パネルに「鳥もイケメンが好き」と書いてあったかどうかはさておき、『ダーウィン展』というからには“性淘汰”に関する記述を見たのだろうということは予想がついた。人間だけでなく、自然界全体で“格好いい異性”“強い個体”はやはり人気があり(選り好みをするのはメスの方)、そういった選択の繰り返しで種はよりよい進化を遂げてきたというのが、たしか性淘汰だったと記憶している。
人間の世界では好みは千差万別、私などもいわゆる“イケメン”にはあまり心惹かれない嗜好性の持ち主であるが、自然界の生物にも種によって様々な好みがあるらしい。長谷川眞理子著『クジャクの雄はなぜ美しい?<増補改訂版>』(紀伊国屋書店刊)に興味深い記述が載っていたので、その中からいくつかの“選り好み”例をご紹介します。
(1)尾が長いほど魅力的
コクホウジャクという鳥のオスは、繁殖期になると尾羽の一部を50センチほどに伸ばして飛び回る(メスは7センチほどしかない)。そこで、アンデルソンという研究者が、何羽かのオスの尾を短く切り、その切り取った分を別のオスにくっつけてみる実験を行った。結果、尾を長くしてもらったオスの繁殖回数はぐんと上がり、コクホウジャクは尾が長いほど交尾相手としてよく選ばれるということが示された。