「脚本は間違いなく面白いので、自分が演じることでつまらなくなってしまう恐怖はあります。だから少しでも、たとえばオチの前は割とテンポをゆっくり、溜めて溜めて最後スパッと言う、みたいな。より笑えるようになる工夫をどんどんこのシリーズでやれるように意識していますね。まだ結果は出てないかもしれないですけど」
まるでお笑い芸人のように、“笑いを取るテクニック”を語る石橋。番組では“彦美”という強烈なキャラクターのアニメ化が実現するなど、コメディエンヌとして存在感を見せる彼女だが、悩みはつきないようだ。
「笑いって本当に難しい……。自分はこういうふうにやったら面白いと思っても、それが伝わらなかったり、人によって笑いどころが全然違ったりするじゃないですか。でもいろんなジャンルのコントがあるのが『LIFE!』の魅力だと思うので、何か自分に振られたときにどう動くか。その魅力が自分自身で把握できていないと視聴者にもうまく伝えられない気がして」
そんな風に悩みを語る石橋だが、家族は素の彼女のことを「“彦美”そっくり」と、言っており、最近では、「普通のお芝居のときのほうが『違和感があって気持ち悪い』」と、言っているのだそう。石橋自身も、他のお笑い番組を見ていると、「無意識に違う視点から見ちゃってる自分」がいるそうで、お笑いもできる女優として、今後ますます存在感を高めていくことになりそうだ。
◆『クイック・ジャパン』vol.128(2016年10月24日発売/太田出版)