7月に入り、貴州省では農作物の夏季管理が重要な時期を迎えている。同省銅仁市沿河トゥチャ族自治県板場鎮蒲楠村では農業用ドローンが低空を旋回し、殺菌剤や葉面肥料を科学的に配合した薬剤を大豆とトウモロコシの帯状複合栽培農地に正確に散布している。
沿河土家族自治県農業機械センター責任者の肖鷹(シャオ・イン)氏は、「8機のドローンを使って、県内の約1.3ヘクタール以上のまとまったトウモロコシ畑で病害虫防除を実施している。一度の散布で、大豆とトウモロコシの『病気を治療』すると同時に『体力を強化』する効果がある」と話す。
同様の取り組みは他の地域でも進んでいる。貴州省六盤水市水城区野鐘郷では初めて農業用ドローンを導入し、約613ヘクタールの刺梨(シリー)栽培拠点で葉面追肥などの管理作業を実施した。また、遵義市仁懐市魯班街道ではドローン5機がわずか2日間で約133ヘクタールのコーリャン畑の病害虫防除を完了した。
春の耕作から夏の管理まで、ドローンは貴州省の農地で最も忙しく活躍する「新たな農機」となっている。農作物の管理だけでなく、「山間部の運搬作業員」としても活躍し、農業資材や野菜、果物などを容易に山から運び出している。
同省赤水市天台鎮の竹林農家・王少華(ワン・シャオホア)氏は、「以前はすべて人が担いで運んでいたが、ドローンを使うようになってからは効率が大幅に向上し、作業もずっと楽になった」と語る。248機の林業輸送用ドローンの活用により、赤水市では過去1年間で40万トンを超える竹材を運搬し、1.3万ヘクタール以上の山奥にある遊休竹林の活用につながった。
同省では山地と丘陵地が省全体の約92.5%を占めており、農地が分散し、輸送が困難であることが長年発展の制約となってきた。この山岳農業が抱えてきた長年の課題は、現在ではドローンによって次々と解決されており、低空経済(低空域飛行活動による経済形態)は構想段階から実際の農業現場へと着実に浸透している。
4月には峰飛航空が京東物流および貴州省民航低空経済公司と連携し、中国初となる1トン級eVTOLによる春茶輸送専用ルートの実証飛行を実施した。摘みたての春茶を積載した峰飛航空の無人貨物機V2000CG「凱瑞鷗」が安順市普定県の茶産地を離陸し、約120キロメートル離れた貴陽市の物流拠点まで37分で到着。高速鉄道の幹線輸送と接続することで、貴州省から長江デルタ地域への最速当日配送を実現し、空輸効率は陸上輸送の3倍以上となった。
低空経済が急速に社会の注目を集める中、中央政府から地方政府まで関連支援策が相次いで打ち出された。25年8月には、貴州省が「低空経済の質の高い発展に向けた3カ年行動計画(25~27年)」を通達し、ドローンの農業分野における活用が加速している。
農業生育状況のモニタリング、精密施肥、農薬散布などにおいて、ドローンは従来の人力作業を精度と効率の両面で大きく上回り、農業生産性を大幅に高めるとともに、農業活動の実質的な作業範囲を大きく拡大している。
かつてカルスト地形の山岳地帯は農業機械化の「空白地帯」とされていた。しかし今ではドローンが山々を越えて飛行し、不利な自然条件を地域の強みに変えつつある。農薬散布、山岳地帯での空中運搬、航空物流――立体的な低空農業ネットワークの構築が加速する中、「新たな農機」は貴州省の農業に生産力の変革をもたらしている。(提供/人民網日本語版・編集/NA)











