楽天浮上のカギを握る、高卒遅咲き3人組|ブレイクに至るまでの苦悩

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昨季は4年連続のパ・リーグ4位に終わった東北楽天ゴールデンイーグルス。2021年以来のAクラス、そして2013年以来のリーグ優勝・日本一に向け、今季はまずまずのスタートを切ったと言えるだろう。



近年の楽天は、高卒で入団後に伸び悩んだものの、徐々に頭角を現し始めた選手が少なくない。中でも今回は3人をピックアップし、ブレイクに至るまでの経緯を振り返る。



村林一輝内野手(大阪府立大阪高・2015年 ドラフト7位)



1人目は、昨季プロ10年目で初の打撃タイトルを獲得した村林一輝。今やチームに欠かせない存在となっている。



村林は大阪の公立校、大塚高校で3年間を過ごした。高校時代はエースで4番。とはいえ、強豪ひしめく大阪において、大塚高校は無名と言える存在。甲子園には縁がなく、2015年ドラフトでは7位指名という評価だった。



プロ1年目の成績はファームで22打数ノーヒット。間違いなく、プロのレベルの高さを痛感したはずだ。その後、代走や守備固めといった役割で1軍での出場機会を確保したが、打撃がネックとなりレギュラー定着に至らず。「守備の人」というイメージを持つ楽天ファンも多くいただろう。



それでも2022年は内野の全ポジションを守るなど、ユーティリティ性を発揮。

求められる役割をまっとうし、ブレイクの時をうかがっていた。



迎えた2023年、当時は打撃コーチを務めていた今江敏晃氏からの助言により、体の使い方やスイングの軌道を見直すことに。この取り組みが功を奏したのか、シーズンでは77安打を記録。飛躍のきっかけを掴むと、翌年は初の規定打席到達をクリアし、ついにブレイクを果たしたのだ。



昨季はゴールデン・グラブとベストナインの初受賞に加え、144安打を放って最多安打のタイトルを獲得。宗山塁という強力なライバルが加わった中、自らの実力でレギュラーを死守した格好だ。



「守備の人」から絶対的なレギュラーへ。今季の村林からも目が離せない。



藤平尚真投手(横浜高・2016年ドラフト1位)



2人目は、今季プロ10年目を迎えた藤平尚真。リリーフ転向によって花開いた1人である。



神奈川の名門、横浜高校で背番号1を背負い、高校3年夏の甲子園に出場。「事実上の決勝戦」とも称された、大阪・履正社高校との試合ではロングリリーフとしてマウンドに上がり、後にヤクルトでプレーした寺島成輝と投げ合った。ただ、試合には惜しくも敗れた。



ドラフト1位で楽天から指名を受け、プロ1年目は1軍で8試合に登板。3勝4敗と負け越したが、防御率2.28の好成績を収めただけに、「将来のエース」と期待したファンも多かったはずだ。



しかし、プロ2年目は制球に苦しむ場面が多く、81 1/3の投球回で与えた四球は54。コントロールで自滅する試合もあり、防御率は4.43と前年より悪化した。



さらに2020年、2021年と登板機会を減らすと、21年に至ってはファームで防御率7.16と大苦戦。田中将大超えを期待されて着用した背番号19から、46に変更となる悔しさも味わった。



もがく藤平に転機が訪れたのは、2023年のシーズンオフ。翌年から監督就任が決まっていた今江敏晃氏から、リリーフ転向を打診されたのだ。この起用が見事に当たり、2024年は47試合に登板。20ホールド、防御率1.75とブレイクを果たした。



課題だった与四球も大幅に減少し、球界屈指のリリーバーに成長。2024年のプレミア12、今年3月のWBCなど、国際試合でも必要とされる存在になっている。



今季は開幕から抑えを任され、ハイペースで登板を重ねている藤平。セーブ数が多ければ多いほど、チームの勝ち星も増えていくだろう。



黒川史陽内野手(智弁和歌山高・2019年ドラフト2位)



そして3人目は、高校時代から勝負強さが際立っていた黒川史陽。昨季にブレイクを果たし、主軸としての役割が期待される選手だ。



智辯和歌山高校では1年夏から3年夏まで、5季連続で甲子園を経験。乱打戦となった第90回のセンバツ準々決勝、長崎の創成館高校との試合で逆転サヨナラタイムリーを放つなど、勝負どころでのバッティングは目を見張るものがあった。



ドラフト2位でプロ入りを果たし、ルーキーながら1軍の春季キャンプに最後まで帯同。また、ファームでは打率3割に迫るパフォーマンスを見せ、将来を嘱望されていた。



だが、その後はファームで結果を出しつつも、1軍に定着できないシーズンの連続。毎年のようにチャンスを与えられながら、掴みきれない状況だった。



不退転の覚悟で迎えたプロ6年目の昨季、上半身のコンディション不良により1軍昇格がずれ込んだが、交流戦で高打率を残すとついにレギュラーを奪取。打率.299、得点圏打率.344のバッティングで貢献を続けた。



中でも、日本ハムの北山亘基から放った一発は、黒川の豪快さを表すものだった。真ん中高めのボール球を思い切り振り抜くと、打球はライトスタンドに着弾。打たれた北山も、味方の楽天選手も驚きを隠せなかった。



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高卒野手の伸び悩みが続いていた楽天にとって、黒川はまさに希望の星だ。今季はさまざまな打順で自らの役割をまっとうしており、今後もチームを勝利に導くバッティングを期待したい。



執筆:西本友

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