きっかけはサンマーク出版(@sunmarkbook)のUstream(以下UST)中継だった。その時の放送の主テーマは異なっていたのだが、登山家である栗城史多(くりき のぶかず)さんの本の話題がちょこっと出てきた。
本書『一歩を越える勇気』は、当時27歳の162cm、体重60kg、肺活量と腕力・脚力が平均男性以下の栗城さんが山登りをはじめたきっかけから、学生時代のエピソード、初の海外旅行での北米大陸の「マッキンリー」、そして「エベレスト」登頂への初挑戦までが綴られていた。プロローグで「少々、息が苦しくなる世界ですが、酸素ボンベを片手にお楽しみください」と書かれていたとおり、山のシーンでは息苦しくなりながらも夢中で読みふけった。
栗城史多さんは、世界7大陸の最高峰のうち6大陸での登頂、単独そして酸素ボンベを使わない条件下でヒマラヤ山脈の8000メートルを超える3つの高峰の登頂を成し遂げてきた。栗城さんはTwitterを発信していて(@kurikiyama)、そのフォロワー数は15日現在27000を越えている! 積極的に講演を行い、さらに最近では、ドキュメンタリーなどのメディア出演でも見かけるので、知っている人も多いかと思う。
そもそもどういうきっかけでこの本が出版されることになったのだろう?
「偶然、同時にある二人の著者から『すごいヤツがいる!』という話を聞いて、『いったいどんな人なんだろう……?』と興味を持ち、すぐに動画を見て、本気で感動しました」とサンマーク出版編集担当者の池田るり子さん(@rurikoikeda)。自分もそうだった。知り合いから同じように言われ、UST中継を見たのが最初だった。
「そこから『ぜひ、本を書きませんか?』とアタックし続けて、半年くらい経ったころに、栗城さんから承諾の返事をいただくことができました」
栗城さんは、登頂やトレーニングの時間はもちろん、本書にも書かれている通り、日本にいる間も自ら遠征資金やインターネットの生中継を実現させるためにスポンサーまわりを行ったりと忙しく、執筆の時間を作ってもらうのがいちばん大変だったとのことだ。
「最後には、当社の会議室に数日間閉じこめて書いてもらいました。『この人、内面は鬼のようでした』と、出版記念講演会で栗城さんに言われたのがいい思い出です(笑)」
でもこうして軟禁状態!? で本ができたおかげで、より栗城さんの人となりに触れることができた。個人的には“妖怪人間”時代の栗城演劇の話なども面白かった。
本書が発売されたのは去年の年末。時間が経っているが、7月現在9刷中で今も売れ続けていて、男女問わず学生から60代の人々まで、読者からの反響も数多く届いているという。池田さんいわく、読者からの声で特に印象的だったのは、「あきらめかけていた夢があったけれど、この本を読んでもう一回挑戦しようという気になった」というもの。
「栗城さんご自身はとてつもなく大きなスケールの挑戦をされていますが、私には私の、皆さんには皆さんの山があって、それに大きい小さいは関係ないと思います。その『自分の山』に向かって一歩踏み出す勇気を持ってもらえれば、という想いを込めて本を作ったので、すごくうれしかったです」
山のことは知らなくても、山での過酷な体験や、スポンサーに自分を売り込み、一歩ずつ夢や目標を実現していく話などから、スケールの違いは比べものにならないけど、いつのまにか自分の身に重ね合わせて読んでいた。けっして奇抜でもなく目新しいことを言っているわけではないのだが、ビジネス書なんかでスルーばかりしてきたコトバが、彼に言われるとすっとココロに入ってくる。こんなこと言うのは正直恥ずかしいが、元気とかいろいろもらった。
あと、そもそもいちばん「なんで?」って思っていたのが、負担にしかならない重い機材を背負って中継にこだわるワケ。それはテーマに掲げている「冒険の共有」から。「山から学んだことを自分だけのものにするのではなく、たくさんの人に伝えることで、何かの支えや一歩を踏み出す勇気になるよう役立ててもらい、今まで支えてくれた人たちへの恩返しになれば」と本書の著者、栗城さんのコメント。
最後に池田さんから。
「『これをやってみたいな』『これができたらいいな』と思っているものがある人は、ぜひ読んでみていただき、あなたの『できない』のカベが少しでも取り払われて、何かに挑戦するキッカケになってもらえればと思います」
この本の最終章で描かれているのは、7大陸最高峰の最後の1つ、7950m地点で体調不良により断念してしまった昨年9月のエベレスト登頂。この9月に再挑戦を目指していてもちろんその模様はインターネット中継される予定だ。この本を読み返しつつ、インターネット中継に参加しようと思う。
(dskiwt)
前に彼の登頂への挑戦を生中継したUST中継を見たことがあって、以来ココロの片隅で気にはなっていたのだが、本が出ているということで買って読んでみた。
本書『一歩を越える勇気』は、当時27歳の162cm、体重60kg、肺活量と腕力・脚力が平均男性以下の栗城さんが山登りをはじめたきっかけから、学生時代のエピソード、初の海外旅行での北米大陸の「マッキンリー」、そして「エベレスト」登頂への初挑戦までが綴られていた。プロローグで「少々、息が苦しくなる世界ですが、酸素ボンベを片手にお楽しみください」と書かれていたとおり、山のシーンでは息苦しくなりながらも夢中で読みふけった。
栗城史多さんは、世界7大陸の最高峰のうち6大陸での登頂、単独そして酸素ボンベを使わない条件下でヒマラヤ山脈の8000メートルを超える3つの高峰の登頂を成し遂げてきた。栗城さんはTwitterを発信していて(@kurikiyama)、そのフォロワー数は15日現在27000を越えている! 積極的に講演を行い、さらに最近では、ドキュメンタリーなどのメディア出演でも見かけるので、知っている人も多いかと思う。
そもそもどういうきっかけでこの本が出版されることになったのだろう?
