わかば「汐里、どうしたんや？」
汐里「私、チアダンス部を辞める」
8月31日（金）放送の金曜ドラマ『チア☆ダン』（TBS系列）第8話。
福井西高校チアダンス部・Rocketsを作った汐里（石井杏奈）が、退部してアメリカに行くと言い出す。
わかば「穂香、そういえば、これってどういう意味なんや？」
穂香「『You'll never walk alone』のこと？ 『君はひとりぼっちじゃない。ずっと一緒に歩いていく』って意味」
わかば「へえ」
穂香「そういう歌があるんや」
Rocketsができた頃、わかば（土屋太鳳）たちが壁に大きく夢や目標を書いていた。穂香（箭内夢菜）が書いた「You'll never walk alone」という英語の意味が明かされるところから、8話がスタートした。今回は、「ひとりぼっちじゃない」がテーマだ。
穂香が説明していたとおり、「You'll never walk alone」はイギリスのサッカークラブ・リヴァプールFCのサポーターが試合の前後に歌うアンセム。もともとはミュージカル『回転木馬』で歌われている楽曲だ。リヴァプールFCのホームスタジアムにある門や、チームのエンブレムにもそのタイトルが刻まれているほど、サポーターに愛されている。
サポーター数では及ばないのだが、日本でもFC東京のホームゲームで大合唱を聴くことができる。なんなら一緒に歌うこともできる。筆者もFC東京の試合を見に行ったことがある。
わかばたちが「ひとりぼっちじゃない」というメッセージを届けたい相手は、汐里だった。汐里は、離婚して離れて暮らしている父親に会うため東京に行った。そこで、以前通っていた高校の後輩女子が男性に絡まれているのを見て助けに入る。怒った男性に腕を掴まれ、それを振り払おうとして突き飛ばすような形になってしまった。
その件が、暴行事件としてインターネットで記事になっていた。「でももしこれが本当やったら、うちら大会には出られんのでない？」と不安がる部員たち。汐里もネットで「廃部」という匿名の書き込みを見て、自分がいたら迷惑をかけてしまうと思い詰める。
汐里「私からは手を出してない。でも、それを自分じゃ証明できない。私の大切なRocketsに迷惑がかかるくらいなら、自分なんか辞めたほうがいいって思った」
転校前にいたチアダンス部では自分優先で迷惑をかけてきた汐里が、Rocketsでは迷惑をかけるから自分が身を引くという。形は違えど、どちらも猪突猛進な性格から出た間違いだ。
部員たちにそう話す汐里の後ろには、「人は変われる」とRocketsのスローガンが書いてある。それは、尖ったところを丸くするという意味ではない。間違ったときに間違ったことを認め、考え方や伝え方を変えるということだ。ドラマ『チア☆ダン』は、女の子たちの客観的な欠点を矯正しすぎず、それこそが魅力ととらえている。
汐里を演じている石井杏奈は、普段はE-girlsのパフォーマーとして活動している。小学2年生の頃にはダンスを始め、5年生でEXPG（EXILEなどの所属事務所・LDH運営のダンス＆ボーカルスクール）にスカウトされた。実力はEXILE・HIROも認めるほど。
そんなバックグラウンドもあり、俳優としてはダンス能力を活かした役柄に抜擢されることも多い。映画『ガールズ・ステップ』（2015）や『心が叫びたがってるんだ。』（2017）などがそうだ。そうした身体能力的な良さはもちろん、さらに石井の演技には声の魅力もある。
汐里が明るくはっきりとした性格なので、これまであまり複雑な感情を表現する機会がなかった。
その二面の気持ちに挟まれて話すとき、聞こえる声はいつもと変わらないのに、喉がぎゅうっと絞まって空気がやや少ない発声をする。例えるなら、泣くのを我慢しているときのような声。笑顔など見た目は普段と変わらない華やかさなのに、目をつぶって声だけを聞くと不思議と切なさが高まる。
