国内に限らず海外でも絶大な人気を集めているVTuberグループ「ホロライブ」。その大躍進の大きな原動力となったのが、2019年の7月と8月にデビューした「ホロライブ3期生」(兎田ぺこら、潤羽るしあ、不知火フレア、白銀ノエル、宝鐘マリン)だ。
11月25日(木)、多くのファンが待ち焦がれていた3期生初のライブイベント『HOLOLIVE FANTASY 1st LIVE FAN FUN ISLAND』が東京・TOKYO DOME CITY HALLで開催される。
大きな注目を集めるビッグイベントの開催を前に、エキレビでは、3期生の中でも「お姉さん組」と呼ばれる不知火フレア、白銀ノエル、宝鐘マリンの3人にロングインタビュー。この前編では、イベントの開催が決定するまでの思いなどを語ってもらった。
3期生イベントは、本当に最初からやりたかった
――3期生でイベントを開催するのは以前からの夢だったそうですが、どのぐらい前からの夢だったのですか?フレア すっごい前だったよね?
マリン あれは、デビューした年の冬だったはず。
ノエル 2019年の10月とか11月とか、そのあたりですね。
マリン だよね。3期生がデビューしたのは7月と8月だったんですけど、その年の年末には、もう「やりたい!」ってみんなで言ってた気がする。
フレア 最初に話したのは、たぶんスタジオに集まって、みんなでパーティーゲームをしたときだから、本当に最初から言ってたんだよね。
――2019年10月14日の3期生初めてのオフコラボ配信のときですね(現在、アーカイブは非公開)。最初に「やりたい」と言い出したのは、誰だったのですか?
マリン 誰が言い出したんだっけ?
ノエル 私たちがデビューしてすぐに、「FAMS」(白上フブキ、百鬼あやめ、大神ミオ、大空スバルによるユニット」)のイベント(2019年9月15日に開催の『FAMS FAN MEETING -俺達の夏休み延長戦-』)があったんです。それで、みんなが集まったときに、誰からということもなく、「ああいうイベントができるんだね。私たちもやりたくない?」って感じで話題になったんだったと思います。
――具体的に「私たちは、こんなことをしたい」といった話もあったのですか? それとも、ふわっと「イベントがしたいね」くらいの話だったのでしょうか?
マリン 歌だけのライブというよりは、イベント風なのもいいよねとは、その頃から言ってた気がする。
フレア うん。そのあと「イベントをやりたいです」って話を運営さんにしたとき、そこそこ具体的な内容がないと実現は難しいって言われたんです。
マリン そうだった、そうだった! それで、チラシみたいなものの裏に、いっぱい書いたよね。
ノエル 書いた、書いた!
フレア どれくらいの規模で、どういうライブがしたいかとか、すごく細かく話し合って出したんです。
マリン あの頃は、まだ(運営会社カバーの中に)リアルライブを制作する部署とかもなくて、ライブ開催に必要なものとかもわかってなかったから適当なチラシの裏に書いて、それを出したんです。懐かしいなあ。
ノエル みんながいろいろと話しているのを、マリンが書いてまとめてくれたのを覚えてる。
3期生は安心してなんでもできるメンバー
――夢だった3期生イベントの開催が約2年越しで決定するまでの経緯を教えてください。マリン 2年間ずっと、できたらいいなという気持ちは頭のどこかにあって。やりたい気持ちを運営さんにアピールし続けていたんです。けっこうしつこいくらいに(笑)。それで運営さんから改めて、「本当にやる覚悟はありますか?」みたいな確認があって。全員がやりたいって気持ちだったから、「じゃあ、やりましょう」ということになりました。
フレア ダメ押しの意志確認も2回ぐらいあったね。
――「イベントの準備で、さらに忙しくなるけど大丈夫ですか?」という確認があったわけですね。そのときも5人で相談して、意思確認などをしたのですか?
