職場の人間関係を円滑にするにはどうすればいいか。コミュニケーション術に詳しいコンサルタントの岡本康平さんは「相手の真意を見抜くことが重要だ。
腕組みや視線の動きといった『しぐさ』から相手の本音を読み取ると、コミュニケーションがとりやすくなる」という――。
※本稿は、岡本康平『100%好かれる 人たらしの習慣』(総合法令出版)の一部を再編集したものです。
■「腕組み」に隠されている深層心理
会議や打ち合わせのとき、相手の真意を測りかねることがよくあります。「部長はこのプロジェクトに乗り気なのか?」「昨日の接待では相手を褒めていたけれど、新規案件をこのまま相手にお願いしてもよいのかしら?」。
回答を迫ってもあいまいな返事しか返ってこないと、こちらはやきもきするばかりです。
そういうときには、相手をじっくり観察してみましょう。その人の深層心理が外面に表れることはよくあることです。
心理学的には、腕組みは、警戒心の強さの表れです。また、何かを熟考するときも、人は腕を組む傾向があります。こういうときは、これまでの情報を自分の内面に落とし込んで、もう一度精査していると考えてよいでしょう。
それ以外の要因を取り込みたくないので、腕を組んで邪魔が入らないように自己防衛しているのです。
■ウソをつくときに見るのは、右上か左上か
人の瞳孔はショックを受けると大きく開くので、そういう場合は興味・関心が強くなっていると考えられます。
ただ、肯定的とは限らないので注意が必要です。
また、何かを企んでいるときは左下を見るのは、左脳が計算をつかさどるからです。
ウソをつくときに右上を見るのは、右脳が想像をつかさどるからだと言われています。ウソをついたあとの「未来」を考えるからです。
このように人それぞれと思っていたしぐさにも、共通するパターンがあるのです。
・POINT

外見やしぐさから、固い印象を受ければ、相手は緊張や否定のイメージを内面で抱いています。また柔らかい印象を受ければ、共感や肯定していると考えてよいでしょう。その精度は必ずしも100パーセントとはいかないのですが、一般的な考えの傾向を示しているといえます。
■高圧的な人ほど、実は自信がない
高圧的な態度で意見を押しつけてきたり、その場を思いどおりにしようと威圧したり。そうした態度や物言いで、人に恐怖を与える人はいませんか?
そのような威圧的な人は、一見怖そうに見えますが、内心は自分に自信がない人がほとんど。自信がないからこそ、自分を必要以上に強く見せ、内面の弱さに気づかれないようにしたいのです。
そういう人は周囲から指摘されたり、反論されることを非常に恐れています。
「それは違うと思います」などと否定しようものなら、噛みつかれる可能性が高いです。
コロンビア大学のアンディ・ヤップによると威圧的な人間は、弱い立場の人間に向かって自信がなくても、自信があるふりをして、より威圧的に振る舞うことがわかっています。
■「相手が恐れる人の名前」を利用する
ここは、一旦相手の言うことを受け入れるのが得策。「おっしゃることはよくわかりました。こうしたらさらによくなると思いますが、いかがでしょうか?」などと、あくまで提案をする言い方をしましょう。
また、威圧的な人は自分より明らかに上の立場の人(権力のある人)を恐れて従う傾向があります。ですので、会話の中で相手が恐れる人の名前を出すと、態度を180度変えることが多く、効果的です。
一番大事なのは、こちらが相手の言動に委縮しすぎないこと。ビクビクしていると余計に相手は圧力をかけてきます。相手は内心自信がないのですから、極端に恐れる必要はありません。平然と対処しましょう。
・POINT

