ロッテは9日、美馬学投手が今季限りで現役を引退し、30日の古巣・楽天戦(ZOZO)で引退試合を行う予定と発表した。

 茨城県出身で38歳の右腕は藤代、中大、東京ガスを経て2010年ドラフト2位で楽天に入団。

13年の巨人との日本シリーズでは、第3戦に先発して6回途中無失点で勝ち投手に。中4日で先発した第7戦も6回無失点の好投で勝ち投手となり、日本一に貢献してMVPを獲得した。17年には自己最多の11勝を挙げた。

 19年オフにFA宣言してロッテに入団し20、22年には10勝をマークした。14年目の昨季はプロ入り後初の未勝利に終わり、契約更改交渉では減額制限(1億円超えは40%)を超える1億円減の4000万円でサイン。会見で「正直、クビだと思っていた。チャンスをもらい、助けてもらった。来年はやり尽くしてチームに貢献したい」と今季の再起を誓ったが、まだ1軍登板はない。通算成績は266登板で80勝88敗、防御率3・94。

 美馬は球団を通じて「この2年間、肘や膝の故障が続き、試合に出ても良い結果を出せず、思うように野球ができないことに毎日苦しさを感じていました。今年が最後の1年のつもりで、前だけを見て自分自身と戦ってきました。長年たくさんの故障に耐え続けてくれた自分の身体にも、限界を感じる痛みが続き、自分としても辞め時を意識し、現役引退という現実を受け入れる整理がつきました。

引退を決意したことに関して、もちろん寂しい気持ちや、悔しい気持ちはあります。しかし、もう痛みと戦わなくていいという、安堵(ど)の思いが一番はじめに感じたのが正直な気持ちです。球団からは最後に引退試合をやっていただけるとのお話をいただき、そういう舞台を用意していただけることにとても感謝をしています。最後は、15年間どんな時でも応援していただいた皆様、ファンの皆様に投げている姿を見てもらえたらと思います。僕にとってかけがえのない素晴らしい時間を、素晴らしい景色をたくさん見させてくださり、本当にありがとうございました」とコメントした。

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