マリン 相談はしていないですが、ずっと、みんなやりたかったので。
フレア うん。特にみんなで確認とかはしてないです。
ノエル みんなやりたいって、気持ちがあふれていました。
――3期生イベントの開催は、9月20日の5人での配信「重大告知をするのは私です!!【 #ホロライブ3期生 】」で発表されました。5人でのオフコラボで非常に盛り上がっていましたが、あの配信の感想を教えてください。
マリン (テキストの)チャットでは、よくやり取りをしているんですけど、オフラインで5人揃うことは、最近だと本当に珍しくなったので、すごくはしゃいじゃいました。
フレア これが3期生だなって気がしました(笑)。
マリン 運営さんにもらった企画の内容を見たときは、「こんな地獄企画、嫌だ。やりたくない」って思いました(笑)。
フレア うん。「いやだ、怖い」って思った(笑)。
――重大告知を発表する権利を賭けて、5人で競い合うという配信でしたね。
マリン すごい嫌だったはずなんだけど、3期生みんなのリアクションがあると平気だったんですよ。
ノエル それ、すごくわかる。
フレア 怖かったのに、楽しくできました。
マリン スベりそうなときでも、みんながスベらせないでくれるというか。スルーしたりせず、笑ってくれたり、突っ込んでくれたりして、滑り止めになってくれる。安心してなんでもできるメンバーなんです。
ノエル たしかに、安心感がありました。
――久々のオフコラボでも、そういった関係性は変わってなかったのですね。
ノエル 最近も、例えば、マリンの記念ライブ(2021年7月3日配信の【#宝鐘マリン100万人記念ライブ / 3DLIVE】Connected Fantasia【ホロライブ】)で5人が集まったりしたことはあったのですが、始まる前には「本番、どんな感じになるのかな?」って緊張はあったんです。でも、始まったら、すごく楽しくて、あっと言う間の1時間でした。
――発表後のファンの反応で印象に残っていることはありますか?
フレア みんなすごく喜んでくれて、お祭り状態だったよね。
ノエル うん。内容は内緒だけど、何かの重大告知をするという枠だったから、みんな気になってソワソワしていて。その告知がライブだったから、なおさらすごく喜んでくれてましたね。
マリン ただ、最近、ホロライブの中でライブが続いてたりしたから、「ライブなんじゃない?」って予想をしていて、当たってる人もけっこういましたね。私たちも、少し匂わせてたりしたので。
物語という案を出してくれたのは、フレア
――今回のライブイベントは、シンプルな音楽ライブではなく、物語的な要素もある内容になっていると伺いました。音楽だけのライブではないというイメージは、最初に5人で話したときから変わらないままだったのですね。ノエル 最初に話したときは、まだホロライブの1stライブ(2020年1月24日開催の「hololive 1st fes.『ノンストップ・ストーリー』」)も開催されていない頃で。さっきお話ししたFAMSのイベントが、音楽ライブというよりもファンの皆さんとワイワイ楽しむみたいな感じだったから、その影響も受けていたと思います。3期生もすごくわちゃわちゃしているから、「ああいうイベントっていいな」みたいな。
フレア あと、私たち3期生って「ホロライブファンタジー」というグループの名前みたいなものがあるんですよ。だから、それを生かした物語要素も欲しいよねって話になって、そこから広がっていきました。
――デビューから2年以上経ったこのタイミングで「ホロライブファンタジー」という言葉の意味が生きてきたわけですね。
フレア みんな、忘れてたと思うんですけどね(笑)。
――最近、ファンになった人は知らないかもしれないけれど、「私たちは、ホロライブファンタジーなんだぞ」と。
ノエル&マリン あはは。
フレア 大事なことですから(笑)。
ノエル 具体的に物語という案を出してくれたのは、フレアだった気がします。
マリン そうだったね。
ノエル フレアは、いろいろなライブを観ていて詳しいから、いっぱいアイデアを出してくれました。
フレア 物語要素を入れるといっても、あまりミュージカルっぽくし過ぎると、3期生らしくない気がするし。歌うとしても、私たちにはどういうジャンルの歌が合うのか考えたり、いろいろとこだわりました。
――フレアさんから「物語性のあるライブ」というアイデアが出てきたとき、ノエルさんとマリンさんは、どんな感想を持ちましたか?
