◆JERA セ・リーグ 巨人6―4広島(9日・東京ドーム)

 巨人が初回から打者一巡の猛攻で連勝を3に伸ばし、勝率を5割に戻した。1点を追う立ち上がりに苦手の広島・床田を捉え、1死から7連続長短打。

岡本和真内野手(29)の適時打で同点、中山礼都内野手(23)が勝ち越し打を放つと、なおも1死満塁からリチャード内野手(26)が9号グランドスラムをたたき込み一挙6点を挙げた。戸郷が5回4失点で6勝目。9回を締めたマルティネスが2年連続の40セーブ目を挙げ、球団では3人目の大台に乗せた。

 巨人が広島に逆転勝ちし3連勝。勝率を5割に戻した。先発の戸郷翔征投手が初回に1点を先制されたが、直後に打線が打者一巡の猛攻、リチャード内野手の満塁本塁打などで一挙6点を挙げて逆転した。戸郷は5回8安打4失点(自責3)、今季最多タイの8奪三振で今季の広島戦は初勝利となる6勝目を挙げた。

 納得がいかない。6―3で迎えた5回2死二塁。戸郷は坂倉に適時二塁打を浴びてさらに1点を失った。最後は菊池を空振り三振に打ち取って勝ち投手の権利は得たものの、マウンドからベンチに戻るその表情には、充実感のかけらもなかった。

 7日に阪神の優勝が確定し、リーグ連覇の道は途絶えた。

先発を任されたのは6勝目を目指す戸郷。広島には今季、試合前まで3戦2敗、防御率9・39と苦戦中だが「(阪神の)優勝が決まった以上、2位を確実に死守しないといけない。そのためには1試合1試合が大事になる」と必勝を誓った。

 相手先発の床田に対しては今季、1完投1完封を許して2戦2敗。難敵相手を打ち崩したい巨人は4試合連続で1~8番が同じ打順となった。

 試合は初回から動いた。安打とキャベッジのファンブルで1死二塁。小園に右翼線二塁打を浴びて先制を許したがその直後、巨人の猛攻が始まる。キャベッジの中越え二塁打、泉口の中前安打で1死一、三塁とすると、岡本の中前適時打で同点に追いついた。岸田の中前安打で満塁とすると「いい流れに乗って積極的にいきました」と中山の右前安打で勝ち越しに成功。続くリチャードが9号満塁本塁打を放ち、一挙6得点。巨人の1イニング7安打、7者連続安打はともに昨年6月4日のロッテ戦(東京D)の3回、9連打を含む12安打以来。

1回6得点以上は、今季3月29日・ヤクルト戦の2回、6点以来と記録ずくめのイニングとなった。

 しかし2回、戸郷は先頭の佐々木に内野安打を許すと9番の投手・床田にプロ初本塁打を浴びて3点差に。5回にも1点を失って4失点(自責3)で降板した。内海投手コーチは「ストライクとボールがはっきりしている。ここぞという時のコントロールがアバウトすぎる」と厳しく評価した。

 戸郷は「今日は野手の方々のおかげです。反省することは多いですが、しっかり修正して次回登板までにいい準備ができるようにしたい」と振り返った。6回は田中瑛、7回は船迫、大勢と、中継ぎ陣がいずれも1回無失点に抑えた。

 9回はマルティネスがマウンドへ。先頭のファビアンを中飛に抑えると、続く小園は見逃し三振。モンテロは右飛に封じた。守護神がピシャリと抑えて今季40セーブ目。

中日時代の昨年から2年連続2度目の大台で、球団では13年・西村健太朗(42セーブ)、08年クルーン(41セーブ)に次ぎ3人目。チームは3連勝とした。

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