モーニング娘。’22やアンジュルムらを擁するハロー!プロジェクトから、新グループ・OCHA NORMAがいよいよメジャーデビューを果たす。

ハロプロ研修生として、デビューを目指して活動してきた経験を振り返ったのは、メンバーの斉藤円香、広本瑠璃、石栗奏美、米村姫良々だ。7月13日にメジャーデビューシングル『恋のクラウチングスタート/お祭りデビューだぜ!』のリリースを控える今、これまでの過程でのたくさんの学びやつらさ、そしてこれから先に見据える目標を語った。

【写真】OCHA NORMA・斉藤円香&広本瑠璃&石栗奏美&米村姫良々 “フレッシュ”な撮り下ろしソロカット

■ハロプロ研修生時代を経てメジャーデビュー! 4人それぞれが内に秘める思い

 2021年12月にグループの正式名称を発表したOCHA NORMA。同年3月にハロプロ研修生ユニットとして、ハロプロ研修生に所属していた現リーダーの斉藤、窪田七海、米村、そしてハロプロ研修生北海道に所属していた石栗の4人で結成。7月にはハロプロ研修生に所属していた現サブリーダーの広本、中山夏月姫、西崎美空、北原ももの4人が加入。さらに、同年12月に「ハロー!プロジェクト 新メンバーオーディション 2021」の合格者である田代すみれ、筒井澪心が加入して、10人体制となった。

――互いに研修生として、デビューを目指してきた4人。グループ結成から約半年でのメジャーデビューには、どんな思いがありますか?

斉藤:20歳になる前にメジャーデビューが決まってうれしいです。幼い頃にアニメ『イナズマイレブン』の主題歌を歌っていたBerryz工房さんを知ってからハロプロへ憧れるようになり、オーディションを経て高校1年生で研修生へ加入しました。

研修生歴を重ねるにつれて、将来どうなるか分からないことも多く、家族に苦労をかけた部分もあって。通っていた高校は土曜日も授業があって、研修生の定期レッスンも土曜日だったので、学校終わりに親が車で送り迎えをしてくれたんです。だから、恩返しとしていい報告ができてよかったです。


広本:私は研修生へ加入する前に、出身地の広島県でもアイドルとして活動していたので、そこから考えると長かったなと思います。アイドルの先輩方を見るうちにハロプロにも憧れの先輩ができて、高校1年生で研修生へ加入してからやっと自分が「こうなりたい」と思っていた場所に立てるんだと考えるとうれしいし、メジャーデビュー後の活動も楽しみです。いつも何かがあってもお母さんへの連絡を後回しにしがちなんですけど、デビュー発表の直後は、すぐに「決まったよ」と連絡して。「直接電話くれてよかった」と言ってくれました。

米村:ようやくデビューできるのがうれしいです。私は小学4年生の頃からハロー!プロジェクトが好きになり、アンジュルムさんのオーディションに落選したのをきっかけに研修生へ加入して。ハロプロ研修生ユニット時代も含めて、研修生を6年ほど続けてきたんです。だいぶ長く下積みを積んできた感覚なので、ようやくスタートラインに立てるのがうれしいです。でも、研修生の活動歴を考えるとフレッシュさに欠けるといいますか、「貫禄あるね」と言われるので(笑)。だからフレッシュに頑張っていきたい気持ちもあります。

石栗:時間はかかりましたけど、夢が叶えられるのはうれしいです。私はアニメ『きらりん☆レボリューション』で活躍されていた久住小春さんをきっかけにハロプロに憧れて。
小学5年生のときに地元の北海道でハロプロがグループを作ると知り、ハロプロ研修生北海道のオーディションを受けて加入したので、研修生歴が6年と長かったんです。

だからかな…メジャーデビューに対しては、信じられない気持ちもあります。研修生時代に、うれしいことやいいことは期待すると「絶対に逃げていく」という教訓を得たんです。デビューへのありがたみを感じながらも「本当に私たちでいいのかな」と思っているし、夢のようでフワフワしている気分というか。衣装やMVが完成して、リリースイベントで全国各地を回っている中で、徐々に「ドッキリじゃないんだ!」と実感しています(笑)。

■デビューできるのか不安だった…1.5軍のようなハロプロ研修生ユニット時代を乗り越えて

――研修生時代は、定期公演や先輩のコンサートへの帯同、各自でプロデュースしたパフォーマンスを投票で表彰する年に1度の「春の公開実力診断テスト」などを通して、パフォーマンス力の向上に努めていたと思います。それぞれが研修生時代に学んだことは何ですか?

斉藤:シンプルですけど、歌って踊ることです。ハロー!プロジェクトへ入る前も、自宅では趣味で歌って踊っていましたけど、歌は歌、踊りは踊りと分けてやっていたし、研修生へ加入したときは何もできなかったんです。定期公演などを通して歌や踊りを本格的に経験するようになったし、先輩方のステージを見て学ぶことも多かったです。

広本:パフォーマンス面では、歌ですね。家族の中では小さい頃から「音痴」として有名で、音程を取ることに苦手意識があったんです。出身地の広島県で通っていた芸能スクールのレッスンで少しずつ克服していましたけど、研修生へ加入してから、より本格的なレッスンを経験するようになって。
定期公演のリハーサルで「こういう風に声を出したらいいよ」と歌のポイントを教えてもらったりして、歌のコツを少しずつ理解できるようになりました。