マリン 私には、その発想はなかったので、「いいじゃん!」みたいな感じでした。
ノエル 団長は、ライブのこととか全然知識がなかったので、「フレア、いてくれて、ありがとう」って思いました。
マリン フレアは、演出面だけじゃなくて、グッズとかも含めて全体的にすごく具体的なアイデアをいっぱい出してくれたんです。5人の中で、いちばん出してくれたんじゃないかな。
みんな甘えちゃう相手が同期なんです
――ちなみに、5人で何かを考えたり決めたりするときに、役割のようなものが何となく決まっていたりはするのでしょうか?フレア 引っぱってくれるのは、ずっとマリンだよね。
ノエル うんうん。マリンが引っぱってくれてる。
マリン たしかに「何かをしよう!」って言い出すのは、私が多いけど、中身をつめていくときは、ぺこらやフレアもどんどん意見を出してくれます。ノエルとるしあは、それを聞いて「うんうん。うんうん」って。
ノエル そういうところはあるなあ。
フレア でも、ノエル、最初は「うんうん。うんうん」って感じだったけど、今は、いっぱい意見も言ってくれるようになったよね。
ノエル うんうん。うんうん。
マリン あはは。
フレア あ、嘘でした。変わってないかもしれません(笑)。
ノエル あれ(笑)。団長は、昔から自分の意見を言うのが苦手ではあるんですけど、今は環境が恵まれてるというか。みんなの意見が良すぎて、特に私が言うことはないなと思いながら、「うんうん」って言ってる感じだったんです。ただ、今、フレアに言われて、今回のイベントに関して運営さんも一緒に話し合ってるときに「こういうのはどうですか?」って言ったりしたことを思い出しました。
――フレアさんのお話は、嘘ではなかったのですね。
ノエル いつも、周りのみんながいっぱい良い意見を言ってるから、それを聞いているうちに経験値が増えて、自分でも気づけることが増えたのかなって思います。
――マリンさんは、3期生として5人で一緒に活動することが決まったときから、みんなを引っぱっていくというか、「一緒に頑張ろう」といったことを意識していたのですか?
マリン べつに私がリーダーシップを取っていこうとか、みんなで一緒に頑張ろうとか思っていたわけではなくて。単に私がすごいさみしがり屋で、何かをするときは誰かと一緒にしたいタイプだから、いつも3期のみんなに「これやろうよ!」みたいな感じで声をかけていただけなんです。やっぱり、同期がいちばん話しやすいので。
――では、さみしがり屋のマリンさんの誘いに他の皆さんが応えることで、同期の絆もさらに強まり、「仲良しな3期生」というイメージも強くなっていったということでしょうか。
マリン 3期生って、みんな大人なんですよ。和を大事にするタイプばかりなんです。だから、私がどうこうしたからとかではないと思います。
フレア マリンはそう言ってますが、大人だからとかではなくて。本当のところ、みんなマリンと同じ気持ちなんだと思います。同じようにさみしいし、同じように甘えちゃう相手が同期なんです。だから、マリンに合わせてとかではなく、自分もみんなと一緒にやりたいなと思ってるだけ。相談しなくても、みんなが自然とそういう空気が出ているところはあるかもしれません。
――マリンさんが誘ってくれたら、「じつは私も一緒にやりたかったんだ。誘ってもらえてラッキー」みたいな感覚で一緒にやってきたわけですね。
フレア そうです、そうです。
マリン あはは。
ノエル いつも、ありがたいなって思ってます。
フレア 私たちも、いつも一緒にやりたいと思っているんだけど、「でも何をやろう?」ってなっちゃう。そこの内容を詰めて、いつも引っぱってくれるのがマリンなんです。
(丸本大輔)
※インタビューの続きはこちら
イベント情報
『HOLOLIVE FANTASY 1st LIVE FAN FUN ISLAND』2021年11月25日(木)東京・TOKYO DOME CITY HALL
現地開場 17:00 / 配信開場 17:30 / 開演 18:00
出演:ホロライブ3期生 (兎田ぺこら、潤羽るしあ、不知火フレア、白銀ノエル、宝鐘マリン)
公式サイト:https://fanfunisland.hololivepro.com/
配信チケットプラットフォーム
SPWN : https://virtual.spwn.jp/events/21112501-jpfantasyニコニコ公式有料生放送 : https://live.nicovideo.jp/watch/lv333613503
ライブグッズ情報
販売期間(ライブ後届け商品):2021年11月18日(木)21:00〜12月2日(木)23:59販売サイト: https://items-store.jp/hololive-fantasy-1st-live
コラボカフェ情報
【開催場所】E-DINER(東京都豊島区東池袋3丁目1-1 サンシャインシティ専門店街アルパB1)
【開催期間】
前半:2021年11月18日(木)〜2021年12月5日(日)
後半:2021年12月9日(木)〜2021年12月26日(日)
特設サイト:https://www.edith.co.jp/lp/hololive-cafe/
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丸本大輔
フリーライター&編集者。瀬戸内海の因島出身、現在は東京在住。専門ジャンルは、アニメ、漫画などで、インタビューを中心に活動。「たまゆら」「終末のイゼッタ」「銀河英雄伝説DNT」ではオフィシャルライターを担当した。にじさんじ、ホロライブを中心にVTuber(バーチャルYouTuber)の取材実績も多数。
@maru_working