そんな汐里の様子に気づくのは、汐里を慕って入部した茉希（山本舞香）だった。部員たちの輪から離れ、遠くから汐里を見ている茉希が4回映る。退部するという汐里の話に驚き、息を飲んで注意深く顛末を聞き届け、そして自分がすべきことを決意する。4カットのどれも1秒ほどなのに、心の動きを無言で届ける山本舞香の演技。石井との呼応。
山本は、8月31日（金）公開の話題作・映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』にも出演している。石井とともに、これからが楽しみな急成長中の俳優だ。
進路の話や大会の日程が明かされ、少しずつ終わりに近づいていくRockets。
あおい（新木優子）が話してくれたJETSの教え「welcome ピンチ＝ピンチはチャンスの最上級」という言葉で乗り切ることができるか。
（むらたえりか）
▼配信サイト▼
・Amazonプライムビデオ
・TVer
・Paravi
・TBS FREE
▼放送情報▼
金曜ドラマ『チア☆ダン』
TBS系 毎週金曜よる10時〜放送
出演：土屋太鳳、石井杏奈、佐久間由衣、山本舞香、朝比奈彩、大友花恋、箭内夢菜、志田彩良、オダギリジョー、佐生雪、溝口恵、福地桃子、堀田真由、伊原六花、足立佳奈、石崎なつみ、坂ノ上茜、守屋ことり、八木莉可子、阿川佐和子、木下ほうか、高橋和也、紺野まひる、松本若菜、本多力、森矢カンナ、木原勝利、広瀬すず、新木優子
原作：映画『チア☆ダン』製作委員会
脚本：後藤法子、徳尾浩司
プロデューサー：韓哲
協力プロデューサー：高山暢比古
演出：福田亮介、金子文紀
製作著作：TBS
公式サイト：http://www.tbs.co.jp/cheerdan_tbs/
汐里「私、チアダンス部を辞める」
8月31日（金）放送の金曜ドラマ『チア☆ダン』（TBS系列）第8話。
福井西高校チアダンス部・Rocketsを作った汐里（石井杏奈）が、退部してアメリカに行くと言い出す。
原因は、東京で起きた暴行事件だった。
イラスト／Morimori no moRi
穂香「君はひとりぼっちじゃない。ずっと一緒に歩いていく」
わかば「穂香、そういえば、これってどういう意味なんや？」
穂香「『You'll never walk alone』のこと？ 『君はひとりぼっちじゃない。ずっと一緒に歩いていく』って意味」
わかば「へえ」
穂香「そういう歌があるんや」
Rocketsができた頃、わかば（土屋太鳳）たちが壁に大きく夢や目標を書いていた。穂香（箭内夢菜）が書いた「You'll never walk alone」という英語の意味が明かされるところから、8話がスタートした。今回は、「ひとりぼっちじゃない」がテーマだ。
穂香が説明していたとおり、「You'll never walk alone」はイギリスのサッカークラブ・リヴァプールFCのサポーターが試合の前後に歌うアンセム。もともとはミュージカル『回転木馬』で歌われている楽曲だ。リヴァプールFCのホームスタジアムにある門や、チームのエンブレムにもそのタイトルが刻まれているほど、サポーターに愛されている。
サポーター数では及ばないのだが、日本でもFC東京のホームゲームで大合唱を聴くことができる。なんなら一緒に歌うこともできる。筆者もFC東京の試合を見に行ったことがある。
そこでサポーターたちが曲のメッセージを選手に届けようと歌う姿に感動し、つい一緒に歌ってしまった。
「You'll never walk alone」は、Susan Boyleのアルバム『Standing Ovation: The Greatest Songs From The Stage』に収録
わかばたちが「ひとりぼっちじゃない」というメッセージを届けたい相手は、汐里だった。汐里は、離婚して離れて暮らしている父親に会うため東京に行った。そこで、以前通っていた高校の後輩女子が男性に絡まれているのを見て助けに入る。怒った男性に腕を掴まれ、それを振り払おうとして突き飛ばすような形になってしまった。
その件が、暴行事件としてインターネットで記事になっていた。「でももしこれが本当やったら、うちら大会には出られんのでない？」と不安がる部員たち。汐里もネットで「廃部」という匿名の書き込みを見て、自分がいたら迷惑をかけてしまうと思い詰める。
