蛭子能収が演じるロビンの「ちょっと良いコメント」が楽しみになってきた日曜ドラマ『今からあなたを脅迫します』(日本テレビ系)。10月29日(日)放送の第2話。

第2話 あらすじ
脅迫屋・千川完二(ディーン・フジオカ)は、大学生の金坂澪(武井咲)を連れてワゴンカフェを訪れる。
カフェオーナーの笠谷沙和子(大後寿々花)は、自殺したシンガーソングライター・ERu(高月彩良)の友人。自殺の引き金となったのは、週刊誌『週刊見聞』に掲載された「ERuにはゴーストライターがいる」という記事だった。その訂正記事を書いてもらうため、週刊見聞の編集長・茂木琢磨(小木茂光)を脅迫してほしいと沙和子は依頼する。
お顔がお美しい2人の百面相
澪「これが業務なら、正真正銘のブラック企業です」
千川「うちってブラックか? 目黒」
目黒「グレー」
茂木編集長への交換条件として提示するスキャンダル写真をねつ造するため、人気俳優・柿ピーこと柿宮優人(栗原吾郎)に抱きつく業務を命令される澪。第1話で、澪が佐藤(稲葉友)に包丁を突き付けた写真を撮られており、それを千川が握っているので断ることができない。
柿宮に「人として最低だよ!」と叱られ、恨めしそうに千川のほうを見る澪の顔アップが美し過ぎる。一時停止して凝視してしまった。
柿宮に頭を下げて謝り顔を上げた直後なので、一筋の前髪が左目にかかってしまっている。前髪の奥で、武井咲の大きな黒目が光る。恨めしい感と「自分は何をやっているんだ」という虚無感の良い演出となっていた。
そんな澪に対して、千川が「Good Job!」と親指を立てる。
どうやったらそんなに上唇の右側だけを上げることができるのか、と質問したいほど振り切った変顔。
武井咲とディーン・フジオカ。「お顔がお美しい」としか言いようのない2人が、百面相にチャレンジしながらコメディを演じている。その状況がすでに面白い、という気がしてきた。
善悪をジャッジしない「脅迫屋」という仕事

沙和子「ゴーストライターの件は、誰かに仕組まれたんです。ずっと側にいたから、私にはわかるんです」
しかし、実はERuのゴーストライターは、脅迫の依頼人である沙和子本人。
ゴーストライターの件は、ERuと沙和子の2人だけの秘密。誰かに知られたときは友だちをやめる、という約束もあった。そのため、沙和子は「ERuは自分を恨んで命を絶った」と思い込んで、罪滅ぼしのために脅迫を依頼した。
ゴーストライターの話が明らかになった本当の理由は、ERuの所属事務所の土浦社長(片岡礼子)が麻薬取引に関わっていたからだった。麻薬ネタを揉み消すために、土浦が茂木にゴーストライターネタを提供したのだ。
この「絶対悪」が明らかになったのに、千川はそれを利用しない。
千川の仲間である盗み屋・目黒(三宅弘城)が自分たちの家業を「グレー」と評していた。それは、依頼者の立場をジャッジしない姿勢のことも表しているのかもしれない。
千川「学級委員かよ」
澪「悪代官なみに悪知恵の働く千川さん」
澪が善で、千川が悪。
その原作のスタンスは引き継いでいるものの、第1話の時点から、澪の秘めた怒りや千川の人の良さがポロポロと見え隠れしている。善悪の白黒をはっきりとさせずグレーに見せているのは、意図的なのか演技の偶発性なのか気になるところだ。
本日11月5日(日)よる10時から放送の第3話は、原作最新刊『今からあなたを脅迫します 白と黒の交差点』(講談社タイガ)の「第一章 橙色の顛末」がもとになっている。脅迫依頼がダブルブッキングし、どちらが正しいのか善悪がせめぎ合うことになる。千川と澪は、グレーなままでいられるのだろうか。
そして、ドラマオリジナルキャラクターである澪の隣人・京田カオル(鈴木伸之)。澪に優しく助言してくれるし、澪の手作りおはぎを嬉しそうに食べてくれる良い人だが、そろそろメインストーリーに介入してこなくてもいいのだろうか。
第2話は、TVerやhulu、日テレオンデマンドなどで配信中。
脅迫事件自体は一話完結型なので、見視聴の方もまだまだ追いつけますよ。
(むらたえりか)
日曜ドラマ『今からあなたを脅迫します』(日本テレビ系)
原作:藤石波矢『今からあなたを脅迫します』(講談社タイガ)
出演:ディーン・フジオカ、武井咲、鈴木伸之、島崎遥香、蛭子能収、三宅弘城、近藤正臣、ほか
脚本:渡部亮平、関えり香、ほか
音楽:林ゆうき
チーフプロデューサー:福士睦
プロデューサー:松本京子、難波利昭
演出:中島悟、狩山俊輔、ほか
制作協力:AXON
主題歌:DEAN FUJIOKA「Let it snow!」(A-Sketch)
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