リオネル・スカローニ監督は、北米で開催される2026年ワールドカップに向けた登録メンバー26名を発表した。リオネル・メッシらスーパースターは、60年以上も成し遂げられていない「大会連覇」という偉業を目指す。
しかし、そのメンバーの発表を受けて「驚きの選外」となった選手も少なくない。今回は『Planet Football』から「アルゼンチン代表から漏れてしまったスター選手」をご紹介する。
マルコス・セネシ
セネシの不在は、今回の選考で最も首を傾げたくなるものの一つだ。クラブでのフォームが選出に値する説得力を持っていただけに、議論の余地がある。ボーンマスでの素晴らしいシーズンを経てトッテナムへの移籍を控える彼は、今まさに全盛期にあるのだから。
プレミアリーグでの経験を持つ左利きのセンターバックは、ボール保持の落ち着き、対人の強さ、そして過酷なリーグで鍛えられた守備力を持っており、アルゼンチンに異なる守備のプロファイルをもたらしたはずだった。
ただ、クリスティアン・ロメロ、ニコラス・オタメンディ、リサンドロ・マルティネスといった面々がスカローニ監督の序列で長く上位を占めており、他のDFの方が戦術的な馴染みも深かったともいえる。
ある意味、セネシの落選は、クラブでのパフォーマンスだけでは不十分であることを示唆している。代表での信頼、ロッカールームの継続性、そして役割の明確さも必要なのだ。
マキシモ・ペローネ
彼はアルゼンチンの中盤の次世代を象徴する存在だ。知的で、左利きで、ポゼッションでは冷静。深い位置からテンポをコントロールできる。ヨーロッパでの成長は彼を魅力的な選択肢に変え、最終的なカット対象に残ったこと自体が、彼がいかに高く評価されているかを物語っている。
そして、彼の盟友である21歳のニコ・パスがメンバー入りしたのは当然の結果だ。
とはいえ、ワールドカップはアルゼンチンが中盤のセンターでギャンブルをする場所ではないのだろう。ロドリゴ・デ・パウル、エンソ・フェルナンデス、アレクシス・マック・アリスター、レアンドロ・パレデスという信頼のグループがあり、さらにジョバニ・ロ・セルソも戻ってきた。
このレベルの経験値に対し、ペローネの道は常に狭いものだった。今回の落選はポテンシャルの否定ではなく、アルゼンチンがディフェンディングチャンピオンであるという現実の再確認だといえる。
パウロ・ディバラ
前回大会決勝、土壇場でのクリア。あのプレーがなければアルゼンチンの優勝はなかったかもしれない。さらにローマをCLに導く活躍を見せていたディバラを55名の中にも入れなかったのは、かなりの驚きだったといえる。
2022年W杯決勝のPK戦でゴールを決めたが、それ以降代表での役割は着実に薄れていった。アルゼンチンにはすでにメッシという創造性の中心がおり、より若いフォワード陣は走力で勝る。
ディバラは依然として特別な存在ではあるが、このチームはすでに次のフェーズへと進んでしまったようだ。
アレハンドロ・ガルナチョ
前回大会の時点では「次代のエース候補」として期待されていた。しかし、ルベン・アモリム監督との衝突やマンチェスター・ユナイテッドからの退団、そしてチェルシーへの移籍後は伸び悩んでいる。
トランジションでの爆発力、スペースへの攻撃的な姿勢、そして左サイドからスペクタクルな場面を作り出す能力は評価されているが、その安定性やチームへの浸透力という点では疑問符がつけられる。
スカローニ監督のチームは、戦術的な信頼、守備の規律、そしてプレッシャーの中でテストされてきたコンビネーションの上に築かれている。
リオネル・メッシ、フリアン・アルバレス、ラウタロ・マルティネス、ティアゴ・アルマダといった他の攻撃陣が序列で勝っている現状だ。才能に疑いの余地はないが、今大会は彼にとってまだ早すぎたのかもしれない。
エミリアーノ・ブエンディア
ブエンディアは、自分を本当に不運だと思っているに違いない。深刻な怪我に悩まされた後、アストン・ヴィラで主力へと返り咲き、今回の選外が大きな議論を呼ぶほど強力なシーズンを過ごした。
技術的に言えば、彼はアルゼンチンがあまり持っていないものを提供できる。中盤と前線の間で機能し、狭いスペースで連携し、ファイナルサードで創造性を発揮できる選手だ。
しかし、代表レベルでの課題は常に同じだった。アルゼンチンの攻撃的MFのポジションは極めて層が厚く、スカローニはチームのメカニズムをすでに理解している選手を好む傾向がある。ブエンディアは有能だが、レギュラーとして定着したことは一度もない。
カタール大会の主軸を守りつつ、より若い攻撃的な次世代のタレントを加える中で、能力ではなくタイミングによって押し出されたのだ。
マルコス・アクーニャ
今回外れた選手たちの中で、最も感情を揺さぶるのがマルコス・アクーニャの落選かもしれない。彼はアルゼンチンの黄金時代において単なる控え選手ではなかった。信頼される男であり、世界王者の一員であり、チームに攻撃性、激しさ、そしてバランスをもたらした左サイドの功労者だった。
絶頂期のアクーニャは、強度、経験、守備の鋭さ、そしてSBとWBの両方をこなす汎用性を完璧に備えていた。しかし2026年に向けた判断は、実績と同じくらい身体的なコンディションが重視されたようだ。
『Reuters』はフィットネスの問題で外れたと報じており、ハムストリングの負傷がそれを導いてしまったようだ。26人に限られる枠において、完全に計算できない左SBを抱える余裕はなかったともいえる。
フランコ・マスタントゥオーノ
(C)Getty Images
昨夏レアル・マドリーへ移籍した18歳の神童。ジダンとも比較されるその才能も、マドリーでの1年目は苦難の連続だった。リーグ戦23試合でわずか1ゴールに終わり、チームの不協和音の煽りを受ける形となった。
アルゼンチン代表の公式戦における史上最年少デビュー記録も塗り替えており、そのポテンシャルは疑いようがない。アルゼンチンとスペイン両国の報道によれば、スカローニ監督は彼の巨大な潜在能力を認めつつも、メンバー外にする決断を下したという。
左利きの右ウィンガーである彼は、キレのあるドリブルと創造性、そしてセットプレーの質を兼ね備えている。
彼の落選は、彼の限界を物語るものではなく、あくまでタイミングの問題だろう。彼のアルゼンチン代表としての物語はまだ始まったばかりだ。
日本代表がメッシに勝った!「2010年のアルゼンチン代表伝説スタメン」がこれ
※選出基準は、各選手の実績に基づきながら筆者またはメディアの主観的判断も含んでおります。
筆者:石井彰(編集部)

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