米国は「卒業シーズン」まっただ中。5月中旬から6月初旬までは、卒業式にセレブの誰々がスピーカーをするとか、どこどこの大学の卒業式会場はナショナルフットボールスタジアムだとか、そんな話題で世間が盛りあがりを見せている。


朝起きたらトイレットペーパーで「真っ白!」


プランクと呼ばれるちょっとしたイタズラを卒業生にするのが文化になっているアメリカ。
先日には近所でトイレットペーパーだらけにされた家を見かけた。「卒業おめでとう!」のポスターが玄関前に立て掛けてあったので、卒業祝いなのだろう。

これは「TP」(頭文字でティーピー)と呼ばれる“どっきり”で、朝起きて外を見たら「真っ白!」っていう感じになる。
作り上げるには結構な人手を要するようで、大抵はスポーツクラブの後輩達が一緒に夜中に集まり、先輩の家をトイレットペーパーで飾りあげるらしい(卒業祝いの他にも何かのイベントでTPハウスをみかける事もある)。

雨で濡れてしまったらトイレットペーパーを掃除するのはかなり面倒。
そして近所迷惑にもなりかねない。自治体によっては違法になる事もあるようだ。

スポーツクラブなどの場合、チームメイト同士はもちろんのこと、親どうしも親密に繋がっているので事前に計画・承諾済みのことが多いため、知らぬは仕掛けられた人のみ。
「トイレットペーパーを思いっきり投げながら木にかかるようにダラダラ垂らすんだ。楽しかったな~。高校時代の良い思い出だよ。
一晩中ワクワクしていた」と語るのは高校時代サッカー部だったという同僚。

昭和の日本で「物を大事に」「他人の家を汚すなんて」と育ってきた者としては、何が楽しいのかワクワクするのかわからない。
あんなにトイレットペーパーだらけにされたら逆にこれは「イジメ」なんじゃないか? なんて思ってしまう。
だが「イジメ?そんなのあるわけないよ~。大抵の被害者?は人気者なんだから」と同僚はサラッと答えてくれた。

シニアプランクと呼ばれる高校卒業生のイタズラは学校内で実施されることも多く、これで卒業延期や取り消しになったりする生徒も少なくなく、毎年ローカルニュースに取り上げられる始末である。


お国は違えど、どんなイベントでもハメを外さす楽しむことができればいいのですね。

(シカゴ/あらた)