岩本ナオの漫画を初めてアニメーション映画化した『金の国 水の国』が、2023年1月27日より全国公開となる。声優として賀来賢人と浜辺美波がダブル主演を務め、原作者の岩本も大絶賛する本作の、映画が楽しみになる3つのポイントを紹介する。



【写真】賀来賢人×浜辺美波が声を務めるナランバヤルとサーラ

■原作は「このマンガがすごい!」2年連続1位の注目作家・岩本ナオ

 『町でうわさの天狗の子』で第55回小学館漫画賞、『金の国 水の国』で「このマンガがすごい!2017オンナ編」第1位、『マロニエ王国の七人の騎士』(「月刊flowers」連載中)で「このマンガがすごい!2018オンナ編」第1位に輝くなど、漫画業界の名だたる賞を獲得している岩本。

 特にこの「このマンガがすごい!」は、上位にランクインする作品が部数を伸ばすだけでなく、映画やアニメーション化が相次いでおり、年々注目度が上昇中。過去には、オンナ編では『ハチミツとクローバー』(羽海野チカ)や『ちはやふる』(末次由紀)が、オトコ編では『チェンソーマン』(藤本タツキ)や『SPY×FAMILY』(遠藤達哉)などが第1位を受賞し、いずれも漫画、映像化ともに大ヒットを記録している。

 岩本はそんな大注目のランキングで史上初、異なる作品で2年連続1位を受賞するという偉業を成し遂げた。さらに本作は、そんな岩本の初アニメーション化にして初映画化。ファンならずとも注目が集まっている。

■敵国同士の2人が、平和のため“偽りの夫婦”に? 優しすぎる主人公たち

 本作の舞台となるのは、商業国家で水以外何でも手に入る<金の国>と、豊かな水と緑に恵まれるが貧困で滅亡しそうな<水の国>、長きにわたり敵対している2つの国。<金の国>の王女サーラと、<水の国>の建築士ナランバヤルが、両国の思惑に巻き込まれ、出会ったことから始まる壮大な物語が展開される。

 原作が愛されてきた大きな理由の一つが、少女漫画のヒーロー&ヒロイン像の定型とは少し違った、かわいらしいタッチで描かれた、主人公2人の魅力的なキャラクターだ。サーラは王女ながら食べることが大好きで、おっとりした性格のため人にも動物にも怒れない気の優しい女性。華やかで野心家な姉たちにからかわれながらも、笑顔を絶やさずのんびりした暮らしを好んで送っている。一方、国随一の賢さを誇る建築士ナランバヤルは、口が達者なお調子者。
仕事がなく暇を持て余しているが、機転が利く上に実は思いやりにあふれている。

 そんな2人がひょんなことから出会い、互いのためについた“小さなうそ”が、やがて2つの国の未来を大きく左右する事態に? “偽りの夫婦“として平和のために奮闘し、強く優しく互いを思い合う2人の姿を見れば、思わず応援したくなってしまうこと間違いなしだ。

■原作にほれ込み映画化へ 豪華キャスト&クリエイターが集結し、新たな物語が誕生

 映像化を期待するファンの声に応えるように集結したのは、原作にほれ込んだ豪華キャストとクリエイターたち。

 2人の主人公のうちナランバヤルの声を務めるのは賀来賢人、サーラ役を務めるのは浜辺美波。口達者なお調子者とおっとり王女、2人のほほ笑ましいやりとりも息ピッタリで、原作者の岩本もそのハマりっぷりを大絶賛しているという。

 ほかにも、サーラの姉にして二国の思惑に探りを入れるレオポルディーネに戸田恵子、国の真実に気付く冷静さを備えた“イケメン”左大臣サラディーンに神谷浩史、原作ファンの間でも人気が高いライララに沢城みゆきなど、いずれも人気実力派キャストが脇を固める。

 製作陣にも強力なメンバーが勢ぞろい。制作スタジオは細田守監督作品『サマーウォーズ』、テレビアニメ『ちはやふる』などで海外からも高く評価される老舗・マッドハウス、プロデューサーに『竜とそばかすの姫』のプロデューサー・谷生俊美。監督には、『ちはやふる』『俺物語!!』で頭角を現し、本作の原作も愛してやまないマッドハウスの才媛・渡邉こと乃が抜てきされ、脚本は『HUGっと!プリキュア』のシリーズ構成を手掛け、ドラマ『コウノドリ』『マッサン』を担当した坪田文が手掛けている。

 ほかにも『NANA』『ちはやふる』『カードキャプターさくら』などで監督を歴任してきた浅香守生、『ダイヤのA』『若おかみは小学生!』で高い評価を得る増原光幸などマッドハウスのクリエイターも名を連ね、岩本ナオの描く異国情緒満載の世界観を躍動感あふれる映像に仕上げた。

 映画を彩るテーマ曲を担当するのは、オーディション番組から見いだされ、数々のドラマや映画で主題歌を担当する琴音。また現在放送中の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』や大ヒットアニメーション映画『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』で知られるエバン・コールが音楽を手掛けている。


 原作も愛読していたという渡邉監督は「読む時々によって刺さる名言も違いますし、こんなに読み込める作品は(「このマンガがすごい!」)一位で間違いない」とした上で、「初めて原作を読んだ時に最後まで多幸感が持続する作品だなと感じたので、劇場での約120分を通してその多幸感をキチンと感じられる作品として構成しようと大事にした」と、強いリスペクトによって映画化に臨んだことを明かしている。

 アニメ映画『金の国 水の国』は、2023年1月27日より全国公開。

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