◆パ・リーグ 日本ハム7―4ソフトバンク(9日・エスコンフィールド)
2位の日本ハムが首位ソフトバンクに逆転勝ちし、ゲーム差を3に縮めた。9日に出場選手登録された今川優馬外野手(28)が「2番・中堅」で昇格即スタメン出場し、決勝1号ソロを含む3安打。
ベンチの新庄監督とハイタッチを交わすと、ナインにもみくちゃにされた。今川の迷いのないスイングが、モイネロの147キロ直球を捉えた。3―3の5回無死、左中間中段へ勝ち越しソロ。22年9月17日のロッテ戦(札幌D)以来3年ぶりの一発に「ファイターズのユニホームを着て野球ができるラストチャンスだと思っていた。『優勝へのラストピースは今川だ』と胸を張って言えるように鎌ケ谷でやってきた」。2軍では打率4割1分4厘、7本塁打。約4か月ぶりに1軍昇格した28歳が決勝弾を放ち、首位ソフトバンクとのゲーム差を3に縮めた。
伏兵2人が天敵を攻略した。今季すでに4勝を献上し、防御率0・87と封じ込まれていたモイネロ対策として、指揮官はオーダーに右の“刺客”を2人忍ばせた。昇格即2番に今川、8番には早大時代本塁打0のルーキー・山県。
指揮官の金言が効いた。今川は第1打席の空振り三振後に「迷ったら代えるからね」と声をかけられた。「空振りしてもいいやくらいの気持ちで強振できた」と雑念が消えた。山県は「ミーティングで『甘くきた球は長打を打てるスイングを』と言われていた。自分は長打を打てるキャラじゃないですけど」と、はにかんだ。
チームは連敗を3でストップ。負ければ首位と絶望的な5差となる崖っ縁で3差に盛り返した。