◆ラグザス presents 第32回 WBSC U―18 野球ワールドカップ ▽1次ラウンド 日本4―1イタリア(5日・沖縄セルラー那覇)

 第32回U―18W杯が開幕。世界一連覇を目指す高校日本代表はイタリアとの初戦に4―1で白星発進した。

先発した149キロ右腕・森下翔太(創成館3年)が6回途中を1失点と好投。打線は同点の6回2死満塁、敵失が重なり3点を勝ち越した。だが5安打止まりで、高校日本代表で臨んだ04年以降の同大会の開幕戦では、19年スペイン戦の6安打を下回り最少スタートとなった。6日は強敵・韓国と対戦。左腕・末吉良丞(沖縄尚学2年)が先発する。

 琉球の風に吹かれ、森下が那覇のマウンドで躍動した。この日最速143キロのストレートを軸に、スライダーやカーブも織り交ぜ、2回1死からは5者連続Kと奪三振ショーが止まらない。5回1/3を4安打1失点、8K。制球力が際立ち、無四死球で開幕投手の重責を果たした。

 「気持ちで負けないように。自分の投球でいい流れを持ってこようと思っていました」。史上初のナイター開幕となった今夏の甲子園開幕戦・小松大谷戦では、毎回13K&無四死球で完投勝利。

夏の甲子園開幕戦で先発した投手が、U―18W杯、U―18アジア野球選手権の高校日本代表の開幕投手を務めるのは史上初だった。78球で任務を全うした。

 遠い親戚には23年の前回大会で高校侍の正ショートとして世界一の原動力となり、MVPに輝いた緒方漣(横浜―国学院大2年)がいる。8月31日、大学侍との壮行試合では初めて会い、記念写真を撮った。「頑張れよ」と激励され、気合がみなぎった。ほとばしる闘志を白球に込め、力投した。

 この夏、阪神外野手と同姓同名で注目を浴びた。憧れは藤川球児監督の現役時代のような火の玉ストレート。「自分の力でも世界に通用すると分かった」。日の丸を背負い力投する姿は、170センチの身長よりも大きく見えた。(加藤 弘士)

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