比較的若い人たちが離婚に踏み出す“若年離婚”は、今の時代、決して珍しくない。厚生労働省の「人口動態統計」によると、2024年に別居して同年に離婚届を出した夫婦は13万5264組だった。
これを男女別・年齢別に見ると、「30~34歳」の層が、男性(1万9455人)・女性(2万1967人)ともに最多だった。

 4月10日に発売されたコミックエッセイ『離婚するなら、今日かもしれない』(KADOKAWA刊)は、さまざまな若年離婚の形を描いたセミノンフィクション作品となっている。モラハラ気味の男性と結婚した花、友達のような夫婦関係を築いている真弓、「妊活」のプレッシャーを感じているバリキャリ系の亜里沙の3人の視点から、いろいろな夫婦の在り方を示す。

女性の離婚を描いた漫画で、夫たちに“名前がない”理由。『離婚...の画像はこちら >>
 夫婦関係、さらには離婚に至るまでの経緯の多様さを表現した作者・ゆりゆさんに、本作制作の経緯など、話を聞いた。

女性の離婚を描いた漫画で、夫たちに“名前がない”理由。『離婚するなら、今日かもしれない』作者が語る<漫画>
離婚するなら、今日かもしれない


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離婚するなら、今日かもしれない

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離婚するなら、今日かもしれない

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離婚するなら、今日かもしれない


女性の離婚を描いた漫画で、夫たちに“名前がない”理由。『離婚するなら、今日かもしれない』作者が語る<漫画>
離婚するなら、今日かもしれない

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離婚するなら、今日かもしれない

女性の離婚を描いた漫画で、夫たちに“名前がない”理由。『離婚するなら、今日かもしれない』作者が語る<漫画>
『離婚するなら、今日かもしれない』©ゆりゆ/KADOKAWA


『離婚するなら、今日かもしれない』タイトルに込めた思い

 本作はKADOKAWAが手掛けるコミックエッセイシリーズ「シリーズ立ち行かないわたしたち」からリリースされている。ゆりゆさんは同シリーズで新人賞を獲得したことを受け、担当編集者から「若年離婚をテーマに作品を描きませんか?」とオファーされたことが、本作を制作するきっかけになったという。ただ、制作には不安もあったようだ。

「『シリーズ立ち行かないわたしたち』の作品は重いテーマを扱うことが多いです。普段私が描く漫画は比較的明るいテイストで、ギャグも多いので、『私で大丈夫かな』という気持ちはありました」

 また、『離婚するなら、今日かもしれない』という、目を引くタイトルになった経緯を振り返る。

「離婚って『この関係をこのまま続けるわけにはいかないよね』という思いを抱きながらも、何年もズルズルと何もできずにいるケースが多いと思います。離婚に踏み出せずに悩んでいる人たちが、『その決断をするのは今日かもしれないのでは?』とハッとするようなものになればと思い、このタイトルになりました」

なぜ“夫に名前がない”のか。作者が明かした理由

 主人公が1人でも2人でもなく3人登場する理由について、ゆりゆさんは「コミックエッセイは“共感”がとても大事だと思っています」と答える。

「主人公が3人いれば、その誰かには共感できると思います。
仮に自分自身と重ねられなくても、近しい性格・境遇の人が身近にいるはずです。読者に登場人物を身近に感じてもらえるよう、3人登場させました。

 また、友達同士にすることで3人が抱えている悩みもわかりやすくなりますし、なにより『誰もが表面的には幸せそうに見えているけれど、裏では葛藤や悩みを抱えているのかも?』ということが伝われば、と考えたことも影響しています」

 登場人物で言えば、各主人公の夫も登場するが、いずれも名前がない。名前を設けず“○○の夫”とした狙いは何なのか。

「『登場人物全員の名前を覚えられないのでは?』と危惧しました。あとは、女性が主役の作品で、本作における夫はあくまで“夫”という存在です。名前があると物語のノイズにもなりそうだったため、名前は付けませんでした」

3人のうち、離婚したのは誰なのか

 普段ゆりゆさんが描く漫画は比較的明るいテイストということだが、離婚がテーマの本作を制作するうえで注意したことはあったのだろうか。

SNSに投稿されている漫画やウェブトゥーン(※)のような『派手な展開で魅せる』というよりは、コミックエッセイは淡々と静かに進んでいく展開が特徴的です。こういった雰囲気の作品は初挑戦だったため、難しさはありましたが、担当編集者さんからアドバイスをもらいながら、リアリティを出せるように注意しました」(※主にスマートフォンでの閲覧に特化した、フルカラーの縦スクロール漫画)

 また、本作で重視した部分として「誰が離婚したのか?」ということを挙げる。

女性の離婚を描いた漫画で、夫たちに“名前がない”理由。『離婚するなら、今日かもしれない』作者が語る<漫画>
離婚するなら、今日かもしれない
「プロローグで主人公の3人が喋っている際、『私 離婚することにしたんだ』というセリフが出てくるのですが、誰がその言葉を発したのかわからないようになっています。私はどんでん返しのある作品が好きで、読者に“謎”を抱かせたまま物語が進行していく内容にしました」

 離婚というセンシティブな題材を扱いながらも、決して極端な悲劇としてではなく、“誰にでも起こり得る現実”として描いた本作。3人それぞれの葛藤を通して、自分自身の人生やパートナーとの関係を見つめ直すきっかけになる一冊と言えるだろう。


<取材・文/望月悠木 漫画/ゆりゆ>

【望月悠木】
フリーライター。社会問題やエンタメ、グルメなど幅広い記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。X(旧Twitter):@mochizukiyuuki
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