電車に乗っている時、「切符、拝見しま~す」という声が聞こえたので、見せようとすると、ただの私服の人だったことが何度か!? ある。車掌のまねをする、熱狂的な電車ファンなのだと思うが、鉄道人気は今や加熱する一方。
電車には男の子の生理ともいえる、“乗り物好き”心理をくすぐる何かがある。

そして、電車の車内アナウンスや駅メロディを収録したCDが発売されるという。それは京急電鉄が協力し、株式会社スイッチが制作、ユニバーサルミュージックから発売される、『京急 駅メロディ -オリジナル-』のこと。

京急電鉄では京急線16駅でかける駅メロディ(列車接近案内音)を、2008年7月から募集。応募総数2177通の中から選考を行い、16駅に品川駅を加えた17駅の駅メロディを決定。羽田空港駅開業10周年記念日にあたる、2008年11月18日から羽田空港駅を皮切りに順次各駅で使用開始していた。その駅メロディを、このCDにパッケージ!

一般公募で選ばれた、この駅メロディたち。その曲と選考理由が興味深いので、それを少しご紹介します。
・青物横丁駅で流れる駅メロディは『人生いろいろ』。選考理由は、品川区出身である島倉千代子さんの代表曲だから。
・京急蒲田駅で流れる駅メロディは『夢で逢えたら』。選考理由は、ラッツ&スターのメンバー(鈴木雅之さん・桑野信義さん)が大田区出身であり、ラッツ&スターの代表曲だから。

・金沢文庫駅で流れるメロディは『MY HOME TOWN』。選考理由は、金沢文庫出身の小田和正さんが生地を想い、歌った曲であるから。
・金沢八景駅で流れるメロディは『道』。選考理由は、EXILEのリーダー・HIROさんの母校が金沢八景にあり、「卒業」をテーマとして親しまれているEXILEの楽曲であるから。
・新逗子駅で流れるメロディは『LIFE』。選考理由は、逗子出身話題のアーティストであるキマグレンのヒット曲であるから。
・浦賀駅で流れるメロディは『ゴジラのテーマ』。選考理由は、たたら浜(観音崎)にゴジラが現れたことに由来している。
(他にも、ゆずの『夏色』など地元出身のアーティストの楽曲を多く使用。それらの駅メロディもCDには収録されている)
また、昨年11月28日放送の「ミュージック・ステーション」で駅メロディにキマグレンの曲が使われるというネタを取り上げた。その際に、タモリが「京急はおもしろいことやるんだよね~」と発言。否が応にも注目度が高まっている。


また、収録されているのは駅メロディだけではない。実際の車内アナウンスも多く収録。CDを再生すると、聞き覚えのあるアナウンスが多いのだ。56曲目の『マナー啓発案内1』の「車内での携帯電話のご使用は、他のお客さまのご迷惑となりますので、ご遠慮くださいますよう、お客さまのご協力をお願いいたします」なんて、「おぉ、よく聞く、よく聞く」と、不思議な感動が。
また、「ガタンガタン」と音だけがする『曲線通過音』(35曲目)、『踏切通過音』(36曲目)なんて、マニアックな音源まで収録されているのが嬉しい。

そして、スゴいのが2009年5月11日締め切りのプレゼント・キャンペーン。CDに付いている応募券を貼って応募すると、鉄道マニアがヨダレを垂らしてしまうような逸品が当たるかもしれないのだ。
A賞は「京急グループ110年史」。B賞が「行先方向幕」。C賞が「手すり」。D賞が「吊革」。E賞が「禁煙ステッカー(駅貼付用)」。
家の中に電車の手すりや吊革があったら、これは筋金入りと認めざるを得ない。タモリ(芸能界きっての鉄道ファン)だって持っているかどうか。ちなみに、キャンペーンにはA賞からH賞までが用意されてます。

今まで、JRのアナウンスを収録したCDはテイチクから発売されていたが、京急電鉄の音源を収録したCDが発売されたのは今回が初。メーカーとしては、こういった鉄道に関する作品を、今後もリリースしていきたい意向。
この『京急 駅メロディ -オリジナル-』は、3月18日より全国のCDショップのほか、京急駅売店「京急ステーションストア」(駅メロディが流れている17駅のみ)・京急のオンラインショップ「おとどけいきゅう」でも販売される。価格は1,500円(税込み)。

それにしても、駅で聞けるアナウンスが自宅のステレオから流れてくるのは新鮮で楽しい。なにしろ、自分の部屋で「羽田空港ゆきは、13時38分発です」(45曲目『品川 後初』)なんて響くのだ。
あと京急の駅メロディって、完成度が高い。楽しくなったり、ちょっと切なくなったり、純粋に音楽としてもナカナカのものでした。
鉄道マニアでもマニアじゃなくても、興味を持った方は是非!
(寺西ジャジューカ)
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