この日は夏を感じさせるほどの気温と天候。会場となったクアーズテック秦野カルチャーホール(秦野市文化会館)の入り口にはキッチンカーがいくつも並び、真矢プロデュースのラーメン店・天雷軒も出店。また広場では地元のアーティストによるダンスや演奏が披露されるなど、お祭り感満載で開場前からたくさんの方が集まり、このフェスを堪能していた。
16時開場。そして定刻17時なると緞帳があがった。
能楽囃子と和楽器を叩く真矢のコラボはLUNA SEAのライヴでもおなじみだが、この緊張感のある演奏をバックに、水墨画家がステージの後方、天井からつるされている大きな幕へライヴペインティングを行うという、スリリングなパフォーマンスを始める。小さいころから能楽に精通していた真矢の叩く音は雅で美しく凛としていて、演奏する姿も実に美しい。能楽囃子との息もピッタリでそのミニマムな所作から生まれる緊張感のある音をバックに、水墨画を大胆に描いてゆく。
ここでMCが登場。そして早速真矢を呼び込む。演奏したときのままの袴姿でステージに再び登場した真矢は満面の笑みで、イベント開催の挨拶として、会場に集まったお客さんに感謝の言葉を述べた。そして、ライヴペインティングを終えたばかりの長嶋芙蓉と、真矢と息の合った演奏を披露した能楽囃子から望月秀幸がステージに登場し、トークを展開。
Photo by 真中 祐弥
太鼓の準備が整い、まずは太鼓集団 鼓粋が演奏をスタート。伝統ある和太鼓の響きを大切にしつつ、創作的な演奏を披露する太鼓集団 鼓粋。例えば、叩いては太鼓を持って自由に移動し、ダンスパフォーマンス的な要素もあり、観客を飽きさせない。日本の伝統文化の深さと、そして進化し続けるその姿に感動した。圧巻の演奏が終わると大きな拍手が沸き起こった。
そして、真矢とともに秦野祭囃子社中の演奏がスタート。
20分ほどの休憩をはさみ、秦野出身のシンガーソングライター・立石純子と、秦野の音楽シーンを盛り上げているハダノ・アート・コモン with KAZUKO BANDの演奏がスタート。立石純子はピアノでの弾き語り1曲とハダノ・アート・コモン with KAZUKO BANDをバックに2曲を披露。その透明な歌声で観客を魅了した。ハダノ・アート・コモン with KAZUKO BANDも3曲を演奏し、会場を盛り上げた。
演奏後、壇上に立石純子とハダノ・アート・コモン with KAZUKO BAND呼び込みトーク。『秦野ブランドアンバサダー』を5年務めている立石純子と、地元秦野で演奏を続けるハダノ・アート・コモン with KAZUKO BANDメンバーで秦野の魅力を紹介してくれた。景色、お水、人間味・・・様々な魅力を擁する秦野だが、お水が美味しいのでお蕎麦がとにかく美味しいそうで、是非お蕎麦を食べてみてください!ということで、筆者も次に秦野に行く際はお蕎麦を堪能してみたいと思っている。
Photo by 真中 祐弥
そんなトークの途中、最後の演奏に向けて、4台のドラムセットがステージに出現し、会場が湧く。そして、ドラムのセッティングが完了し、いよいよ最後の演目、真矢、淳士、LEIVIN、櫻川めぐという4人のドラマーによるドラムセッション!
まずは、真矢と淳士が登場しトークセッションからスタート。淳士はかつて真矢のローディーをしていたこともあり、二人は師弟関係で、息のあったトークで観客を笑わせる。そこにLEIVINと櫻川めぐ、そしてMCも加わり、ドラム談議。ちなみに、真矢のドラムの魅力を、淳士は『和のモードをドラムに持ち込んだこと』、LEVINは「まねできない間(ま)」、櫻川は「わたしにとってドラムの神です」と評した。一方の真矢は3人のドラマーの魅力を「淳士は時を切り裂くドラム」「LEVINはへビーなドラムを叩かせたら右に出る者はいない」「めぐさんの素直なビートはとても魅力的です」と語ってくれた。そんなドラム談議の後、いよいよ4人によるドラムセッション。ほぼ何も決めごとをしていないそうで、ドラムで会話しながら、セッションが進む。しかもドラムセットを交代しながらのセッション。ソロパートでは真矢コール、淳士コール、LEVINコール、めぐコールで会場のテンションもマックスへ。演奏の迫力、技術、そしてエンタメ性にどんどん引き込まれてゆく。和太鼓と違う、それぞれのドラマーが刻むビートやグルーヴも気持ちよく、本当に贅沢なイベントだと感心した。
セッションが終了するとこの日一番の拍手が会場に鳴り響く。その大きな拍手の中、すべての出演者がステージに集合し、全員による記念撮影、そして真矢の締めの挨拶。ここでも真矢は出演者、スタッフ、そして会場に来てくれたみなさんに感謝を伝えた。そして、真矢コールをおこない大団円。大きな拍手の中、『奏・秦野』は大成功の幕を閉じた。
文:ジョー横溝
写真:真中 祐弥
真矢オフィシャルサイト
https://331shinya.com
LUNA SEAオフィシャルサイト
https://www.lunasea.jp