石栗:ハロプロ研修生北海道では、東京へ行く機会が年に1度の「春の公開実力診断テスト」ぐらいしかなかったんです。でも、北海道の定期公演もあったし、レギュラーのラジオ番組(『ハロプロ研修生北海道のHello! リアル☆スクール』)へ出演させていただき、東京の研修生の子たちと異なる活動をさせていただいた経験は今も生きているなと思います。

ハロプロ研修生北海道は、自分たちで歌のフォーメーションを考えるときも多かったんです。ハロプロ研修生ユニット時代に出演したアイドルフェスや対バンイベントで、リハーサルもなくぶっつけ本番でステージへ上がったときは、自分たちでMCなどを考える必要があったので、経験を生かせました。また、ハロプロ研修生北海道の“リーダー的役割”として結成当初、グループを引っ張ってくれた稲場(愛香)さん(カントリー・ガールズ・Juice=Juiceの元メンバー。5月30日にハロー!プロジェクトを卒業)に学んだこともたくさんあります。いつか、人間として尊敬する稲場さんのような先輩になりたいです。

米村:研修生時代はつらいことや大変なことが多くて、メンタルが鍛えられたのは大きかったです。加入当時は小学5年生だったので礼儀も分からず、スタッフさんに「こんにちは!」とあいさつしたら「おはようございますでしょ!」と指摘されたり(笑)。ハロプロ研修生ユニットの結成直後に4人だった時代も、当初から「デビュー」とは聞いていましたが、OCHA NORMAの結成まではどんな形でデビューできるかも分からず、ステージへ立ちながらも未来が見えない不安がありました。

メジャーデビュー決定後、今ではうれしいお仕事もたくさんいただけるようになりました。
これからの人生では、研修生時代以上につらいと感じることはないかなと思いますし、いろんな苦労はありましたけどありがたみを感じています。

石栗:ハロプロ研修生ユニット時代は先輩グループとハロプロ研修生の間にいる1.5軍のような感覚で、自分たちの立ち位置も分からず、どこへ向かうのかが見えなかったんです。特に初期の斉藤、米村、窪田、私の4人は、同じ不安を抱えながらもずっと戦ってきたので、強い絆を感じています。

■メジャーデビューから先へ 「みんなで補い合って最高のグループに」

――7月13日にはいよいよメジャーデビュー。1曲目「恋のクラウチングスタート」には、どんな思いがありますか?

斉藤:この曲をいただいたのは、まだハロプロ研修生ユニットだった8人の時代で、ハロー!プロジェクトのコンサートでも披露していたんです。今は代表曲の1つになりましたけど、当時は、メジャーデビュー曲と聞いていなかったので決まったときは驚きました。キャッチーな曲ですし、覚えやすいフレーズとか、かわいらしい振り付けにも注目してほしいです。個人的に、サビにある担当パート「恥じらって」のフレーズには苦戦して。歌割りをいただいた時点でリズムやかわいらしさの出し方などが悩みどころだったので、自分なりにだいぶ研究しました。

米村:明るくかわいらしくて、キャッチーな曲なので第一印象から好きでした。私が担当する歌い出しの「Get you !」は、パフォーマンス時に元気よく飛びながら歌わなければいけないので、うまく発声するのが難しくて。曲の始まりですし、バシッと決めてみなさんをちゃんと“Get you!”できるように意識しています(笑)。
ステージでのクオリティをもっと上げていきたいです。

――グループのスタートダッシュを思わせる1曲目とは対照的で、和風なイメージの2曲目「お祭りデビューだぜ!」はいかがでしょう?

広本:1曲目とは真逆な印象です。尺八や和太鼓といった和楽器の音色が使われていて、ソーラン節など、各地域にある伝統を振り付けに取り入れながらも、今っぽいテンポ感がある曲です。歌詞にも「先祖代々」といったフレーズがあるので注目してほしいですし、ステージでのパフォーマンス時は盛り上がっていただけるかなと思います。

石栗:どじょうすくいや歌舞伎の見得も振り付けに取り入れているんです。MVやパフォーマンスでは“ネオ和風”を表現しています。令和の時代では、曲のテーマにある「お祭り」だけでなく、グループ名の由来「お茶の間」が身近ではない世代もいると思いますけど、老若男女に愛されるグループになりたい目標もありますし、「お祭りデビューだぜ!」を通して私たちよりも若い世代へ伝統を受け継いでいければと思います。

――最後は、リーダーの斉藤さんに伺います。メジャーデビューから先に向けた、抱負をお願いします。

斉藤:グループ名には「お茶の間のみなさんから愛されるグループになってほしい」という願いが込められているんです。こうした取材やテレビ・ラジオ出演の機会も増えていけばいいなと思いますし、たくさんの人たちに知っていただけるように頑張っていきたいです。10人体制でのスタートから半年ほどでのメジャーデビューとなりますけど、メンバー同士の知らない一面もまだあるので、みんなで補い合って最高のグループにできればと思います。


個人的には、先輩グループのJuice=Juiceさんのようになりたいと思っていて。最初はオリジナルメンバーで結成されて、追加メンバーが加入されるたびにパワーアップしてきた流れが、ハロプロ研修生ユニット時代から現在までの自分たちと似ている気がするんです。形は違えど私たちも進化していけるように、もっとグループの力を高めていきたいです。(取材・文:カネコシュウヘイ 写真:ヨシダヤスシ)

※西崎美空の「崎」は(たつさき)が正式表記

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