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「いだてん」さらば嘉納治五郎。田畑に託したストップウォッチに込められたメッセージ37話

「嘉納さん、返上してください」「だめだ、こんな国でオリンピックやっちゃオリンピックに失礼です」「いまの日本はあなたが世界に見せたい日本ですか!?」

先週9月29日放送の大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺〜」第37話で、田畑政治(阿部サダヲ)が土下座をして訴え出た。相手は、エジプト・カイロでのIOC総会に向かおうとしていた嘉納治五郎(役所広司)だ。1940年の東京オリンピックは、大会組織委員の足並みがそろわず準備がなかなか進まないところへ日中戦争が勃発し、開催が危ぶまれていた。
「いだてん」さらば嘉納治五郎。田畑に託したストップウォッチに込められたメッセージ37話
イラスト/まつもとりえこ

田畑は嘉納にオリンピック返上を求めるが…


当初、すぐに収束すると見られた日中の衝突は、1ヵ月が経っても収まる気配を見せなかった。嘉納とともにIOC委員を務める副島道正(塚本晋也)は独断で首相の近衛文麿と面会して補助金の追加を求め、これが認められなければオリンピック返上もやむをえないと口にする。国会でも、戦争をしている国で平和の祭典を行なう矛盾を突いて、田畑のかつての同僚で衆院議員の河野一郎(桐谷健太)がオリンピック反対を主張していた。嘉納から聖火リレーの役を託された金栗四三(中村勘九郎)もまた、自身の全盛期だった1916年のベルリンオリンピックが第一次世界大戦のため中止となり涙を飲んだ経験から、はしごを外されて目標を失った選手の気持ちを田畑相手に切々と訴える。

そうした周囲の人々の言動を受けて田畑は悩んだあげく、オリンピックの返上を進言したのだ。それができるのは、誰よりもスポーツ精神の大切さを知り、世に説き続けてきた嘉納治五郎しかいないと思ってのことだった。冒頭にあげたセリフはこのときの田畑のセリフだが、それは2020年の東京オリンピックまで1年を切ったいまの日本に問いかけているようでもある。この時期にこんなセリフを主人公に言わせてしまう、「いだてん」はやはりすごいドラマだ。

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いだてん

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