◆SATO presents 高校野球女子選抜0―8イチロー選抜 KOBE CHIBEN(31日・バンテリンドーム)

 「イチロー選抜 KOBE CHIBEN」が、「高校野球女子選抜」に快勝して、21年から5連勝となった。

 「1番・投手」で先発したイチロー氏(51)は1安打を放ち、投げても9回1安打完封で最速135キロをマークし、毎回の14三振を奪った。

「4番・中堅」の松井秀喜氏(51)は3回の2打席目に2年連続弾となる先制の豪快な3ランを右翼席ポール際に運んだ。観客は2万1233人が集まった。

 21年から毎年行われている高校野球女子選抜との試合も今年が5度目。出場選手、開催会場などを変えながらも、大きな注目を受ける一戦となっている。男子高校野球を指導するなど、日本の今後の球界発展のために尽力するイチロー氏だが、女子野球に注力する理由について、この日の試合後には熱く語った。

 「おじさんたちは、声を頑張って出すし、盛り上げるし、雰囲気を作るけど、例えば練習試合の時に、審判の判定に思わず『それ違うんじゃないか』という雰囲気を出したり、アウトとと思ったのを、セーフとコールされたときに思わず『エッ?』と出ちゃうのを、彼女たちは絶対にしない。審判をリスペクトしてるんですよね、あらゆることに敬意がある。野球ができることを本当に幸せに感じているし、男子と違って環境も恵まれていないですから。あらゆる面で男子と差がある。野球ができるだけでハッピーになれる。その姿勢は大人が見習わなければいけない。恵まれていることで本来持っていなきゃいけない人としての性質を失いがちだと思う。

彼女たちと接すると、そこを大事にしたいなと。それは神戸智弁も大事にしているモットーにしたい」

 女子野球は競技人口も少なく、男子の全国大会(甲子園)が連日多くのファンが集まって注目を浴びてテレビ中継もされるが、女子野球となればそのような環境とはかけ離れている。イチロー氏の尽力もあってここ数年は競技人口も増えてきたが、まだ男子にはかなわない部分もある。この日は2万人以上がバンテリンドームには集まった。

 来年以降の開催についても「高校生たちに話を聞くと、この試合があることはすごいモチベーションになると言ってくれる。甲子園でもなかなかお客さんが入った中ではプレーできない。これ以上はなかなかない。元プロ野球選手でもなかなかないので大切にしたい」と前向きだった。

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