終了する上田晋也『サタデージャーナル』の後番組MCに「安倍政権元厚労相の娘」起用…TBSも政権に屈服か

終了する上田晋也『サタデージャーナル』の後番組MCに「安倍政権元厚労相の娘」起用…TBSも政権に屈服か
『まるっと!サタデー』は自民党議員の娘がMCに!(番組HPより)

 昨日、上田晋也(くりぃむしちゅー)がMCを務める土曜早朝の報道番組『上田晋也のサタデージャーナル』(TBS)が6月で終了するというニュースをお伝えし、本サイトにも大きな反響が寄せられた。政権批判に踏み込んできた数少ない番組が終了するということもあり、突然の終了は首をひねりたくなるものだったが、新たにとんでもない事実が判明した。

『サタデージャーナル』の後番組としてスタートするのは、『まるっと!サタデー』。そして、この番組のMCを務めるのは、先日『NEWS23』(現『news23』)を卒業した駒田健吾アナウンサーと、初のMCに抜擢された入社2年目の田村真子アナウンサーだ。

 だが、じつはこの田村アナ、自民党のベテラン議員・田村憲久衆院議員の娘だというのだ。

 田村アナをめぐっては、2017年4月に「週刊新潮」(新潮社)が「「中山美穂」そっくり「田村前厚労相」美人愛娘が女子アナになる」というタイトルでTBSから内々定を受けていると伝えたが、実際に翌2018年4月にTBSに入社。昨年12月に放送された年末特番『爆笑!さんまのご長寿グランプリ2018』では「(父が)以前、厚生労働大臣をやらせていただいて」「それにプレッシャーを感じてしまったり」と語り、父が田村元厚労相であることを明かしている。

 一方、田村アナの父である田村憲久議員は現在、石破派の水月会に所属するが、安倍首相は第一次安倍政権では総務副大臣、第二次安倍政権では厚労大臣に抜擢。厚労相だった2014年にASKAの薬物問題で持ち上がった人材派遣大手パソナの接待施設「仁風林」に出入りしていたことが発覚するなどで続投とはならなかったが、その後の組閣でも入閣候補者として名前が取り沙汰されてきた。

 しかも、田村議員はあの「アベノミクス」の名付け親でもある。

 民主党政権時代の2011年、超党派による「増税によらない復興財源を求める会」が発足したが、このとき安倍を会長に担いだひとりが田村議員だったという。そして、総理に返り咲いた安倍に、田村議員はレーガノミクスをもじったあの言葉を伝えたという。たとえば、2014年11月21日付けのブログで田村議員は、〈アベノミクスというワードは2年前に解散後、一番最初に田村が安倍さんに「いよいよアベノミクスですね。」と伝えた言葉だ。(少なくとも安倍総理はそう認知している)〉と記述している。

 こうした関係からか、田村議員は石破派に所属しながらも、総裁任期の延長が決まった2017年3月5日には、やはりブログで〈歴代最高の仕事人総理の安倍さん〉〈総裁任期は3期9年に延長されましたが、強く頼りがいのあるリーダーが世界的に求められる時代にこれは趨勢でしょう〉と絶賛している。

 そんな田村元厚労相の娘が、果敢に政権批判をおこなってきた『サタデージャーナル』のあとにはじまる新番組でMCを務める──。

 これをみると、忖度なしのMCとして存在感を放ってきた上田晋也と番組を潰して、政権批判色を一掃。新番組で自民ベテラン議員、しかも安倍政権での大臣経験者の身内を登用することで安倍自民党に媚を売ろうとしているとしかか思えない。

●テレ朝に続きTBSでも薄まる政権批判色…小川彩佳の『news23』でも

 もっとも、TBS関係者に取材すると、局内ではそういう話にはなっていないようだ。

「今回の番組改変について、局内で言われているのは、経費削減です。上田さんはじめコメンテーターも芸能人を起用したりで時間帯のわりに金がかかっていた。自前のアナウンサーを使えばタダですから。田村アナについても、すでにストレートニュースなどを読ませてますから、そこまで深い意図はない。ただ、新番組の『まるっと!サタデー』は、フジの『めざましテレビ』みたいに芸能やスポーツなどを増やすとも言われているので、結果的に、上田さんの『サタデージャーナル』のような踏み込んだ政権批判はほとんどなくなるかもしれませんが……」(TBS関係者)

 苦境のテレビ業界で「経費削減」と言われるともっともらしいが、しかし、TBSはこのところ、全体的に政権チェックの姿勢がどんどん弱くなっているとの指摘もある。たとえば、今月からはテレビ朝日『報道ステーション』でサブキャスターを務めていた小川彩佳アナウンサーがその舞台をTBSに移し、『news23』のメインキャスターとして登場。期待感が高まっていたが、蓋を開けてみると、初日から杉田水脈議員によるヘイトスピーチとそれに抗議する当事者やカウンターの声を同列に扱って問題の本質を矮小化したり、論文に重大な誤りが見つかった早野龍五氏とともに福島第一原発事故の「安全」神話を振りまいてきた糸井重里氏をゲストに迎えるなど、目も当てられない特集を連発。年金問題などでも報道し始めたのは他局よりも遅く、徹底追及の姿勢は見えない。

 テレビ朝日が早河洋会長と安倍首相の癒着で、政権批判報道をどんどん潰しているのは、本サイトでも何度も取り上げているが、TBSも同じようなことが起きているのではないのか。

●唯一の期待は駒田健吾アナ 辺野古土砂投入のときは魂のレポート

 そう考えると、新番組の『まるっと!サタデー』がどうなるのか、不安にならざるをえないが、唯一の期待は、MCの駒田アナの存在だろう。駒田アナといえば、『NEWS23』では、2017年の総選挙を前に安倍首相が出演した際にモリカケ問題について勝手な言い分を喋りまくる安倍首相に食い下がるなど、ジャーナリストとして気骨ある面を垣間見せてきた。

 なかでも、駒田アナは昨年12月、辺野古に土砂が投入されたときに現地を取材。声を詰まらせながら、「本土の人は無関心だし、みなさん辺野古が唯一の選択肢だということにもう頭から信じ込んでいるんですよね。これは、本土の人もですね、ここはひとつ考え方を変えてですね、ぜひ沖縄の方になんとか寄りそっていただきたいときょうは思いました」と訴えた。

 安倍政権の強大な権力に圧殺されようとしている沖縄の声を、しっかりと伝えた駒田アナ。そのジャーナリズム精神を、ぜひ新番組でも見せほしい。そうでなければ、忌憚なく政権に斬り込んだ上田と『サタデージャーナル』スタッフが浮かばれないだけではなく、なによりも視聴者に対する裏切りとなるだろう。
(編集部)

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