「偶然、同時にある二人の著者から『すごいヤツがいる!』という話を聞いて、『いったいどんな人なんだろう……?』と興味を持ち、すぐに動画を見て、本気で感動しました」とサンマーク出版編集担当者の池田るり子さん(@rurikoikeda)。自分もそうだった。知り合いから同じように言われ、UST中継を見たのが最初だった。
「そこから『ぜひ、本を書きませんか?』とアタックし続けて、半年くらい経ったころに、栗城さんから承諾の返事をいただくことができました」
栗城さんは、登頂やトレーニングの時間はもちろん、本書にも書かれている通り、日本にいる間も自ら遠征資金やインターネットの生中継を実現させるためにスポンサーまわりを行ったりと忙しく、執筆の時間を作ってもらうのがいちばん大変だったとのことだ。
「最後には、当社の会議室に数日間閉じこめて書いてもらいました。『この人、内面は鬼のようでした』と、出版記念講演会で栗城さんに言われたのがいい思い出です(笑)」
でもこうして軟禁状態!? で本ができたおかげで、より栗城さんの人となりに触れることができた。個人的には“妖怪人間”時代の栗城演劇の話なども面白かった。
「わたしも原稿になる直前まで知らなくて、へー! と思った話でした」と池田さん。また、タイトルはエベレスト登頂時に電話をつないで決定したらしく、『世界で一番標高の高いところで決まったタイトルだと思う』と池田さんのコメント。
本書が発売されたのは去年の年末。時間が経っているが、7月現在9刷中で今も売れ続けていて、男女問わず学生から60代の人々まで、読者からの反響も数多く届いているという。池田さんいわく、読者からの声で特に印象的だったのは、「あきらめかけていた夢があったけれど、この本を読んでもう一回挑戦しようという気になった」というもの。
「栗城さんご自身はとてつもなく大きなスケールの挑戦をされていますが、私には私の、皆さんには皆さんの山があって、それに大きい小さいは関係ないと思います。その『自分の山』に向かって一歩踏み出す勇気を持ってもらえれば、という想いを込めて本を作ったので、すごくうれしかったです」
山のことは知らなくても、山での過酷な体験や、スポンサーに自分を売り込み、一歩ずつ夢や目標を実現していく話などから、スケールの違いは比べものにならないけど、いつのまにか自分の身に重ね合わせて読んでいた。けっして奇抜でもなく目新しいことを言っているわけではないのだが、ビジネス書なんかでスルーばかりしてきたコトバが、彼に言われるとすっとココロに入ってくる。こんなこと言うのは正直恥ずかしいが、元気とかいろいろもらった。
あと、そもそもいちばん「なんで?」って思っていたのが、負担にしかならない重い機材を背負って中継にこだわるワケ。それはテーマに掲げている「冒険の共有」から。「山から学んだことを自分だけのものにするのではなく、たくさんの人に伝えることで、何かの支えや一歩を踏み出す勇気になるよう役立ててもらい、今まで支えてくれた人たちへの恩返しになれば」と本書の著者、栗城さんのコメント。
実際に、UST動画の映像や息づかいを聞いてエールをもらった。
最後に池田さんから。
「『これをやってみたいな』『これができたらいいな』と思っているものがある人は、ぜひ読んでみていただき、あなたの『できない』のカベが少しでも取り払われて、何かに挑戦するキッカケになってもらえればと思います」
この本の最終章で描かれているのは、7大陸最高峰の最後の1つ、7950m地点で体調不良により断念してしまった昨年9月のエベレスト登頂。この9月に再挑戦を目指していてもちろんその模様はインターネット中継される予定だ。この本を読み返しつつ、インターネット中継に参加しようと思う。
(dskiwt)
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