アトレティコ・マドリードに所属するFWアントワーヌ・グリーズマンが、退団セレモニーを実施した。17日、スペイン紙『アス』が伝えている。


 “リトルプリンス”が、シメオネ・アトレティコの“7”が、クラブの“レジェンド”が、ついに出発する。2014年夏にロヒブランコスのシャツに袖を通したアントワーヌ・グリーズマンは、ここまでクラブ公式戦通算500試合に出場するとともに、歴代1位の通算212得点を記録したほか、2017-18シーズンには、ヨーロッパリーグも制覇した。そして今年3月、シーズン終了後のクラブ退団を発表。「ここでのキャリアをタイトルで締めくくる」という夢だけは叶えられなかったが、アトレティの記憶には残り続けることになる。

 そんなグリーズマンは17日、自身が第1号の得点者となった本拠地『メトロポリターノ』で最後の試合に臨むと、ゲームキャプテンとしてフル出場。アデモラ・ルックマンの決勝点をアシストする活躍で1-0の勝利に貢献し、自らの“プレー”で有終の美を飾った。

 そして試合後、「まずはみんな、残ってくれたことに感謝したい。本当に素晴らしいことだ」と退団セレモニーに登場したグリーズマンは、「とても大切なことで、多くの人が許してくれたけど、まだしていない人もいるだろうから、改めて、ごめんなさいと謝らせてほしい」といつかの過ちに目を向ける。2019年夏、絶対的なエースとして君臨しながらもバルセロナへと移籍したことでサポーターから反感を買い(そのシーズンにアトレティコがリーグ優勝したのも拍車をかけるという…)、復帰後もしばらくはブーイングを浴びるなど“裏切り者”のレッテルを貼られた。それでもプレーで信頼を取り戻した“レジェンド”は、「ここでのみんなからの愛情に気付けなかった。僕は若すぎた、間違いを犯したよ。だけど考え直したんだ。
ここに戻り、再び楽しむために全力を尽くそうとね」と去来する思いを明かした。

 またグリーズマンは、「チームメイトに感謝したい。2014年から今日まで、毎日、すべてのトレーニングセッション、すべての試合、すべての勝利と敗北を共有し合えたことは信じられないほど素晴らしい経験だよ。君たちと一緒に戦えたことは本当に最高だった」とし、「セラピストやエキップにも感謝している。朝6時に起きてマッサージしてくれたり、それでいて最後に帰るのだからね」と各方面に言及していく。

 続けて「コーチングスタッフ、そしてこのクラブのすべてを変えた男、ディエゴ・シメオネにも感謝する」とプロキャリアにおいて最も同じ時間を過ごした“恩師”に触れ、「あなたのおかげで、このスタジアムとロッカールームには大きな熱気が溢れている。あなたのおかげで僕は世界王者になれた。世界一の気分を味わえた。あなたのために戦うことが、誇りだったよ」と告白。さらにもう一人、「そして、僕たちのカピタン、コケについても語らないとね。個人的には、僕がレジェンドかどうかは分からない。でも、友よ、君はこのクラブの真のレジェンドだ」と苦楽を共にしたチームメイトに思いの丈を伝えた。


 最後は、「妻のエリカ・チョペレナにも、ありがとうを伝えなければならない。僕を支え、辛い日々を乗り越えるのを助けてくれ、負けた日の怒りを一生に抱えてくれた。愛している、愛している、愛しているよ」としつつ、「両親、お父さんへ。プロ選手を目指していた13歳の僕をフランス全土へ連れて行ってくれたね。往復何時間も、かかったね。そのおかげで、僕はフットボールを楽しむことができた」と家族へ言葉を送った上で、「ラ・リーガのタイトルやチャンピオンズリーグのトロフィーを持ち帰ることはできなかった。だけど、この夜は僕にとってそれ以上の価値がある。君たちの愛情は、一生忘れない。お父さん、お母さん、叔父さん、叔母さん、子供たちをここまで連れてきてくれてありがとう。アトレティコ・マドリードが世界一の場所だ、ということを教えることができたんだ」と締めくくっている。

 アトレティコ・マドリードの“象徴”、アントワーヌ・グリーズマン。まもなく、両者は別々の道を歩み始めるが、これは「さようなら」ではなく、「またね」に過ぎない。
「オーランド(・シティ)との契約が終わったら、ここに戻ってくる。マドリードに、このクラブに、別の立場からトロフィーを獲得するためにね」と“リトルプリンス”が約束を口にしているのだから。


【別れ】グリーズマンの退団セレモニー



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