汐里「私からは手を出してない。でも、それを自分じゃ証明できない。私の大切なRocketsに迷惑がかかるくらいなら、自分なんか辞めたほうがいいって思った」
転校前にいたチアダンス部では自分優先で迷惑をかけてきた汐里が、Rocketsでは迷惑をかけるから自分が身を引くという。形は違えど、どちらも猪突猛進な性格から出た間違いだ。
部員たちにそう話す汐里の後ろには、「人は変われる」とRocketsのスローガンが書いてある。それは、尖ったところを丸くするという意味ではない。間違ったときに間違ったことを認め、考え方や伝え方を変えるということだ。ドラマ『チア☆ダン』は、女の子たちの客観的な欠点を矯正しすぎず、それこそが魅力ととらえている。
石井杏奈の声と、呼応する山本舞香の一瞬の演技
石井杏奈が所属するE-girls『E-girls LIVE 2017 ?E.G.EVOLUTION?』。石井は右最上段
汐里を演じている石井杏奈は、普段はE-girlsのパフォーマーとして活動している。小学2年生の頃にはダンスを始め、5年生でEXPG（EXILEなどの所属事務所・LDH運営のダンス＆ボーカルスクール）にスカウトされた。実力はEXILE・HIROも認めるほど。
そんなバックグラウンドもあり、俳優としてはダンス能力を活かした役柄に抜擢されることも多い。映画『ガールズ・ステップ』（2015）や『心が叫びたがってるんだ。』（2017）などがそうだ。そうした身体能力的な良さはもちろん、さらに石井の演技には声の魅力もある。
汐里が明るくはっきりとした性格なので、これまであまり複雑な感情を表現する機会がなかった。
でも、今回は「Rocketsを続けたい気持ち」を「辞めなければならないという思い」で隠した。
その二面の気持ちに挟まれて話すとき、聞こえる声はいつもと変わらないのに、喉がぎゅうっと絞まって空気がやや少ない発声をする。例えるなら、泣くのを我慢しているときのような声。笑顔など見た目は普段と変わらない華やかさなのに、目をつぶって声だけを聞くと不思議と切なさが高まる。
そんな汐里の様子に気づくのは、汐里を慕って入部した茉希（山本舞香）だった。部員たちの輪から離れ、遠くから汐里を見ている茉希が4回映る。退部するという汐里の話に驚き、息を飲んで注意深く顛末を聞き届け、そして自分がすべきことを決意する。4カットのどれも1秒ほどなのに、心の動きを無言で届ける山本舞香の演技。石井との呼応。
山本は、8月31日（金）公開の話題作・映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』にも出演している。石井とともに、これからが楽しみな急成長中の俳優だ。
進路の話や大会の日程が明かされ、少しずつ終わりに近づいていくRockets。
わかばが怪我をし、最大のピンチが訪れる9話は今夜10時放送予定。
あおい（新木優子）が話してくれたJETSの教え「welcome ピンチ＝ピンチはチャンスの最上級」という言葉で乗り切ることができるか。
（むらたえりか）
▼配信サイト▼
・Amazonプライムビデオ
・TVer
・Paravi
・TBS FREE
▼放送情報▼
金曜ドラマ『チア☆ダン』
TBS系 毎週金曜よる10時〜放送
出演：土屋太鳳、石井杏奈、佐久間由衣、山本舞香、朝比奈彩、大友花恋、箭内夢菜、志田彩良、オダギリジョー、佐生雪、溝口恵、福地桃子、堀田真由、伊原六花、足立佳奈、石崎なつみ、坂ノ上茜、守屋ことり、八木莉可子、阿川佐和子、木下ほうか、高橋和也、紺野まひる、松本若菜、本多力、森矢カンナ、木原勝利、広瀬すず、新木優子
原作：映画『チア☆ダン』製作委員会
脚本：後藤法子、徳尾浩司
プロデューサー：韓哲
協力プロデューサー：高山暢比古
演出：福田亮介、金子文紀
製作著作：TBS
公式サイト：http://www.tbs.co.jp/cheerdan_tbs/
編集部おすすめ