威圧的な人には真っ向から反論せず、一旦相手の言うことを肯定してから意見を述べることが大切。
また、その人が恐れている人・尊敬している人とつながりを作っておくといいでしょう。もし社長を恐れているなら、「実は社長が言ってたんですけど」と名前を出すと、急に態度を軟化させて聞く耳を持ってくれます。
■かまってちゃんには「かまって返し」が効く
「自分を見て見て!」「自分の想いを聞いて聞いて!」とアピールしてくる、かまってちゃん。意外と多いのではないでしょうか。
SNSでは特に、自分のリア充ぶりを披露して、“いいね!”を求める人は、ごまんといます。SNSでアピールする程度なら、こちらがスルーすればいいのですから、まだかわいいもの。
一番やっかいなのは、職場やプライベートで身近に潜んでいる場合。しょっちゅう自分のところに来ては「かまってオーラ」「かまって言葉」で寄ってきます。これにいちいち対応していたのでは、キリがありません。
■頼み事をして相手をうまく動かす
そこで撃退策として、相手の話を「掘り下げない」という手を使います。
「聞いてくださいよ~。ホント困ってて」と言われても掘り下げずに、「そっちも大変そうだね。
こっちも今バタバタでさ……お互い大変だよね。頑張ろうね」と終わらせます。
もしくは、「実は私も今困ってて。助けてほしいことがあるんだけど、手伝ってくれない?」と、あえて頼み事をします。
さみしがり屋で愛され願望の強いかまってちゃんは、本当に手伝ってくるかもしれませんし、ただ聞いてほしいだけなら、サ~ッと引いていくでしょう。
・POINT

何かと「聞いて聞いて!」とすり寄ってくる、かまってちゃん。いちいち反応しているとキリがないため、「大変だね。すごすぎて何も言えないなぁ」とあしらうか、「実は私も大変なのよ。助けてくれない?」と、「かまってちゃん返し」をします。すると、めんどうなことに巻き込まれると感じ、引いていきます。
■「感情の起伏が激しい人」の対処法
急に怒り出したり、泣き出したり、感情の起伏の激しい人が身近にいるとこちらも精神的に参ってしまいますよね。
ここは一線を引いて、決して相手のドラマに巻き込まれないよう対処することです。
ある程度、感情が収まるまで見守ることも大切でしょうし、本人が話をしてきたら、反論はせず、ただただ聞く側に回ったほうがいいでしょう。
「何が言いたいの?」「感情的になったところで、何の解決にもなりませんよ」などと、冷静に解決策を述べるのもよくありません。余計に感情的になって、突っかかってきます。
イギリスにあるサリー大学のベルナルド・ゲッシュは感情的になる人は、心身両面で満たされていないことが原因だと突き止めました。そういう人をなだめるには冷静さが最も効果的です。
■こちらが感情的になると相手はビビる
聞き方はあくまで淡々と。相手の話の内容に同調すると、ヒートアップさせてしまうので、「○○さんはそう思うんですね。それが嫌だったんですね」と相手を主語にして、共感あいづちを打ちましょう。
次第に、相手の感情も収まってくるでしょう。
ちょっと面白い方法として、あえてその人の前でその問題に対して本人以上に感情的になってみると、相手はビックリして、逆になだめたくなる心理が生まれます。
感情的になることがいかに恥ずかしいことか、本人に遠回しに気づかせることもできるでしょう。
・POINT

感情の起伏の激しい人に対して、同じように感情的になると収拾がつかなくなります。
相手が感情を出してきたときには、その気持ちが収まるまでただ話を聞くか、その場から去って見守ることです。話の内容には同調せずに、「○○さんは、それが嫌だったんですね」と相手に共感する聞き方をするといいでしょう。

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岡本 康平(おかもと・こうへい)

コンサルタント

1965年京都府生まれ。大学卒業後、大手広告制作会社に勤めるも、月間200時間にもおよぶ残業と職場の人間関係に悩まされ、4年で退職。両親が営む会社で働き始めるも業績の悪化により倒産、多額の借金を背負う。転職活動で悩んだことをきっかけに、コミュニケーションや心理学を研究。その後、不動産会社の営業として再就職を果たし、7年で借金を返済。現在は、コンサルタントとして企業の人材育成や社内コミュニケーションの活性化支援をライフワークとしている。

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(コンサルタント 岡本 康平)
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