ガーディアンズと1ゲーム差の2位と躍進を続けるホワイトソックスの象徴となっている。

 村上効果は、グラウンド外でも顕著に表れている。地元紙『Chicago Sun Times』によれば、ビジネス的にも球団に好景気をもたらしているという。

 日本からやってきたスラッガーが活躍することで生じたビジネスチャンスについて「まさにセンセーションだ。チームだけなく、シカゴ市内の小規模企業に至るまで商機を得ている」とした同紙は、フィーバーに酔いしれる球団のマーケティング責任者であるブルックス・ボイヤー氏のコメントを伝えている。

「彼と契約を結んだ瞬間から、我々はビジネスに対する考え方を変え、チケットの販売目標も引き上げた。それはムネがより多くの関心を集めてくれると予想したからだ。実際、ホワイトソックスへの関心は著しく高まっている。今は日本のファン層に我々のブランドを知ってもらうために懸命に取り組んでいる」

 実際、ホワイトソックスは日本スポンサーや日本人観光客に向けた仕様となるグッズ販売を展開。日本語が印字されたユニフォームやキャップはもちろん、とんかつを挟んだホットドッグ、さらには地元醸造所と提携して“村神様”ならぬ“Southside Sama(サウスサイド様)”というビールも販売。

いずれも売り上げを伸ばしているという。

 日本からやってきたルーキーの恩恵を受けるボイヤー氏は、「ここ数年でこんなことはなかった。新しい日本人ファンは間違いなく増えているし、我々は日本の企業とも常に話し合いを続けている」と証言。新規事業開拓を加速化させる球団の動静には、『Chicago Sun Times』も「3年連続で100敗以上を喫し、2024年にはメジャーリーグ史上最多となる121敗を記録したホワイトソックス。だが、彼らを取り巻く雰囲気は明らかに変わった」と伝えた。

 村上の獲得によって変貌を遂げつつあるホワイトソックス。この現状だけでも、3400万ドルという高額投資は「価値があった」と言えよう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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