愛こそ希望! 映画はそう叫んでいる気がした。
 舞台は1950年代、戒厳令下の台湾。
反政府分子として処刑された兄の遺体を受け取りに、少女・阿月は一人、台北へ向かった。台北の町で一人の青年と出会い、助けられながら、台湾という国の今を知っていく阿月。そこは、学ぶこと、思いを伝えること、幸せになること、そんな単純で当たり前の人の営みが禁じられた国。
 生まれた時代が悪かったと、諦めて生きる方法もあった。しかし圧政を受け入れられず反旗を掲げた者たちは捕らえられ、命をも軽んじられた。夢も希望も見いだせない暗い時代。映画はその暗闇に「愛」という希望を描いてみせた。
 愛はこらえる力じゃない。愛は世界を変える力だ。阿月の原動力の根源には常に愛があった。愛で動き、愛で広がり、愛で変化していく世界をご覧あれ。(桜坂劇場・下地久美子)
◇桜坂劇場で上映中
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